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復縁、そして結婚のキッカケはアプリ。本気で向き合ったから今がある

  • 2024.9.13

6年付き合った彼氏と別れて、気持ち新たにマッチングアプリを入れた。

この半年後、元彼から復縁を求められる。
その時の私の答えは、アプリをやったからこそはっきりと出せた私なりの答えだと思う。

◎ ◎

彼氏と別れた理由は、お互いの譲れない点を擦り合わせることができなかったのが第一だが、彼から結婚や子供は考えられないと言われたのも大きな理由のひとつだった。

彼のことは大好きだったけど、だからってずっと夢だったウェディングドレスや子育てを20代半ばで諦めることはできなかった。
私と同じような価値観をもっている人を探そう。
ちゃんと自分の幸せを掴みに行こう。
そう決心して、別れを告げた。

別れてからは、泣いて、泣いて、泣きまくった。
別れてしまえば綺麗さっぱりとはいかなかった。
それでも次に進まねば意味がないと、泣き疲れた自分を奮い立たせてアプリを入れた。

プロフィールは、アプリで彼女ができたという先輩に男性目線でアドバイスをもらって書いた。

ダラダラした文章よりも箇条書きを使ってわかりやすく。
明るくポジティブに。
絵文字をたくさん使うこと。
出来上がった自己紹介文は、嘘ではないけれど、どこか他人の紹介文のようでもあった。

それでもどうにか準備は整った。

◎ ◎

いいねを待つだけではなくて自分から行くべきという先輩の教えに従って、きちんと自分からいいねをつけに行くことにした。

画面いっぱいに同年代の男性の顔、顔、顔。
オンラインショッピングのような光景に違和感を覚えつつも、彼女募集中の男性がまだこんなにいるのかとちょっとした安堵も感じた。

本当は誠実でちゃんと結婚願望のある人がいいと思ったけれど、全員そうも見えるしそうでなくも見える。
もう諦めて、シンプルに顔がタイプの人を2〜3人いいねしたと思う。

それから何名かとやりとりが始まった。
お決まりのチャットの面倒さとか、人それぞれのマメさが伺えてきた頃、1人の男性から初めて会いませんかとお誘いをもらった。

日にちを決め、場所を決めようとなったところで、急にすごい恐怖が襲ってきた。
場所が決まったら、ほんとのほんとうに行かなければいけない。
初対面の人とどう話すんだっけ。
悪い人だったらどうしよう。

そして私は場所を決める前にブロックしてしまった。

最低だ。

◎ ◎

会ってもないので分からないけど、電話やチャットは穏やかで優しくて丁寧で、相手に悪いところはひとつもなかった。
ただ、私がちょっと怖いというだけでボタン1個で関係を断ち切ってしまった。
相手も私と同じ人間なのに。
3日後、後悔してもう一度その人を探したが、もう見つけることはできなかった。

ここから私は本腰を入れてアプリに向き合う。
会ってみなければわからないをモットーに、とにかく誘われたらご飯に行く。
しばらくチャットしたら自分から誘うを徹底した。

やっぱりカラダ目当ての人や、ビジネス勧誘の人もいたけれど、想像していた以上に普通の男性ばかりだった。

正直チャットは苦手だったが、初対面の人と話すのは得意な方だというのもわかり、まあまあ楽しく出会うことができた。

そんな中で、もう1回会いましょうとなる人も何人かいた。

そして私が苦手なのは2回目なのだとわかった。

初対面であれば聞きたいことは山ほど出てくる。
2〜3時間のご飯くらいあっという間だった。
しかし2回目というのは、前回の話を踏まえて重ねて行ったりとか、前回はしていない話をするとか、ちゃんと関係性を築いていく段階に入るのだと思う。

◎ ◎

思えば今まで、1対1だけの関係で人間関係を築いたことはなかった。

クラス、部活、サークル、バイトのように組織に属している中でゆっくり自然発生的な会話を通じて人間関係を作ってきたのだった。
その数ヶ月〜数年にわたる作業を、3〜4回のご飯で完了させて、告白の段階まで持っていくなんて到底無理な気持ちがした。

そしてたった1〜2回のご飯だけでもこれだけは言えるのが、自分と同じ価値観の人間なんていない、ということだった。

それと同時に、これまでに築いてきた人間関係がどんなに大切で尊いものかを感じた。
もちろんみんな私とは全然違う価値観で、でもそれが楽しいと思っているんだったと改めて気づいたし、
こんなにも関係を築くのが下手くそな私とよく友達やってくれてるよなあ、としみじみした。

そんな私もとうとうアプリで出会った人数10人を突破した。
これは頑張ったとも言えるが、それだけ失敗したとも言える微妙な勲章だ。

そのうちの1名から、3回目会いませんかとお誘いをもらった日の夜。

元彼が家にやってきた。
結婚も子供も本気で考えたいからやっぱりやり直そうと。

◎ ◎

アプローチも、告白も、付き合ってからのやりとりも消極的ながら必死で頑張ってくれた彼にとって、復縁しようと言いに家まで行くのにどれだけ勇気を振り絞ったことだろう。

価値観が合わないという理由で別れたけれど、価値観が合わないことが面白いところなんじゃないか。
長い間柄だからって遠慮がなさすぎたのではないか。
アプリでたくさんの人と出会う中でむくむく膨れ上がる後悔の気持ちには薄々気がついていた。

今、私は彼と結婚して、たくさん喧嘩して、たくさん笑って、心から幸せだと言える。
アプリは全然うまくいかなかったけれど、本気でやってみたからこそ今があると思っている。

■あいすくりーむのプロフィール
25歳。もっと自分と向き合ってみようと思って、もやもやした感情を言葉にすることから始めました。

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