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デスクワークでお疲れ気味?腰痛に効果的なポーズ13を専門家が伝授

  • 2024.9.21

1~2分あればできる簡単なものばかりなので、今日から日常に取り入れてみよう!

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仕事やゲームに集中して、気が付けば何時間も座りっぱなしで腰が痛くなった経験がある人も多いのでは? 腰の緊張は痛みにつながり、起き上がれなくなってしまうこともある。だが、そうした痛みも週に2〜3回のストレッチで軽減できる可能性があることが、過去の研究で明らかにされている。

ただ、大切なのはもちろん、自分の体の声を聞き、症状を悪化させない程度に運動を行うこと。そこで、自宅で安全に、そして手軽にできる腰のストレッチとそれらの方法について、4人の専門家に教えてもらった。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Prevention

 

腰痛にはどんなアプローチが効果的?

Peter Dazeley

痛みがある人にとって重要なことは、腰や脚にどのようにアプローチするかということ。理学療法士でプリティキン・ロンジェビティ・センター+スパ(Pritikin Longevity Center + Spa)のフィットネス・ディレクター、ジェイミー・コステロ氏は、多くの場合、痛みを和らげることに最も効果的なのは無理のない程度のストレッチだと話している。

また、身体パフォーマンスとケガの治療が専門の理学療法博士、ラミ・ハシシ氏によると、腰の痛みの予防と軽減に役立つのは、体幹の強さと姿勢、安定感、柔軟性。そのため、特にそれらに焦点を当てたエクササイズをおすすめするという。

実践するうえで気をつけるべきことは?

Charday Penn

痛みを和らげるための安全なストレッチの方法について、専門家がくれたヒントには、次のようなものがある:

・ケガをしているとき、健康面で他にも心配なことがあるときは、特に慎重に行うこと。また、痛みがある場合には、新たに別の運動を始める前に医師に相談すること。

・「前屈(屈曲)と後屈(伸展)のどちらで痛みが生じるのか、確認しておくこと」と話すのは、カレン・リッツィー・フィジカル・セラピー(Karen Litzy Physical Therapy)のオーナーで、理学療法博士のカレン・リッツィー氏。前屈または後屈を基本とする動きのときは注意が必要。

・それぞれのポーズを少なくとも10秒間、できれば30秒以上キープすること。痛みを和らげる効果は、ポーズを保つ時間が長いほうが高くなる。

・ストレッチ運動はたて続けにいろいろなポーズを行うよりも、心地よい音楽をかけるなどして、リラックスとリフレッシュのための時間にするのがおすすめ。

・呼吸を忘れないこと! 呼吸に集中することは、不快な感覚への対処に役立つはず。

・ストレッチに加え、ウォーキングなどその他の運動も取り入れること。

腰痛への効果が期待できる13のポーズは、以下のとおり。

1.チャイルド・ポーズ(背面のストレッチ)

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痛みがあるとき、縮んでいることが多い腰の筋肉を優しく伸ばすポーズ。股関節を緩めることにもつながる。股関節に痛みや違和感がある場合は膝を開き、無理のない程度に上体を床に近づけるようにする。

ポーズのとり方:
1)四つ這いになり、両手は両肩、両膝は左右それぞれの股関節の真下に置き、背骨と床を並行にする。
2)両手を前に歩かせて腕を伸ばし、手のひらで床を押す。
3)腰をゆっくり後ろに引いて、お尻をかかとの上に降ろし、両手をさらに前方に移動させ、腕を伸ばして額と胸を床に降ろす。

どこかに違和感があれば、お腹と太ももの間にクッション(枕やたたんだブランケットなど)を置き、腰が伸びすぎないようにする。20~30秒、またはそれ以上キープする。

2.キャット&カウのポーズ(背面の緊張緩和)

jentakespictures

腰の筋肉を異なる2つの方向に動かし、収縮した部分を伸ばして痛みを和らげるポーズ。体幹の強さと、全体的なバランスを整えることにも役立つとされている。気持ちを骨盤に集中させ、尾骨の先に尻尾があり、それを天井に向けて引き上げたり、お腹の下にしまい込むように動かしたりするつもりで、背骨をしっかり動かすのがポイント。

