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モデルの松島花、5年越しのウエディングパーティをした理由。

  • 2024.9.10

2019年5月1日、元号が令和となったその日に入籍をし話題となったモデルの松島花。平成元年生まれの彼女が、人生の第二章の幕をあけて以降、持ち前のピュアな表情に加えて落ち着いた大人の余裕を私たちに見せてくれている。そんな彼女が、今年の5月、ハワイで5年越しの結婚式を挙げた。挙式までの道のりや思い出、そして印象的なドレスのこと――。自然に寄り添いあって時折やさしく目を通わせる、愛がこぼれんばかりの松島花とお相手の旦那様、ふたりにインタビューした。

――なぜ5周年というタイミングで結婚式をしたのですか?いま、式を挙げない人も増えていますが、5年経ってからでも式をやろう!と決めた経緯を教えてください。

花:12歳からモデルの仕事をしていて、16歳くらいでウエディングの撮影がありました。ボリューミーなドレスからミニのドレス、トレーンの長いもの......あらゆるウエディングドレスを着尽してきたんです。だから正直、結婚式に対して強い憧れや願望というのがありませんでした。私の両親はホテルオークラで挙式をあげたので、夫とは同じホテルでしようかとも話していたのですが、日々忙しくているうちにコロナ禍に突入してしまいました。そこからあっという間に結婚4周年を迎え、その時、5周年で挙式をやらなかったらこの先もうやらないかもしれないと思って、動き出したんです。

――ハワイで挙式をしようと思った決め手は?

花:まずは家族のために、というのが大きかったと思います。持病を持っていた私の父が、コロナ禍で大きな手術を2度経験しました。父に結婚式を目標にリハビリを頑張ってもらいたかったのと、ハワイは家族旅行でよく行っていたので、母が「コロナが明けたらまたみんなで行きたいね」とよく話していました。そういう出来事もあって、家族との時間を大切にしたいという思いが強かったのだと思います。結婚から5年経つタイミングならば、ゲストを大勢呼んでホテルで挙式をするよりも、家族旅行の延長のような感じでアットホームな式ができたらいいなという思いでハワイを選びました。親戚には高齢の方も子どもたちもいたので、気候的にも一番良かったというのもあります。

――海外の挙式となると、国内とは進め方も違いますよね。おふたりは、どのように準備を進めていったのですか?

花:1年かけて準備をしようと決めたので、割とゆったり進めることができました。ステイホームの時、家であれこれ考えながら、インスタを通じて日本人のウエディングプランナーさんを見つけたんです。色々と調べていったら、夫の友人が同じプランナーさんの協力でハワイ挙式をしていたのがわかり、聞いたらすごくよかったと言うので、直接DMしたら喜んで引き受けてくださいました。

――ウエディングプランナーには、おふたりの理想とする挙式をどのようにお伝えしたのですか?

花:夫がイメージボード作ってくれました。職業柄、プランナーさんとのやりとりは全く苦じゃないようで、ほとんどのやり取りを彼が行ってくれました。

夫:まず会場を決めるところから始めました。会場が決まらないとイメージも湧かないと思ったので。そして次にドレスを決め、会場とドレスのイメージから内装や食事など、細かいところを考えていきました。邸宅ウエディングというのは絶対でしたね。

――なぜ、ホテルではなく邸宅ウエディングにされたのですか?

花:通常、ホテルだと1日に数組の挙式を組むようなので、時間が限られていたり観光客や宿泊客もいたりするので、完全なプライベートではない場合が多いと思いました。私たちはとにかく、家族しかいないという空間にしたかったんです。親戚に小さな子どもたちもいたので、人混みを気にせず、また目が届く場所がいいなと思いました。ですので、1日1組限定の邸宅をいくつか探しました。2つまで絞って、最後は日取りで決めました。5月1日に私たち夫婦が5周年を迎えるので、その近辺で、母の誕生日にあたる5月18日に決めました。

夫:それまでも私たちにとって、「18」は記念ナンバーだったんです。付き合った日、婚約した日も18日でしたから、挙式の日取りにもとてもしっくりきました。

――挙式・披露宴の会場となった邸宅は、どのような感じでしたか?会場のデコレーションなどは、どのようにリクエストしていったのですか?

