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“酒を飲む姿”で人々の心を掴む、吉田 類の魅力。おすすめの酒場も登場!

  • 2024.9.10

酒飲みの間で“俺たちの月9”なる異名を持つ冠番組『吉田類の酒場放浪記』が不動の人気を誇る、酒場詩人・吉田 類。

その、底知れない魅力に迫った。達人・類さんが推す、東京都内の居酒屋もご紹介!

人間関係に於ける“距離感”の大切さを、酒場を通じて学ぶ
吉田 類
東京カレンダー


「こんな酒飲みになりたい」と、吉田 類さんに憧れている大人は実に多い。

自身の番組では評判の酒場の魅力を紹介しつつ、時に居合わせたお客さんと盃を酌み交わし、最終的にはほろ酔いの姿まで見せるときも。が、あくまでスマートで、どこか品があるからだろう。

酒場の練達・類さんの域に近づくにはどうすれば?渋谷『立呑 富士屋本店』で、当のご本人に尋ねた。

渋谷『立呑 富士屋本店』の外観
東京カレンダー


こちらは2018年まで同じ桜丘町にあり、類さんもこよなく愛した名酒場『富士屋本店』の流れを汲む居酒屋だ。

この日繰り返し語ってくれたのが、人間関係に於ける“距離感”の大切さ。それは言うまでもないかもしれないが物理的なことだけでなく、精神的なことも指す。そして、自身はそれを酒場を通じて学んだのだ、と。

「酒と肴と場の雰囲気を楽しむことは大前提。が、楽しむ=無軌道に非ず、です」

確たるフィロソフィがあるからこその超然とした雰囲気、目指したい。

「酒場には酒場の間合いがある。これを見誤ってはいけません」

「大切なのは、人と傷つけ合わない距離感。その日出会った人と意気投合しても、踏み込み過ぎないことが僕の矜持です。その距離を知っているという意味では、“大人の酒飲み”かもしれません」


「凛とした様子で酒場を楽しんでいる素敵な大人の女性が増えていることは喜ばしい限りです」

幼い頃から女性への畏敬の念がある、という類さん。

「だから、女性に対しては男性に思う以上に、酒場で崩れず“きれいなお酒”の楽しみ方をしてもらえたらと、つい思ってしまうんです」

渋谷『立呑 富士屋本店』で日本酒を注いでいる様子
東京カレンダー


「粋も、野暮も、酒場で学びました」

「あらゆる場面で、人に迷惑をかけず傷つけないことを尊び、逆にそのようにされたなら、さらっとかわす。人間関係に於ける機微を読む力は、数多の名酒場で培われたと思います」


「家でも晩酌はします。ただし“猫ファースト”(笑)」

筋金入りの愛猫家としても知られる類さん。現在は4匹の猫を溺愛中だ。

家でお酒とつまみを嗜むこともあるが、お姫様のような愛猫「ララちゃん」のご機嫌が最優先のため、中断もしばしば。

渋谷『立呑 富士屋本店』の「鰹レアフライ」
東京カレンダー


「酒は辛口推し。だって、つまみの味が活きるから」

「お酒は、酒肴を楽しむためのもの。甘みが口内に残ると料理の味が損なわれるので、辛口が好き」

この日は「鰹レアフライ」(¥700)や「鰯のり巻き」(¥850)に舌鼓。


「今、最高の酒は山登りの後に仲間と飲む酒です」

実は、若い時から山を愛する類さん。現在は『にっぽん百低山』(NHK BS)で日本全国を巡り、撮影後は「もはや家族同然」というスタッフと飲むのが恒例だそう。

「山登りで身体を存分に動かしたあと、飲む酒は格別です」

吉田 類STYLEのポイントは……
吉田 類
東京カレンダー


品の良さが滲むファッションも、類さんのアイコンのひとつ。この日は「イタリアのブランドが好き」というだけあり、「GIORGIO ARMANI」のジャケットとハンチングがキーアイテム。