ポーズのとり方:
1)四つ這いになり、チャイルド・ポーズをとるときと同じように、背中を床と並行にする。
2)次に、猫が背中を丸めるように、肩甲骨を左右に引き離すようにしながら、背中の中央部分を真上に引き上げ、背中全体を引き伸ばす。
3)その姿勢を5秒キープしたら、四つ這いの姿勢に戻る。
4)今度はゆっくりと猫が伸びをするように腰を反らせてお腹を床に近づけ、その姿勢を5秒保つ。
5)2つの動きを30秒以上繰り返す。

3.ワニのポーズ(腰回りの緊張緩和)

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腰と臀部の筋肉を同時にストレッチするポーズ。腰痛がある人は臀部の筋肉も緊張しており、放置すれば痛みが増していく可能性がある。また、脊椎をねじることで、背骨の柔軟性を高めることにも役立つ。

ポーズのとり方:
1)仰向けに寝て両膝を立て、足の裏を床につける。
2)両腕を広げて真横に伸ばし、「T」の字を作るようにする。
3)肩が床から浮かないようにしながら、両膝を片側の床のほうにゆっくり倒していき、その姿勢を20~30秒キープする。
4)膝を立てて中央に戻し、反対側に倒す。

体に痛みがあれば、左右に倒した膝と床の間にクッションを入れるようにする。

4.ニーズ・トゥ・チェスト・ポーズ(背中と腰のストレッチ)

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fizkes

縮んだ腰の筋肉を伸ばすことに役立つ、もうひとつのポーズ。四つ這いになるチャイルド・ポーズでは手や腰への負担が大きいと感じる人におすすめ。

ポーズのとり方:
1)仰向けに寝て両膝を立て、足の裏を床につける。
2)両腕で優しく膝を抱えてゆっくり胸のほうに引き寄せ、その姿勢を20~30秒キープする。膝を抱えたまま、床で腰をマッサージするように体を左右、または上下に揺らしてもいい。

5.ペルビック・チルト(骨盤の傾転)

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Westend61

腰の痛みと同時に、骨盤周辺の動きの悪さを感じている人もいるかもしれない。このストレッチは坐骨神経痛の緩和や腹筋の強化に役立ち、骨盤の可動性を高めることにつながる。

ポーズのとり方:
1)仰向けになり、腰の力を抜いたリラックスした姿勢で、両膝を立てて足裏を床につける(腰と床の間には、手のひら1枚分程度のわずかな隙間ができているはず)。
2)体幹の筋肉を使って骨盤を後傾させ、腰と床の隙間を埋めるように背中で床を押す。
3)この動きを12~15回繰り返す。

6.仰向けの四の字(逆鳩)のポーズ(腰と股関節、ハムストリングのストレッチ)

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SrdjanPav

股関節を開き、腰をマッサージするのに役立つポーズ。マンハッタン・カレッジのヒラリー・ライト兼任教授(生物学・解剖学・生理学)によると、これは「大殿筋と梨状筋をストレッチすることにより、腰の張りを和らげるポーズ」。股関節の動きを良くすることにも役立つという。

ポーズのとり方:
1)仰向けになり、両膝を立てて足裏を床につける。
2)右脚を持ち上げ、右のくるぶしを左の太ももに乗せる。このとき、右足のかかとは曲げておく。

この姿勢をキープするだけでも十分。だが、両方の太ももの間から右腕を通して前に伸ばし、両手で左の太ももの裏(またはすね)を持って胸のほうに引き寄せれば、ポーズの強度を上げることができる。

10~15呼吸したら、脚を入れ替えて同じポーズをとる。

7.仰向けで足の親指をつかむポーズ(脚の裏側と腰のストレッチ)

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ライト兼任教授によると、内ももの内転筋とハムストリングスが硬くなると、腰の張りが感じられようになるとのこと。そのハムストリングスからふくらはぎ、足首までの脚の後ろ側を伸ばして緩めるのが、このポーズ。ただ、どちらかの脚に鋭い痛みがある場合に行うのは、やめておくこと。

ポーズのとり方:
1)仰向けに寝て右脚を上げ、足裏を天井に向ける。
2)ハムストリングスの張りの強さに合わせて、右の太ももかふくらはぎの後ろを両手で持つ。頭と肩を床にしっかりつけ、その姿勢で10呼吸する。
3)右足の親指に手が届くようであれば、右手の親指と人差し指、中指でつかみ、左手は伸ばしている左脚の太ももの上に置く。
4)左脚全体と腰の左側で床をしっかり押さえつけるようにしながら、腰が浮いてこないところまで、右足を右側の床の方へ降ろす。
5)反対の脚でも同様に行う。

