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隣の席の男子に触られた胸。助けを求める力をくれた彼女たちの存在

  • 2024.9.12

これはわたしが小学生のときに、実際に経験した出来事である。わたしは小学校高学年から、中学受験のための塾に通っていた。普通の公立の小学校に通っていたため、塾に同じ小学校の知り合いは数えるほどしかおらず、成績順にクラス分けがされているため同じクラスには、同じ小学校の人はいなかった。

◎ ◎

国語、算数、理科、社会の授業に通っていたため、平日は、ほほ毎日塾があったと思う。小学校3年生くらいから通っている人も多かったが、わたしは高学年になってからだったため、周りのみんなより後から入塾した。

他の小学校の人が集まっていても、夜ご飯の時間にお弁当を一緒に食べるため、自然と友人はできた。ただ、わたしは電車で通っていたわけではなく、親が迎えにきてくれていたため、友人と一緒に電車で帰る、ということはできなかった。

また、クラスには同じ小学校同士の子もいた。まぁ、塾には遊びに来ているのではなく、勉強をしに来ているので、それくらいの距離感でも困ることはなかった。わたしは塾の他に、バレエや英会話スクールにも通っていたが、小学6年生になり、中学受験に本腰を入れるようになってからは他の習い事は辞めて、塾だけに通うようになった。

そんな小学6年生の夏期講習で、ある事件が起こった。クラスに、悪口に聞こえることを恐れずに言うとどちらかというとキモめの男子がいた。

お箸の持ち方が変だったり、持ち物が汚かったり、とにかくだらしない印象だった。定期的に席替えは行われるのだが、女子の隣は男子という風に決まっていた。成績順で座るわけでもなく、たまたま夏期講習期間は、わたしがその男子の隣だった。

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わたしは、その男子に胸を触られたのだった。「タッチ〜」みたいなノリで触られたと思う。しかも後、そのうしろ席の少し静かめの男子と笑いあっていたのだ。その後は教科書やノートを開いて、わざと抱えて胸をガードして日々過ごしていた。その男子も何度かもう一度触って来ようとしたが、なんとか防いでいると、対象が別の子になり、おしりを触られた子がいた。

自分が触られたときは、誰にも言えなかったが、他の子にも被害が及んでいてはさすがにマズイと思った。しかも、おしりを触られた子は、静かな女の子で人に言わないと思ってその男子も選んだのだと思う。塾には勉強をしに来ているのに、他のことに気を遣うのは嫌だったし、なにより被害者をこれ以上出してはいけないと思った。

親に言うと大事になりそうだったし、なにより親に打ち明ける勇気はでなかった。ひとりで塾の先生に言うのも勇気が出ず、クラスの気の強い女の子に相談してみた。すると他の女の子たちも、その男子の言動は目に余るものだったようだ。

その男子の親がわたしのクラスの子も受験するような進学校の教師をしていることは有名で、塾の先生もその親に強く出られないことは知っていた。でも、他の女の子たちも一緒に先生に言ってくれるとのことで、みんなで言いに行くことにした。

◎ ◎

おそらく、その男子の親に言ってはいないと思うが、先生はわたしの席を他の男子と変えてくれた。先生は「○○さん、黒板が見えづらいらしいから変わってくれる?」というウソをわざわざついてくれた。

そのときその男子は、あいつチクったな、みたいなコソコソ話をしていたが、それ以降は勉強に集中でき、無事受験した中学校にはすべて合格することができた。中学や高校は女子校に進学したため、幸いこういうことには巻き込まれずに済んだ。

小学生のときにこんな体験をしてしまったことは、かなり不運だったが、勇気をだして先生に言えて良かったと思う。あのとき、わたしに力をくれた女の子たちには感謝しかない。

■白百合のプロフィール
自己肯定感高めだけれど繊細。進学校とコロナに奪われた青春を取り戻し中。趣味はカフェ開拓と読書。

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