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グルマン温故知新:参宮橋〈SAM〉ピッツァと薪焼きつまみのワンオペ酒場

  • 2024.9.10
グルマン温故知新:参宮橋〈SAM〉ピッツァと薪焼きつまみのワンオペ酒場

SAM(参宮橋)

ピッツァと薪焼きつまみのワンオペ酒場

小学校の卒業文集に書いた好きな食べ物が「ピザ」だった。とろけるチーズとトマトソース、生地のハーモニーは“永遠の大好物”。「好きなものが作れるから」ピッツァイオーロになった、後藤崇暁(たかあき)さんの店である。

九条ネギ、ニンニク、トマトソース
後藤さんの故郷、京都産の九条ネギを使ったマリナーラのアレンジ。ピッツァ用の準強力粉に幡ヶ谷〈カタネベーカリー〉が群馬県の自社農園で栽培する国産小麦の全粒粉をブレンド。水分の少ない生地を、高温の窯で瞬時にさくっと焼き上げる。まだらな焼き目、程よい焦げ目が味に。2,200円。
タコとジャガイモ
味つけは塩、コショウ、トマトソースとシンプルだが、段階的火入れで重層的な味に。生の北海タコの足を丸のまま火入れし、ジャガイモを時間差で加えて、バジルが香るオリーブオイルで揚げ焼きに。2,530円。
窯焼き野菜盛り
タマネギ、ニンジン、ジャガイモは熾(お)き火でじっくり甘味を引き出し、ほかの野菜と合わせて窯焼きに。野菜は住まいのある調布市深大寺で毎日仕入れる朝採れと、京都・福地山に住む家族からの直送便。1,980円。

薪窯焼きのピッツァの脇を固めるのは、クラフトビールとナチュラルワイン。国産の全粒粉を使った生地の、軽く香り豊かで深い味わいは、確かにおすすめのビールやワインの飲み心地と通じる。窯焼きの野菜や魚介も、捻りが効いた飲ませる味だ。

修業先は三鷹の繁盛ピッツェリア〈武蔵野カンプス〉。1日約200人が来店する大箱で6年、生地の発酵と薪火での焼成のリズムを体に叩き込んだ。

店名には敬愛するブルワー、米・ポートランド〈ヴォン・エバート〉のサム・ぺコラーロの名を頂いた。イタリアというルーツを踏まえつつ、生地作りもビールやワインの提案も国の枠を超えて。確かな味と自由な空気が、参宮橋の住宅街に人を呼んでいる。

参宮橋SAMのオーナー後藤さん
後藤さん。ミュージシャンからピッツァ職人に。
参宮橋SAMの店内
薪窯は多くの有名店が信頼を置く東京・日本橋〈山宮かまど工業所〉に依頼。

Information

SAM

〈サム〉
住所:東京都渋谷区代々木4-45-5パークテラス参宮橋101
TEL:なし
営:15時~23時(22時LO)。ピッツァは売り切れ次第終了
休:定休日は日付固定で、毎月1・2日、16・17日、29日~月末日休

小田急小田原線参宮橋駅から徒歩5分。2024年5月10日オープン。予約はInstagram(@sam_woodfired_)のDMより。国産ブルーチーズやオリーブなど、小皿つまみは660円~。ナチュラルワインは各国のものを約200アイテム揃える。テーブルも1卓、子供連れもウェルカム。ビール(小瓶)770円、グラスワイン1,320円~。アラカルトのみ。ピッツァ5種1,980円~。前菜990円~。カウンター8席、テーブル1卓4席。

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