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アンリアレイジ オム、キュートでノスタルジックなセカンドシーズン【2025年春夏 東京コレクション】

  • 2024.9.10

森永邦彦によるメンズブランドのアンリアレイジ オム(anrealage homme)が9月7日、北青山の秩父宮ラグビー場で2025年春夏コレクションのショーを開催した。森永は2シーズン目となる同ブランドについて「アンリアレイジ(ANREALAGE)は、未来をすごく大きなテーマにして発表を続けているんですけど、オムは時間軸としては(過去に)戻るのをテーマにしています」と語り、2000年代の原宿に焦点を当て盟友のスタイリスト・TEPPEIをミューズに据えた先シーズンの“原風景”という大きなテーマは変えないものの、小学生の頃に見ていた景色などの服作りをはじめる前の時代まで遡り、コレクションを構成した。

無数のパールが取り付けられた淡いパープルのセットアップがファーストルックとして登場。そして、ノスタルジックなムードを醸す、子供服のようなモチーフがあしらわれたニットやマルチカラーの細々としたディテールが特徴のヴィヴィッドなピンクのジャケットにニット製のチェーンとショーツを合わせたルックなど、キュートなアイテムが多数ラインナップ。今シーズンは、50年代のロカビリー、70年代のパンク、90年代のストリートミックスのスタイルなど様々な時代のヴィンテージウェアをブランドの世界観で、可愛らしくポップで軽やかに解釈してデザインしたそうだ。

80年代の名もなきウェアに着想を得たという“Friend”の文字と子供のイラストが配されたブルー×オレンジのニットが今季を象徴するアイテムのひとつ。森永は「少年と少女が手をつないで青空のもとにいるんです。(元ネタは)実際にあった誰が作ったかわからないアイテムなんですが、 アップリケの感じや未熟な雰囲気を今シーズンのインスピレーションの核に置いています」と言い、そのアイテムを見て、今回のショーで使用したTHE BLUE HEARTSの楽曲『青空』が思い浮かび、元THE BLUE HEARTSの真島昌利に「少年の声とピアノでカバーしたい」とオファーしたという。

ショーで流れた2曲目も同じくTHE BLUE HEARTSの『TOO MUCH PAIN』。「小さい頃にブルーハーツを聴いた時の衝撃は凄まじくて。自分の心のあり様ひとつで日常の景色が変わるっていうことを教えてくれたバンドなので、それをベースにコレクションを行えたことは自分にとってもすごく大きいですね」

アンリアレイジはパリでコレクション発表を続ける一方、アンリアレイジ オムは東京をベースに展開していくという。森永は東京での活動について「東京とパリだと、どうしてもパリが上位概念に見えてしまうんですけど、そうではなくて、東京でやるべきこともありますし、東京のお客さんと向かい合いたいので、今は東京コレクションでやっていきたいです。原宿にもお店を出しましたし、自分が好きだった2000年代の原風景は、原宿の街や東京自体がすごく力を持っていたので、そこを諦めたくないんです」と意気込んだ。2シーズン連続でファッション・ウィークのトリを飾り、よりはっきりとブランドの世界観を描き出したアンリアレイジ オムは、これからも東京を盛り上げてくれそうだ。

Photos: Courtesy of anrealage homme

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