夫:オアフ島のカハラ地区の住宅地にあり、静かな入江に面した邸宅でした。理想のウエディングパーティの写真をたくさん集めて、イメージボードを作りました。挙式のためのアーチ、ゲストが座る椅子、ケータリングやウエディングケーキ、シャンデリアもすべてイメージを固めてリクエストしました。

花:そう、シャンデリアはどうしても夫がつけたいと(笑)。ハワイという場所を選んだけれど、特段、リゾートウエディングをしたかったわけではなかったので、会場作りにはリゾート感を出しすぎないよう、普段の自分たちの好きな世界観でナチュラルな感じを意識しました。飾る花もハイビスカスやモンステラのようなトロピカルなものではなく、小花のような小さく可愛らしいものを選び、ガーデンでのセレモニーのアーチも、ゴージャスにしすぎずシンプルに飾ってもらいました。

準備期間は、改めて自分たちの好きなものを確かめるような感覚でした。私たちのこうしたい、私たちの好きが、具現化されていくようで。そして、それに対して「そうだよね!」ってわかってくれるプランナーさんがいて。素晴らしいチームワークで準備をできたのは、すごく光栄なことでした。

夫:本当にそう。海外ウエディングで一番大事なことは、国や場所というより、何よりもプランナーさんだと感じました。どれだけ臨機応変に要望に答えてくださるか、どれだけ動いてくださるか、成功の鍵はそれに尽きると思います。

――ドレスは、どういうイメージで用意したのですか?

花:ドレスについては、これまであらゆるウエディングドレスを着用させていただいてきたので、本当に悩みました。どれも素敵なものばかりだったので、とてもその中から一つを選べなくて。迷って出した答えが、私の母の誕生日に式をあげると決めたので、母が私に着て欲しいと思うドレスにしたいと考えたんです。母は、オードリーヘップバーンが、映画『パリの恋人』で着ていたクラシックなドレスがいいと言いました。できるだけ忠実に再現したドレスにしたかったのですが、既製品を見つけるのは難しいね......と夫婦で話していたら、夫が「作るしかないんじゃない?作っちゃおうよ!」って、言ってくれたんです。

日本で、映画通りのドレスを忠実に再現してくれるドレス製作の女性にお願いをしたんです。ミモレ丈で、芝生のガーデンで子どもたちとも自由に動けるような、軽やかなワンピースのような雰囲気です。決め手は、骨盤よりも下の位置にあるローウエスト。いろんな角度からヘップバーンの写真を見て、研究しました。大人っぽさを出すのに、ウエストの低い位置がとても大事だと思ったので、仮縫いの時には、夫も母も付き添ってくれて、みんなで意見を出し合いながら決めていきました。ヴェールも、『パリの恋人』で出てくるバルーンタイプと同じデザインのものを作っていただきました。

――ドレスに合わせたブーケや、着用したシューズやジュエリーについても教えてください。

軽やかなドレスのイメージに合わせて、ブーケも可憐な雰囲気にしたかったので、ハワイで手に入る"アスター"という花を束ねてもらいました。このアスターという花を、オーダーで作ってもらった3段のウエディングケーキにもデコレーションしてもらったんです。シューズは私の好きなものを履きたいと思い、ディオールのウエディングシューズで白いフラットを見つけました。日本には無いモデルでしたが、パリの倉庫から急遽送っていただくことができました。アクセサリーは、ハリー・ウィンストンの一粒ダイヤのピアスとペンダントで揃えています。結婚後、誕生日や記念日に夫から貰ったものです。顔まわりにリボンやヴェールがあるので、大きなジュエリーはつけたくなく、思い出もあるシンプルなジュエリーにしました。

――スタイリングをご自分でされたのは、さすがです。ヘアメイクもドレスのイメージにとても良く似合っていますね。

ヘアメイクは、私が12歳で出会って以来ずっとお世話になっている、平元敬一さんにお願いをしました。私はシニョンと思っていたのが、「オードリーのは夜会巻になっているんだよ」って、彼もオードリーの写真を研究してくださっていたのがすごく嬉しかったですね。彼と同様に、大切な友人として結婚式にもお呼びした、フォトグラファーの竹内裕二さんにはウエディング写真をたくさん撮っていただきました。

――挙式から披露宴までは、どのような流れで行ったのですか?

サンセットを狙って、16時〜21時の時間設定でした。終わりの時間を気にせず、本当にゆったりとアットホームにできました。当日の流れは、最初に私たち夫婦の準備が整ったとき、「ファーストミート」ということで、両親たちにお披露目をしました。もうその時点で二人とも泣いちゃっているんです(笑)。その後ガーデンで挙式を。披露宴は、全員が着席できる長いテーブルで食事をいただき、二人で協力して製作したビデオを流しました。その後に、それぞれの両親の「バウリニューアル」のセレモニーをし、最後には、ベタですがどうしてもやりたかった手紙とウエイトドールを両親に手渡しました。

――バウリニューアルとは、聞き慣れないですが、どのようなものなのですか?

