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何をするにも集中力が続かない。仕事や家事の効率を上げるには?【山田悠史さんが回答】

  • 2024.9.12

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/健康

何をするにも集中力が続かなくなりました。仕事や家事の効率を上げるには?

50歳手前くらいからでしょうか、仕事でもプライベートでも、集中力が続かなくなったと感じています。リモートワークが増えたせいもあってか、「今日はここまでやろう」と決めたところまで仕事が進まないことも多々あります。そもそもとりかかるまでに時間がかかる。何をするにもパフォーマンスがぐっと落ちた感じです。好きだった映画やドラマも集中して見られないほど。年といえばそれまでですが、モチベーションを保ちながら、仕事や家事の効率を上げていくためにはどうしたらいいでしょうか。
(53歳・女性)

山田悠史さんの回答

すぐに対策に飛びつかず、不調の中に潜んだ〈根本的な原因〉を探ってみてください。

お悩み回答者

山田悠史さん

こういった症状が出ている場合、「集中力を高める方法」が書かれたマニュアル本を読んだり、ネットなどから対処法を探すことが多いと思うのですが、それらを実践したとしても改善する可能性は低いでしょう。なぜなら、症状を引き起こしている原因によって、対処法はまったく違ってくるからです。まずはその原因を探るのが第一。

50代女性で、「集中力が続かない」原因のひとつとして考えられるのが、更年期障害です。女性ホルモンは、認知機能の維持に役立つことが知られており、更年期に女性ホルモンが減少することで、忘れっぽくなったり、脳に霧がかかったように感じる「ブレインフォグ」※1の症状が出ることがあります。

ほかにも、うつ病などの精神疾患や甲状腺機能に異常がある場合も、同様の症状が出ることが。いずれも、きちんとした治療を行うことで、集中力を取り戻すことが可能です。このかたの場合、日常生活にも支障をきたしているので、早めにかかりつけ医や総合内科、総合診療科※2などに相談することをおすすめします。

もうひとつ気になったのが、「年といえばそれまでですが」という一文。年齢のせいにすると、そこで思考が停止してしまい、医師に相談したり、検査を受けようと思わなくなりますよね。何でも「年だから」と片づけず、「何らかの原因があって、治療によって症状が改善する可能性がある」と考え、「自分の健康は自分で守る」意識を持つことが大切です。


※1 ブレインフォグ

脳に「もや(霧)」がかかっているかのようにぼんやりした状態をさす。考えがまとまらず、記憶障害や集中力の低下、物忘れなどの症状がみられるほか、新型コロナウイルス感染症の後遺症としても知られている。

※2 総合内科、総合診療科

どの診療科を受診すべきかはっきりしない場合に、診察・検査を通してもっとも適切と考えられる診療科を判断する役割を担っている。おもに内科診療を扱うのが「総合内科」、内科以外の疾患も幅広く診療するのが「総合診療科」。

山田悠史さん

米国老年医学・内科専門医。慶應義塾大学医学部卒。ニューヨーク・マウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事。著書に『最高の老後「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(講談社)、『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。Podcast番組「医者のいらないラジオ」を配信中。

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