合わせたパンツは「agnès b.」。メガネは表情が分かりやすいハーフリム、時計はドイツの老舗ブランド「WEMPE」を愛用。

■店舗概要
店名:立呑 富士屋本店
住所:渋谷区桜丘町16-10
TEL:03-6455-2473
営業時間:【火~金】17:00~(L.O.22:30)
【土・日】16:00~(L.O.22:00)
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
席数:スタンディング60名相当

吉田 類の珠玉の一軒!大人が粋に飲むなら荒木町の『ととや』がいい


「人情も粋な、うまい酒場です」と吉田 類さんが推すのは、今年、創業52年を迎える『ととや』。

古き良き昭和感が、訪れる人を出迎える。

曙橋『ととや』の外観
東京カレンダー


美食の街・荒木町に『ととや』はある。

しゃらりと音を立てて揺れる縄のれんをくぐると、そこに広がるのは年季を感じさせる飴色の世界。

ほどなく大将から「いらっしゃい!」と笑顔が向けられる。

曙橋『ととや』の富澤忠雄氏、佐野洋一氏、佐野順子氏
「本当に居心地がいい店。大将たちの人柄が、みんなのハートを掴んでいるんだよね」。大将の富澤忠雄さん(中央)、板長の佐野洋一さん(左)と妹の佐野順子さん(右)が接客を担当。3人の温かな人柄に惹かれて通う常連客も多い


『ととや』は1972年に創業。20年ほど前に同じ荒木町から、現在の地に移転したが、変わらぬ笑顔とサービスに3日と空けずに通い詰める常連も。

「『美味しいよ』って言ってもらえる。それが何より嬉しいんです」と、大将はカメラの前ではにかんだ。

曙橋『ととや』の「刺身盛り合わせ」
東京カレンダー


「厚切りの刺身が美味しく、銀だらはホクホクで肉厚。日本酒がすすむ」

「刺身盛り合わせ」(2人前¥2,000)は、築地の仲買い人だった板長が毎朝豊洲で厳選する旬の魚が並ぶ。

「薄っぺらい刺身を食べても美味しくないでしょ」と、刺身は厚切りにするのが『ととや』流。

曙橋『ととや』の「銀だら炭火焼き」
東京カレンダー


「銀だら炭火焼き」(¥800)は、特製だし醤油に漬け熟成させた逸品。

曙橋『ととや』の「煮物」
「煮物」(各¥300)も売り切れ必至


客が主役の飲食業だが、譲れない線もある。

「お客様の要望をすべて聞いていたらとんでもないことになる。何しろ狭い店だから」との理由で、酒は1種類につき1銘柄のみ。

曙橋『ととや』で提供しているビール
「ビールの大瓶をどぶづけ。この昔ながらの雰囲気に惹かれる」と類さんも懐かしむ、昭和の風情が残る。「大将贔屓の常連さんは、もう70代のご年配ばかりなので、昔の雰囲気が落ち着くみたいで」と佐野洋一さん


この“潔さ”もまた、クセになる要因のひとつだ。

「類さんが初めて来てくれたのは20年前。他のお客さんと乾杯したり談笑したり。楽しく気さくな方です」。そう言って、大将は訪問を振り返る。

曙橋『ととや』の内観
「若い頃、友人がこの辺りに住んでいたので、よく来ていました。その頃の荒木町のような、洒脱な上品さが、この店にはまだ残っている」。年月を重ねた味を感じさせる店内は、不思議と居心地が良い。BGMは、小さなCDカセットプレイヤーから流れる昭和歌謡。これを目当てに訪れる常連客もいるという


束の間の巡り合いを楽しむ、古き良き日本らしい人情が残る『ととや』。

吉田 類が『ととや』を推す真意は、ここにあるのかもしれない。

■店舗概要
店名:ととや
住所:新宿区荒木町10-17
TEL:03-3357-3319
営業時間:17:00~(L.O.21:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター10席、テーブル20席

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