ヴィヴィアーノ、花々が咲き誇る愛の世界へ【2025年春夏 東京コレクション】

ヴィヴィアーノ・スーが手掛けるヴィヴィアーノ（VIVIANO）が、楽天ファッション・ウィーク東京で2025年春夏ウィメンズコレクションを発表した。ショーの舞台となったのは昭和初期の歴史的建造物、小笠原伯爵邸だ。敷地には約1000坪のガーデンが広がる。毎シーズン豊かな色彩とダイナミックなラッフル使いでドリーミーな世界へと誘ってきたヴィヴィアーノ。春夏は“My Garden”をテーマに、ブランドが得意とするラッフルやチュールを植物やフラワーのように見立て、華やかなドレスに落とし込んだ。

ショーの序盤はブラックで統一しつつも、重くるしさは一切感じさせない。フォーマルになりがちなテーラードジャケットはショート丈に設定し、少しの肌見せとシアーなグリーンのタイツで春らしい軽やかさをくわえた。立体的なサテンの薔薇モチーフもヴィヴィアーノらしい遊び心がう かがえる。

アイコニックなラッフルチュールは涼やかなグリーンに染め上げられ、胸下から裾にかけてダイナ ミックに揺れ動く。薔薇を纏ったエアリーなシースルードレスは庭園の花々を連想させ、歩むたびにドラマティックな表情を生み出す。胸もとはオープンカラーで程よい透け感を保ち、ブランドならではのレディなムードを醸し出した。

自然がもつ色合いはコレクションの随所に散りばめられた。落ち着きのあるアースカラーのチュールブラトップには同色のボトムをあわせ、流れるようなフォルムでセンシュアルな肌見せを叶える。

ゴールドのフラワープリントが目を引くセットアップは胸もとをふんわりとした花のラッフルにアレンジし、どこか幻想的なムードを漂わせている。波打つようなドレスには、バイカラーの付け襟でダイナミックな差し色をくわえた。

ショーの後半に差し掛かると、グリーンのラッフルでグラデーションを彩った迫力満点のチュール ドレスが登場。何層にも重ねられたラッフルはリズミカルに揺れ動き、まるで植物の力強いエネル ギーと神秘を連想させるようだ。

ラストルックで披露された壮麗なドレスは、床までこぼれおちるようなレングスが特徴で、白のラッフルチュールで身体全体を覆うように大胆に重ねている。これまでさまざまな愛のカタチを表現してきたデザイナーのヴィヴィアーノ・スー。今シーズンは自然との共生をコレクションに投影し会場をロマンティックなムードで包み込んだ。

Photos: Courtesy of VIVIANO Text: Megumi Otake