花:プランナーさんに教えてもらったのですが、結婚の節目に夫婦が再び愛を誓い合うセレモニーで、ハワイではよく行われているもののようです。私の両親が結婚40周年、夫の両親は39周年ということで、それぞれのセレモニーを設けました。

互いの友達を1組ずつしか呼んでいない分、披露宴にはいわゆる友達の余興というのはないので、なにかイベントが欲しいと考えていた時、プランナーさんからバウリニューアルをご提案いただいたんです。両親にはもちろんサプライズでした。夫婦でレイの交換をし、私たちが誓いの言葉を読み上げて、キスをしてハグをして。ハワイマジックなのか、両親たちは恥ずかしながらも本当に嬉しそうにやってくれましたよ。

夫:お付き合いしている時って、ふたりの関係や友達関係がメインになるけれど、結婚後は、家族同士の絆というのがメインになってくるんです。5年経ったからこそ、お互いの両親のことを良く知っているし、また、家族を中心としたこぢんまりとした式だったからこそできた、素敵なイベントだなってつくづく思います。

――集まったご家族も、大変喜ばれたのではないですか?

花:本当に喜んでくれました。父の涙を、私が2歳の時以来見ましたから。ハワイの結婚式は自分たちだけのものにはしたくなくて、参加してくれる家族や親戚、友達たちのものにもしたかったので、皆が楽しいことができないかなって考えていました。もう一つ、私たちがゲストに用意をしたのは、当日の衣装です。家族ごとに色を決めて、男性にはアロハシャツ、女性にはムームーを用意しました。そのまま引き出物として皆さんにプレゼントしました。

――呼ばれるゲストも嬉しいですね。特に海外ウエディングですと、何を着ていったらいいか悩みそうなので。

夫:そうですよね。どのくらいのリゾート感で参加したらいいのか、スーツなのかカジュアルなのか、みんなきっと悩むと思ったので、それなら用意しちゃおうかということになりました。集合写真を撮った時、ものすごい一体感があったので、これはやって良かったなと思いました。現地のカメラマンに、家族ごとに写真を撮ってもらったので、それも良いプレゼントになりました。

――二人の結婚指輪について教えてください。

妻:婚約指輪も結婚指輪も、ハリー・ウィンストンのものをいただきました。私は一切リクエストをしていなくて、夫が一人で決めてきたものです。

夫:ハリー・ウィンストンのブリリアント・ラブ、というシリーズです。プロポーズの時、観音開きの箱に戸惑ってしまいましたが(笑)、結婚指輪はハリーでと決めていました。それに、HWのマークを逆さまにするとHMなので、松島花になるというのも私的には狙ったところです......(笑)

――バウリニューアル以外に、ハワイの挙式でやって良かったものはありますか?

夫:私たちは付き合って5年、結婚して5年。合計10年の思い出があったので、その時間を40分の映像として自分たちで製作しました。その中には、来場してもらった家族や友達との出会いや思い出も入っています。最初はふたりだけの思い出だったのが、友達が混じり、それから家族の全体の思い出になっていく......。映像を作ったことで、改めてふたりの時間を振り返ることができたので、映像は本当におすすめです。

花:あと、両親への手紙もやって良かったですね。私は、普段から手紙を書くことを大事にしています。両親にも夫にも、記念日ごとに手紙を書くのが好きなんです。誕生日、クリスマス、バレンタイン、結婚記念日、付き合った記念日など、節目ごとに普段言えない気持ちを、文字にして伝えています。その人のためにカードを選ぶのも好きで、1枚写真を入れて、もう片面に文章を書いて渡します。夫は毎回じゃないけど、年に数回は書いて返してくれます。ふたりの手紙ボックスを作っていて、宝物のように大切にしているんです。手紙っていつでも読み返すことができるし、お互いのことを思い返すことができる良いものですから。

――5年越しの結婚式は、二人にとってどのようなものになりましたか?

夫:より一層、絆が深まるものになりました。5年というタイミングだったからこそだと思うので、本当にやって良かったですね。

花:はい。年月が経ってからの結婚式って、すごくいいと思います。結婚してすぐの初々しい式ももちろんいいと思うけれど、5年経っているからこその良さを私も強く感じました。一つの大きなイベントを二人で作り上げていく途中でも、毎日一緒にいるパートナーに対して、改めて感謝と思いやりを持てるようになりました。結婚式は、ふたりの10年間を振り返る日でもありましたし、新婚のような仲の良さにもなりましたね。

終始ハッピーオーラに包まれた、松島花とお相手の旦那様。それぞれが相手を思いやり、尊敬し合うふたりの様子は、出会いや結婚から年月を重ねたからこその深い絆も感じられ、見ていて心地いい。そんな二人の仲を繋ぐキッカケともなった、5周年のウエディング。日常の慌ただしさの中、一歩立ち止まって、愛を確かめ合うことの大切さを教えてくれた。

プロフィール
モデル・松島花
1989年、東京生まれ。11歳の時にスカウトされ、モデル活動をスタート。
数々のファッション誌で表紙を飾り、モデルとして活躍。大手企業の広告やテレビ、イベントなどにも多数出演し、活躍の場を広げている。
Instagram:@hana_matsushima_official

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