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八百長疑惑で中国協会から永久追放された元韓国代表、涙の釈明会見も疑問残る…出所不明な“20万元”

  • 2024.9.12

“疑問”の残る釈明会見だった。

元サッカー韓国代表MFソン・ジュンホ(32、水原FC)は9月11日、水原市体育会で記者懇談会を開き、中国サッカー協会(CFA)から受けた「永久追放処分」に対する釈明を行った。

これに先立ち、CFAは前日の10日、賭博や八百長に関与した43人(選手38人、クラブ関係者5人)に対する永久追放処分を発表した。このなかに、ソン・ジュンホも含まれていた。

CFAはソン・ジュンホについて、「元山東泰山の選手であるソン・ジュンホは、不当な利得を図るために不正取引、八百長、不法収益に加担し、スポーツ倫理を深刻に違反し、スポーツ精神を喪失した」とし、「ソン・ジュンホは一生、サッカーと関連していかなる活動もできない」と伝えている。

この発表を受けて行われた11日の懇談会では、ソン・ジュンホが山東時代のチームメイトで友人だった朝鮮族出身の元中国代表MFジン・ジンダオ(金敬道/31)から「20万元(日本円=約400万円)を受け取った」という事実が核心内容となった。

ジン・ジンダオも今回、ソン・ジュンホと同じくCFAから永久追放処分を受けている。

ソン・ジュンホ
(写真提供=OSEN)ソン・ジュンホ
“潔白”を主張するソン・ジュンホだが…

ソン・ジュンホの主張によると、中国公安当局は2022年1月に行われた山東泰山と上海海港の試合が八百長の対象に指名されたとし、ソン・ジュンホがジン・ジンダオとともに八百長に加担したという疑惑を提示した。

ソン・ジュンホは「中で、そのお金を(八百長として)認めろと言われた」と明らかにした。

ソン・ジュンホがジン・ジンダオから20万元を受け取ったのは「ファクト」だ。彼も「その試合から5~6日後に20万元を受け取ったことはある」と認めている。

問題は、ソン・ジュンホが20万元の名目をまともに知ることも、釈明することもできないという点だ。

ソン・ジュンホは「彼(ジン・ジンダオ)は山東で唯一韓国語を話すことができた。適応にも役立った。家族が来たときにはよく面倒を見てくれて、お互いにプレゼントもして親しくなった。そのように過ごしながら、お互いにお金を借りることもあった。友達の仲だからお金のやり取りができたのだ。取り調べを受けたときも“不法な金ではない”と供述した。本当に八百長ではないと言える」と主張した。

ただ、決して少なくない金額を受け取ったにもかかわらず、ジン・ジンダオがなぜソン・ジュンホにそのお金を渡したのかは“正確にはわからない”という立場だ。ただ単に“親交”が強調されただけだった。

ソン・ジュンホは懇談会で涙を流しながら、さまざまな理由を挙げて「八百長とは関係ない」と主張した。

ソン・ジュンホ
(写真提供=OSEN)懇談会で涙を流すソン・ジュンホ

「自分は潔白だ。勝利ボーナスが16万元(約320万円)なのに、20万元のために八百長をするなんて話にならない。その試合で(自分は)90分間プレーし、チームは引き分けた。その試合をお見せしたい」

また、ソン・ジュンホの代理人を務めるNESTのパク・デヨン代表も、「ジン・ジンダオもソン・ジュンホも高額年俸の選手だった。山東は勝利給が良い。(ソン・)ジュンホは“チャンドル(ケチ)”だ。中国のお金なので、貨幣の単位が違うように感じられたそうだ」と付け加えた。

もっとも、感情的にはある程度理解できる主張とはいえ、「20万元の出所」を明確に規定するには不十分な釈明だ。

むしろ、CFAや公安、検察の立場から見れば、20万元は「八百長の見返り」として受け取った金とも推定できる。

ソン・ジュンホが試合の5~6日後に20万元という大金を受け取ったのは事実なだけに、合理的な疑いを持ってもおかしくない。

懇談会に参加した報道陣が、20万元の出所や受け取った理由を尋ね続けたのもこのためだ。この“謎”を解かなければ、ソン・ジュンホは明確な釈明が不可能だ。

懇談会で伝えられた「中国公安から強圧的な捜査を受けた」という主張、あるいはパク代表の「中国ならあり得る」というような発言は、決してソン・ジュンホの八百長疑惑の潔白を証明することに役に立たない。

ソン・ジュンホが自ら20万元の出所を明らかにすることができなければ、状況は不利になる一方だろう。

ソン・ジュンホ
(写真提供=OSEN)ソン・ジュンホ

韓国サッカー協会(KFA)はCFAに処分と関連した資料を要請したという。

仮に国際サッカー連盟(FIFA)がCFAの処分を引用することになれば、ソン・ジュンホは韓国国内でもプレーすることができなくなる。何より、八百長の疑いも晴れない。

八百長の疑いをかけられ、永久追放処分を受けたことが本当に悔しいのであれば、ソン・ジュンホは20万元という大金をなぜ受け取ったのかの理由を真っ先に、そして明確に答えなければならない。

例え今後、同問題に関してスポーツ仲裁裁判所(CAS)を通じて争うことになったとしても、その過程で「20万元の出所」が主要な争点になる可能性が高い。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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