1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「ラブ トランジット」シーズン2・エリカさん、新しい恋をするはずが……気づいてしまった元カレへの想い【ネタバレあり】

「ラブ トランジット」シーズン2・エリカさん、新しい恋をするはずが……気づいてしまった元カレへの想い【ネタバレあり】

  • 2024.9.10

「ラブ トランジット」は5組の元カップルが元恋人(=X)が誰かを伏せたまま、1カ月のホカンス(ホテルでバカンス)生活を送り、新しい恋か復縁かを選ぶという恋愛リアリティ番組。シーズン2に参加したエリカさんは、そのはつらつとした笑顔から、男性陣の間で取り合いに。でも、その心は次第にXへと傾いていき……。ホカンスを終えた今、何を思うのか、Xへの想いの行方は――。※以下、『ラブ トランジット』シーズン2の全話のネタバレを含みます。

無邪気なカレーパンに癒やされて

――まず、Xとの出会いを聞かせてください。

エリカさん(以下、エリカ): 私がアパレルショップでバイトしていたとき、新卒の社員として入ってきたのがXでした。Xは私の5歳下ですが、立場的には上司。最初は名字にさん付けで呼び合う仲でした。経験値は私の方が高いので、私が引っ張ることが多かったけれど、意外と彼の方がしっかりしているところもあって。「天然のかわいい年下新卒君」と思っていた彼の頼れる一面を見て、そのギャップに惹かれていきました。

朝日新聞telling,(テリング)

ちょうどその時、私は背伸びする恋愛をしていて、疲れ果てていました。プライベートで傷ついて、ため息をつきながら職場へ行くと、彼がいて、話すと面白いし、ちょっと癖があって一緒にいたら楽しい。癒やされていたんだと思います。

ある日、仕事がすごく忙しくてろくに休憩も取れなかった時、彼がコンビニの店舗で作っているカレーパンを買ってきて、「これ、最近僕がハマってるめっちゃおいしいカレーパンなんです。よかったら食べてください!」ってニコニコした顔で持ってきてくれて。それが、なんかもう沁みて沁みて……。私は背伸びをする恋愛よりも、こういう当たり前の幸せを一緒に味わえる人と恋愛したほうが、幸せになれるんじゃないかなって。それから異性として意識するようになり、付き合うことになりました。

――今回、「ラブ トランジット」にXを誘ったのはなぜですか。

エリカ: ケンカ別れしたあとも、彼と私の行動範囲が同じで、しょっちゅう彼の情報が入ってくるんです。友達のSNSには当然のように彼が登場するし、共通の友人も多くて、職場も私が紹介したところに転職したので仕事ぶりまで見えちゃって、離れるに離れられない、という感じでした。

ホカンス初日、Xからの手紙に涙する場面も……=『ラブ トランジット』シーズン2 ©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.

ちょっと無鉄砲なところがある彼が、夜遊びなどに頻繁に誘われているのを見ると、つい口出ししたくなってしまうんです。新しくいい人が現れても、どうしてもXのことも気がかりで、一度しっかり向き合わないと、私も前に進めないと思いました。

すでに番組をご覧になった方はわかると思うのですが、Xって人と向き合うのが苦手なんです。付き合っているときも、行き違いがあったとき、私は「こうで、こうだから、こうでしょ」と丁寧にかみ砕いてLINEを送るのですが、Xからは「別れよう」と一言。こういう機会でもなければ、向き合ってもらえないと思いました。彼は嫌がるかなと思ったのですが、意外と「いいよ」と乗ってくれて。彼の中でも、このままではいけないと思ってくれていたのかな。

ホカンス中はさまざまな男性参加者とのデートも楽しむが……=『ラブ トランジット』シーズン2 ©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.

新しい出会いの中で気づいた本音

――新しい恋を望む人は白いチューリップ、復縁を望む人は紫のチューリップで表すなか、エリカさんのチューリップは最初、白でしたよね。途中から、Xと復縁したいという思いに変わったのはなぜだったんですか。

エリカ: 初め、復縁と新しい恋はフィフティ・フィフティくらいの気持ちで臨んでいました。Xと向き合いたいという気持ちと、素敵な方がいたらその人のこともちゃんと見ていきたいなという気持ちと、どちらもあったんです。

そして、いいなって思える男性がいたので、デートも行きました。でも、その方と話すうちに、その方のXとの恋愛がすごく素敵だなって思ったんです。その方が話されるXとの思い出が愛情にあふれていて。その方を素敵だなって思えば思うほど、自分の中で、なんで私とXはダメだったんだろう。私に足りなかったことはこういうことだったのかな?っていう感情が湧いてきて。

そう思ったときに、私がXと「向き合いたい」と思っているのは、決着をつけたいからだと思っていたけど、そうじゃなくて、できてしまった溝をもう一度埋めたい、本当の本当は恋人だった頃の二人に戻りたかったんだな、と気づきました。

参加者がXとの思い出の地を巡るデートも=『ラブ トランジット』シーズン2 ©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.

年下彼氏の「お母さん」になってしまった

――新しい男性とデートする中で気づいた、自分に「足りなかったこと」とは。

エリカ: その方はXと長くお付き合いされていたそうで、最初の頃はちょっとしたことでやきもちや心配をして、揉めたそうなんです。でもお二人はそのたびにお互いちゃんと向き合って話し合いもして、価値観のずれを埋めていったんですって。それまでは結構、遊び好きだったそうなのですが、「ある時から、恋人を悲しませたくないっていうふうに考えが変わって、うまくいくようになったんだ」とお話されていて。

特殊なのが、この「ラブ トランジット」では、その彼だけじゃなく、彼の元恋人とも一緒に共同生活を送って、知り合うことができるということ。その女性が、お話ししていてもすごく愛情が深くて、包み込むような愛を持った女性だったんです。そういう彼女だったから、この彼も彼女の大切さに気付けたんだろうなって感じて。

私はどちらかというと、年齢差があったこともあって、「なんでそうなるの!」「そうじゃないじゃん!」と、彼を自分の思う正しいほうへ導こうとしてしまいました。私からすれば、彼がこの先悲しまないように、間違えないように、将来後悔しないように、と思って伝えているつもりなんですけど、彼からしたらもう「うるさい。めんどくさい」って。

朝日新聞telling,(テリング)

今思えば、お母さんみたいになっちゃってました。彼も彼で、そんなうるさいこと言う彼女より、一緒にいて楽な友達とか、自分を応援してくれる女の子のほうがいいってなっちゃって……。
どこから間違えてしまったんだろう……と、ホカンス中ずっと考えていました。

(後編へ続く)

■清繭子のプロフィール
エッセイスト/ライター/エディター。エッセイ集『夢みるかかとにご飯つぶ』(幻冬舎)2024年7月発売。出版社で雑誌・まんが・絵本の編集に携わったのち、39歳で一念発起。小説家を目指してフリーランスに。Web媒体「好書好日」にて「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。特技は「これ、あなただけに言うね」という話を聞くこと。note「小説家になりたい人(自笑)日記」更新中。

■北原千恵美のプロフィール
長野県生まれ。東京都在住。ポートレート、ライフスタイルを中心にフリーランスで活動中。 ライフワークで森や自然の中へ赴き作品を制作している。

元記事で読む
の記事をもっとみる