8.下半身だけの牛面のポーズ(腰と臀部のストレッチ)

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Nomad

張った状態だと腰痛の原因になる大殿筋を伸ばすポーズ。股関節と足首、肩、胸の張りも緩めることができる。

ポーズのとり方:
1)腰を下ろし、まずは左の膝を曲げてかかとを右のお尻の右側、膝を体の正面の床に置く。
2)脚を組むように右脚を左脚の上に乗せ、膝を曲げて左右の膝を上下に重ねる(少しずれていてもOK)。
3)右足をお尻の左側に置き、両足の指先が斜め後方に向かうようにする。
4)姿勢を正し、背骨を上に引き伸ばす。
5)反対の脚でも行う。

上体を腰から折り曲げるようして前方に傾けると、ポーズの強度を高めることができる。

9.橋のポーズ(腰のストレッチ)

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SrdjanPav

仙骨の周辺を緩めることで、腰の張りを和らげるポーズ。座骨の周辺から大殿筋の下部をしっかり使うことで、腰の張りや痛みを軽減することができる。胸と股関節もストレッチするこのポーズは、同時に背中と臀部、ハムストリングの強化にもつながる。

ポーズのとり方:
1)仰向けになり、両膝を立てて足裏を床につける。
2)両足を腰幅に開き、かかとをお尻に近づける。
3)足裏で床をしっかり押しながら、腰を持ち上げる。
4)太ももの前側から鼠径部を引き延ばすようにして力を入れ、さらに上に引き上げる。同時に仙骨周辺を緩める意識を持ちながら、座骨周辺を膝の方へ押し出すようにして、腰の高さを保つ。この姿勢を30秒キープする。

10.前腕プランク

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体幹の筋肉を使うプランク・ポーズのバリエーション。この筋肉を強化することは、腰にかかる負担の軽減につながる。

ポーズのとり方:
1)手が肩の真下にくるようにして腕立て伏せの姿勢をとり、手のひらがあった場所に肘をつく。
2)両手は指を絡めて組むか、前腕が並行になるように置く(肩が楽なほうを選ぶ)。
3)両足のかかとを強く後ろに押し出す意識を持ち、お腹が落ちてこないようにする。腹部から腰にかけての体幹をしっかり使い、その姿勢を30秒キープする。ポーズを保つ時間を少しずつ延ばし、1分間続けられるようにする。

11.半分の鳩のポーズ(腰と股関節のストレッチ)

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FatCamera

股関節屈筋群(大腰筋、腸骨筋、小腰筋)が柔軟性を失うと、腰の張りにつながるが、このポーズは股関節を柔らかくするのに最善とされるもののひとつ。

慢性的な腰痛がある人に8週間、このポーズを含むヨガの練習を続けてもらった小規模な研究の結果では、痛みを客観的に評価する国際標準の「BPI(簡易疼痛評価)」に9%の改善がみられたという。

ポーズのとり方:
1)ダウンドッグ・ポーズをとる(両手と両足を床につき、お尻を高く上げて目線を太ももの上の方に向ける)。
2)息を吸いながら右足を高く上げ、吐きながら右膝を折り曲げて胸の方に引き寄せ、右の股関節を回し開くようにして、右膝を右手の内側(左側)に置く。このとき、無理なくできるようであれば、右脚の脛を床に敷いたヨガマットの前方の短辺と並行に近づける。
3)左手を右足の左側に置いたら、左脚を少しずつ後ろに引き、足の甲で床を押しながら、背骨を上に引き上げて伸ばし、上体を立ててその姿勢をキープ。7~10呼吸する。または、上体を立てた姿勢から両手を少しずつ前に歩かせてうつ伏せの状態に近づき、肘を床についたら顔の真下で両手を重ね、その上に額を乗せて7~10呼吸する。
4)脚を入れ替えて行う。

12.半分の魚の王のポーズ(骨盤の調整)

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Stígur Már Karlsson /Heimsmyndir

腰痛がある人の姿勢の改善と、背骨の可動性を高めることにつながるポーズ。背筋をしっかり伸ばして行うこと。また、痛みがあるときには無理に体をひねらないこと。

ポーズのとり方:
1)両脚をまっすぐ前に伸ばして座り、足裏全体で前方の壁を押すイメージで、つま先を真上に向ける。
2)右膝を曲げ、足を持ち上げて左膝の外側に置く。
3)左膝を床につけたまま曲げ、足を右のお尻の右側に置く。
4)息を吸いながら、座骨で床を押すようにして背骨を上に引き伸ばし、立てている右膝の右側に左の肘をかけ、吐きながらゆっくり上体を右にひねる。
5)右手は右後方へ伸ばし、5~8呼吸する。
6)反対の脚でも同様に行う。

