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愛猫にガンが見つかってから49日間の闘病記録。愛する猫との最期の日々とその後を描いた感動作『世界一幸せな飼い主にしてくれた猫』

  • 2024.9.10

『世界一幸せな飼い主にしてくれた猫』(ねこゆうこ/KADOKAWA)は、著者のねこゆうこさんとその夫そして、愛猫・ちゃーにゃんとの15年間の思い出を綴ったコミックエッセイである。ちゃーにゃんがガンを患って亡くなるまでの看病の様子から葬儀、次の家族を迎えるまでの様子が丁寧に描かれている。

独身時代の夫の家に突如、知り合いの新聞配達員さんから預かった子猫・ちゃーにゃんがやってくる。その後、ねこゆうこさんと結婚し、ちゃーにゃんが15歳になるまで、2人と1匹で穏やかに暮らしていた。ところがある日、ちゃーにゃんの口内に大きな口内炎が見つかる。病院で診てもらった結果、ガンだとわかり余命わずかと宣告されたのだった。

ガンを患ってからのちゃーにゃんは口内にできたガンが食事の邪魔をして、次第に水を飲むことすら難しくなっていく。そんなちゃーにゃんに、少しでも食べたいものをあげたいという夫婦の試行錯誤や小さな工夫がたくさん紹介されている。

食欲はあるのに食べ物が口に入れられない状態のちゃーにゃんに、大好物のささみやカニカマをうすくスライスして食べさせたり、ブレンダーで流動食を手作りしたり、さらには「ちゅーる水」を与えて脱水を防いだり、病院で輸液を受けさせたりと、できる限りのケアを尽くす。ちゃーにゃんのためにできることを必死に考える夫婦の姿が胸を打つだろう。ペットを看取った経験のある人なら、ページをめくる手が震えてしまうに違いない。

ちゃーにゃんへの愛情と、飼い主としての喜びや悲しみが丁寧に描かれている。最期のシーンも亡くなった後もとても涙なしには読み進められない。でも、そのすべてが猫を心から愛する飼い主の幸せな日々の記録なのだ。かけがえのない日々に感謝したくなるそんな作品だ。

文=ネゴト / ニャム

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