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「ランドセルはいりませーん!」断言するこうちゃんとの“ラン活”は意外な結末…背負った相棒に思いを託した日【室谷香菜子のいっくじ日記#7】

  • 2024.9.12

HBCアナウンサーの室谷香菜子(むろや・かなこ)が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、小学校入学までの1年間を”一句”(育)児日記につづります!

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

“ラン活”に焦る親心…

こうちゃんが小学生になるまであと半年あまり。
入学に備えて、ついにランドセルを購入しました。

この連載コラムでも何度も言っている気がしますが、改めて、子育ては予想外の連続。

ようやく終わった我が家のランドセル選び、いわゆる“ラン活”もまた同じでした。

そもそも、”ラン活“というこの言葉の呪縛…。これが長い間私を悩ませていました。

「早く買った方がいいのかな?年中さんのうちから買うご家庭もあるの!?」(焦り)

「ある程度、値段の高いランドセルの方が良いんだろうか」(迷い)

「ランドセル選びに難航したらどうしよう」(不安)

Sitakke
ラン活に焦る母を横目に…

しかしいざ”ラン活“を始めると、開口一番、こうちゃんが放ったのは余りにも予想外の一言でした…。

「こうちゃんは小学生にはなりませ~ん!だから、いりませ~ん!」

ちょっとドキドキしちゃう…

Sitakke
保育園も、保育園のお友だちも大好きなこうちゃん

「小学生にならない」「ランドセルはいらない」

そう話すこうちゃんに、まずは聞いてみました。

「え、なんで?教えて?」

「だって、保育園のお友達と離れ離れになるのがいやなんだよ…」

「小学生になるのは楽しみじゃない?」

「ん~…今のままがいい。ちょっとドキドキしちゃう」

なるほど。

息子の気持ちは痛いほどよく分かりました。

私も、昔も今も、”変化“を楽しむより、不安に思ってしまうタイプ。
だから”変わらないこと“が一番安心するし、心地よく感じます。

でも、変化を乗り越えて強くなったことも事実。

そこで、こう話してみました。

Sitakke
お誕生日も一緒にお祝いした大好きなお友だちは今小学1年生

「〇〇くんとおんなじランドセル、売ってるかもしれないよ!」

すると、とたんにこうちゃんの目が輝きます。

「え!かっこいいやつ!?」

「〇〇くん」というのは、こうちゃんが大好きな1つ年上のお友だち。
保育園が一緒でした。

去年、その大好きなお友達の買ったランドセルを羨ましそうに見ていました。

Sitakke

かぶせ部分(ふた)をくるっと簡単に開け閉めできる錠前に戦隊ものの変身バッジのようなオリジナルのデザインが施されていて、「かっこいい!」と特に男の子が喜びそうなビジュアルです。

「じゃあ、そのランドセルをまずは実際に見に行こう!」

そうしてこうちゃんと2人、大型ショッピングセンターへ行きました。

色は?デザインは?値段は?ああ…親が必死に…

Sitakke
ランドセル売り場は色も形もとりどり…(画像は去年のランドセル売り場資料)

ピンク、レッド、パープル、ブルー、グリーン、グレー、ブラウン、ブラック・・・

これが…ラン活か…。

値札を見て、「ん~」と思わず声が出てしまいます。立派な値段…
中には7万円、8万円のものもあります。

目を背けてはいけない。大切な入学準備。
なるべく派手なデザインではなく、色も無難なもの…そしてそれほど高くないものを…

必死に物色している私の横からは…

「ママ!ゲームセンター行きたい!」

おいっ!!!

「まずはランドセル。こうちゃん、何色がいいの?黒か青?」

いけない!私の好みを押し付けてはいけない!!
6年間の相棒だから、本人が気に入った色、デザインの物を買ってあげたい。
それなのに…。

「ほら!どれがいい!?これとか、これとか・・・」

冷房が効いているはずの店内でなぜか焦り、すでにじんわり汗をかき始めている私を横目に、こうちゃんは大きなあくびをしてから、一言。

「ママの好きなのでいいよ」

選ぶ気なし!!!

いや…どうせ希望を言っても私好みでなければ却下される、と薄々感じているから?

ラン活ってこんなもの?

もっと…、こう…、親の意見と子供の意見がぶつかり合ったりするものだと思っていたのに。焦っているのは私だけ…

Sitakke

結局、お友達が買ったかっこいい錠前のシリーズを見つけ、「お~!これこれ!これにする!!」とご機嫌で背負ってくれました。

傷ひとつない、ぴかぴかのランドセル。こうちゃんが得意げな表情で背負います。

あっけなかったけど、何だか感慨深かったラン活

Sitakke
なんだか急に背中が大きくなったみたい

得意げな表情で背負ったこうちゃんの姿を見て、なんだか急にこみあげてくるものがありました。

大きくなったなぁ。

くっついて離れない甘えん坊だったこの子が、一人で学校へ通う日が近づいているんだと、ランドセルが私に伝えているようでした。

Sitakke
やっぱりこの錠前がお気に入り

いざ始めてみるとあっけないほど早く終わった我が家のラン活。

あれだけ興味のなさそうだったこうちゃんですが、その後どうなったかというと…

やっぱり普段、ランドセルはぶん投げられています(笑)

だけど、お家に誰かがくるたびに「こうちゃん、ランドセル買ったんだ!」と得意げ。
そしてランドセルを手に入れてから、「小学生になったら…」とこれからの話をしてくれるようになりました。

もう、「小学生にはなりませ~ん!」なんて言わないんだね。
これもまた、変化を乗り越えようとしている、今のこうちゃんの姿。

ふと、6年前、不安な気持ちで抱っこ紐をあれこれ選んでいた頃のことを思い出しました。

自分で買ったもの、おさがりでもらったものなどいくつかありましたが、最終的に私の体になじんだものはたった1つだけ。

その抱っこ紐をお守りのようにいつもお出かけ先にも持っていっていました。
私の体温と息子の体温が交じり合って抱っこ紐の中はじっとり、ぽかぽか。

まさに「相棒」だったなぁ。

Sitakke

新アイテム!そして、息子自身の新しい「相棒」ランドセル!
どうかこうちゃんをあたたかく守っておくれ!

ここで一句!

ピカピカの ランドセル背負い 得意顔

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

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文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

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