13.ハッピーベイビー(腰の緊張緩和)

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Prasit photo

リラックスするのに最適なポーズ。股関節と鼠径部を緩め、腰痛の軽減につながる。背中の筋肉も緩めることから、首や肩の緊張も和らげることができる。

ポーズのとり方:
1)仰向けになり、膝を曲げて両足を持ち上げ、足裏を天井に向ける。
2)足を小指側から手で持ち、肘を体の中心に寄せるようにしながら下に引く。
3)そのまま呼吸するか、床で腰をマッサージするように、体を左右に揺らす。

足に手が届かない場合は、両足の裏にストラップをかけ、その両端を手で持って下に引いても、同様の効果が得られる。

腰痛の原因とは?

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PixelsEffect

理学療法を用いたサービスを提供するフィジカル・セラピー&バランス・センター(FYZICAL Therapy & Balance Centers)のポートランド地区運営責任者、マイク・テーター氏によると、腰痛の主な原因は、以下の3つ。

・椎間板ヘルニア:背骨(脊椎)の椎体の間から飛び出した椎間板が脊椎の神経を圧迫

・関節炎または椎間板変性による神経の圧迫

・仙腸関節(仙骨と腸骨のつなぎ目)の運動やアライメントの問題(ゆがみ、ずれ、など)

症状を悪化させないために重要なことは、痛みの根本的な原因に合った治療を受けること。例えば、椎間板に問題がある人は大抵、前屈をしたときに痛みが強くなり、関節炎や変性疾患による腰痛がある人は立っているとき、歩くときに痛みを感じることが多く、前屈や座位のほうが楽にできるという違いがある。

テーター氏は、痛みのない生活を取り戻すために大切なのは原因を明らかにすることだとして、かかりつけの医師や理学療法士に相談することをすすめている。

ストレッチは安全?

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Alexandr Dubynin

腰のストレッチを始める前には、まずどの動きをしたときに痛みが最も和らぐのか、確認しておくといいとのこと。また、痛みがある部分の筋肉を緩めてからストレッチを行うと、より効果を感じられるという。

テーター氏は、「床に横になったとき、筋肉の張りや痛みを感じる部分の下にテニスボールなどを置き、そのボールでほぐすようにするのも、痛みなどの軽減に役立ちます」と話している。

ただ、ストレッチは痛みの軽減やコントロ―ルに役立つものの、それだけで腰痛を治せると考えてはいけないという。体幹の筋肉のバランスを整えたり、炎症が進まないようにしたりするためには、生活スタイルを変えることが必要。それらを実現しなければ、「痛みを完全になくすことはできない」とのこと。

診察が必要な場合は?

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Thomas Barwick

ハシシ氏は、痛みが2週間以上続いている、極度の痛みや安静時の痛みがある、感覚が失われている、歩行や脚を動かすことが困難、または腸や膀胱の機能に障害があるという人は、「できるだけ早く」診察を受けるべきだとしている。


Arielle Weg
Arielle Weg is the associate editor at _Prevention and loves to share her favorite wellness and nutrition obsessions. She previously managed content at The Vitamin Shoppe, and her work has also appeared in Women’s Health, Men’s Health, Cooking Light, MyRecipes, and more_. You can usually find her taking an online workout class or making a mess in the kitchen, creating something delicious she found in her cookbook collection or saved on Instagram.

Lauren Wellbank Contributing Writer
Lauren Wellbank is a freelance writer based in the Lehigh Valley region of Pennsylvania. Her work has appeared in The Washington Post, Huffington Post, Martha Stewart Living, and more. She has three small children, a husband, and an over eager dog at home. When she's not writing she likes to work in her garden with her family.

Ryoko Kiuchi
翻訳者。学業・仕事のため、5カ国の7都市でおよそ10年を過ごす。帰国後は経済・ビジネス関連の文書やニュース記事の翻訳を中心に、ウェルネス系の専門誌やアート関連の書籍、映像翻訳も手掛けるなど、長年にわたってフリーランスで活動。常に新たな情報に触れる仕事柄、心がけているのは、「浅くても、 何でも広く知ろうとすること」。

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