「人妻合コン」に参加した妻。モラハラと束縛が激しい夫に嫌気がさし「婚外恋愛」というタブーに踏み出し…

妻になっても、母親になっても、1人の女性として「愛されたい」と思うのは当然のことだろう。しかし、世の中には妻を所有物として扱ったり、女として見れないという理由で浮気に走ったりする夫もいる。

『相互アリバイ妻 ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』（三松真由美：原作、カナメキヌコ：漫画/KADOKAWA）は、夫以外と婚外恋愛する妻たちの物語を描いた作品だ。

主人公の花耶は、子育てが終わり夫と冷めきった夫婦生活を送るアラフォーの妻。恋愛経験もほぼないまま結婚した夫・芳明は、とんでもない束縛系モラハラ男だった。形式的で独りよがりなセックスに、超がつくほどの所有欲から起こるストーカーのような言動。そんな夫に抵抗しないだけの生活に愛などあるはずもなく、このまま女として枯れてしまうのかと不安を抱いていた。

花耶が心を殺してロボットのようにすごしていたある日、ママ友・美千留から刺激的なお誘いが舞い込んでくる。それは、“大人の男友だち”を作るための「人妻合コン」に参加しないかというものだった。言い方は上品だが、要は割り切った関係の不倫相手を作るための合コンだという。常識的に考えるなら、そんな合コンに参加するなんてありえないだろう。しかし、夫との愛のない生活に耐え続けてきた花耶にとって、それは何より魅力的なお誘いだった。

人妻合コンに参加するのは、花耶と美千留を含めた4人の人妻たち。それぞれが抱える夫への不満や不安により、さまざまなドラマが展開されていく。夫の不倫やセックスレス、義母の介護問題など、夫婦生活に関するリアルな悩みや葛藤に思わず共感してしまう人も多いだろう。

とはいえ、花耶の夫は度が過ぎた束縛男だ。人妻合コンに参加したことが分かれば、決して無事ではすまないだろう。そこで美千留は、お互いの「浮気のアリバイを作る」ことを提案する。事前の写真撮影や口裏合わせの設定を駆使して、夫から疑われないようなアリバイを作りながら、婚外恋愛に踏み出していく— —。

妻たちがアリバイに隠れて楽しむ大人の関係は、一体どんな未来をもたらすのだろうか。「婚外恋愛」というタブーに踏み出した妻たちの行く末から、今後も目が離せない。

文＝ネゴト / 押入れの人