実りを喜ぶハーベストムーン
9月18日の11:34頃、うお座で満月が起こります。日本からは観測することはできませんが月食で、占星術の観点からいえば「特別な満月」。満月が持つ「物事が一定レベルまで到達し、振り返りと調整を行うタイミング」という意味合いがよりビビッドに強調され、大きな影響をもたらします。満月前後は心身ともに揺れやすい人が増えるのですが、今回はそれがいっそう顕著になるかもしれません。無理をしすぎず、自分のペースを大切に過ごせたら素敵です。
ちなみに9月の満月は、アメリカ先住民の暦では「ハーベスト・ムーン」、つまり収穫の月と呼び習わされていたのだそう。日本でも、秋の味覚が続々と店頭に並び始めていますね。旬を問わず食材が手に入りやすくなった現代においても、実りの秋は格別に嬉しいもの。それは、頑張ったあとの「実り」の大切さが、日頃から身にしみているせいもあるかもしれません。
手放すことを恐れず、次のフェーズを目指して
今回の月食はうお座で起ります。うお座は12星座のラストを飾る星座。ひとつのサイクルの終わりであり、次にひかえているおひつじ座からスタートする新たなサイクルのために、すべてが融合のフェーズに入ります。一方、満月は「物事が満ちる」とき。ここまで頑張ってきたことが一定のラインまで到達することで、振り返りと調整を行うタイミングです。月食は前述の通り、「特別な満月」としてさらにその意味合いが強まり、満ちる度合いも強め。一定のレベルまで到達することでこれまでのやり方を卒業する、もっと上のフェーズに向かっていくという意味合いが加わります。これは、まさにひとつのサイクルの終了地点にあるうお座の意味合いと重なっているのですね。
この9月、月食が巡ってくることでなんらかの「卒業」「手放し」を経験する人は多いのかもしれません。自分で終えることを選ぶ人、終わっていくのを見つめることしかできない人。今までのやり方を、変えていかなければいけないと痛感する人。慣れ親しんだものが変わるときは、どうしたって不安が伴います。無理に変わらなくてもいいのではという考えも浮かぶでしょう。それでも、ずっと学生のままでいることはないように、人生には次のフェーズが待ち受けています。
終わることを、手放すことを恐れずに──この満月においては、そういったメッセージが浮かんできます。両手にものをぎゅっと握りしめたままでは、新たなものはつかめません。運だって、同じなのですよね。
柔軟性を、アップデートしていく
この満月は、ふたご座に滞在している木星と、少しゆるめではあるものの「Tスクエア」という角度を取っています。8月の満月もTスクエアでした。木星は「幸運と拡大の星」と呼ばれるラッキースター、Tスクエアは葛藤を意味します。これを読み解くには、満月のTスクエアが形成される星座に着目することが読み解くポイントとなるでしょう。太陽はおとめ座、月はうお座、木星はふたご座。どれも「柔軟宮」と呼ばれる、適応能力に長けた星座です。ここまで、楽しいときも苦しいときも「なんとかする」で乗り切ってきたこと、今あるものを活かして適応してきたこと。頑張れる手段はすでに、どれもやり尽くしたのかもしれませんね。対応力、適応力が「その場しのぎ」「場当たり的な作戦」として陳腐化する前に、自分をアップデートしていけたらよいでしょう。
この月食を期に、現状のまま柔軟であり続けることを卒業し、自分を変えていく必要に迫られたら──それは間違いなく、「幸運」であり、今後の人生を「拡大」することに繋がります。
<今回の満月でやってみるといいこと>
・のんびりとバスタイムを楽しむ
・水分補給をする
・ペディキュアを塗る
・足裏マッサージをする
・似合わなくなった靴やボトムスを手放す
Profile
真木あかり(まき あかり)
占い師。学習院大学卒業後、フリーライターなどを経て占いの道に。『タロットであの人の気持ちがわかる本』(説話社)や女性誌での連載など、著書・連載・アプリ監修多数。占星術や四柱推命で運命を紐解き、人が自分の人生をより良く生きるためのアドバイスを行っている。
http://makiakari.hatenablog.com/
Text: Akari Maki Editor: Mayumi Numao