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『エイリアン:ロムルス』が2位に初登場!ラージフォーマットとの親和性の高さがヒットの決め手に

  • 2024.9.9

9月6日から9月8日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、前々週と2位以下に大きな差をつけてNo. 1を守り続けている『ラストマイル』(公開中)が、今週も首位をキープし3週連続Vを達成。週末3日間で動員31万7000人、興収4億7500万円を記録しており、累計成績では動員213万人&興収30億円を突破している。

【写真を見る】リドリー・スコット、キャメロン、フィンチャー…名だたる監督たちからシリーズを受け継いだのはホラー界の新たな鬼才

誕生から45年!「エイリアン」シリーズ最新作が襲来

1979年公開の第1作の後のストーリーが描かれる『エイリアン:ロムルス』 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
1979年公開の第1作の後のストーリーが描かれる『エイリアン:ロムルス』 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

今回大きく取り上げたいのは、2位に初登場を果たした『エイリアン:ロムルス』(公開中)。リドリー・スコットが手掛けた『エイリアン』(79)を皮切りに、ジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャー、ジャン=ピエール・ジュネといった巨匠監督たちがつないできたSFホラーシリーズの最新作となる同作。『プロメテウス』(12)と『エイリアン:コヴェナント』(17)でシリーズにカムバックを果たしたスコットが製作総指揮を務め、新たにメガホンを託されたのは、「ドント・ブリーズ」シリーズのフェデ・アルバレス監督だ。

初日から3日間の成績は、動員が19万3000人、興収が3億1900万円。集計方法が異なるため直接的な比較はできないが、前作『エイリアン:コヴェナント』は土日2日間で動員13万8300人、興収1億9400万円を記録しており、ほぼ同等のスタートを飾ったと考えても差し支えないだろう。その前の『プロメテウス』は768スクリーンという大規模上映の効果もあってより大きな初動成績を叩きだしているのだが、いずれにしても「エイリアン」シリーズは“SFホラーの金字塔”と呼ばれるにふさわしい動員力をいまも保っているといえよう。

ラージフォーマットでの上映が、興収の30%を占めるほど絶好調 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
ラージフォーマットでの上映が、興収の30%を占めるほど絶好調 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

特に今回出色の成績を収めているのがラージフォーマットでの上映。IMAXとDolby Cinema、4DX、ScreenXで上映されており、初動興収の30%(およそ1億円)がラージフォーマット上映によるもの。日本でも、のべ上映館数154館(9月9日現在)でラージフォーマットでの上映が行われている。宇宙空間でエイリアンが迫る恐怖を最大限に味わえるアトラクション性の高い映像体験は日本のみならず海外でも好評で、なかでもIMAXでの全世界興収は3720万ドルを突破し歴代ホラー映画の新記録を樹立。世界2位の市場規模を誇る中国で北米に匹敵するだけのヒットを飛ばしているのも、こうしたラージフォーマット上映との親和性の高さが決め手となっているようだ。

長期にわたって続くシリーズ作のデメリットともいえる、“過去作を見ていないとわからない”現象が起こり得ない、キャスト&ストーリーの一新(もちろん時系列的にはシリーズ第1作を観ておくのがオススメだが)も後押しし、若い世代を「エイリアン」シリーズに引き込むことにも成功した今作。まもなく誕生から半世紀を迎えようとしているシリーズが活況というだけで、往年のファンにとってはうれしい驚きだ。

【写真を見る】リドリー・スコット、キャメロン、フィンチャー…名だたる監督たちからシリーズを受け継いだのはホラー界の新たな鬼才 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
【写真を見る】リドリー・スコット、キャメロン、フィンチャー…名だたる監督たちからシリーズを受け継いだのはホラー界の新たな鬼才 [c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『夏目アラタの結婚』『ラブライブ!』も初登場

公開6週目を迎えた『インサイド・ヘッド2』は動員359万人&興収46億円を突破! [c]2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公開6週目を迎えた『インサイド・ヘッド2』は動員359万人&興収46億円を突破! [c]2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

さて、公開6週目を迎えたディズニー&ピクサーの『インサイド・ヘッド2』(公開中)は、前週からワンランクダウンで3位にランクイン。夏休みシーズンが終わったこともあってか、週末3日間の成績は動員12万3000人、興収1億6600万円と前週から大幅な下落が見られるもののまだまだ好調を維持。

現時点での累計成績は動員359万人&興収46億円を突破。『インクレディブル・ファミリー』(18)の最終興収49億円を抜いて、日本国内におけるピクサー作品歴代興収ベストテン入りを果たす可能性も充分に残されている。

『夏目アラタの結婚』は4位スタートに [c]乃木坂太郎/小学館 [c]2024映画「夏目アラタの結婚」製作委員会
『夏目アラタの結婚』は4位スタートに [c]乃木坂太郎/小学館 [c]2024映画「夏目アラタの結婚」製作委員会

新作は『エイリアン:ロムルス』以外にも2本がランクイン。4位に初登場を果たしたのは、乃木坂太郎の同名コミックを、堤幸彦監督が柳楽優弥と黒島結菜の共演で実写映画化した『夏目アラタの結婚』(公開中)。ある目的のために死刑囚に結婚を申し込むことになった児童相談員の男が、毎日20分だけ面会できる凶悪殺人犯に翻弄されていく様を描く同作は、初日から3日間で動員8万7000人、興収1億2600万円を記録している。

また9位には、2020年と2022年にテレビアニメが放送され、2023年6月に新作OVAが公開された「ラブライブ!」シリーズの第3作の“その後”を描く完全新作エピソードが展開する映画3部作の第1弾『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』(公開中)がランクイン。

日本歴代興収ランキングの95位まで駆け上がってきた『キングダム 大将軍の帰還』 [c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会
日本歴代興収ランキングの95位まで駆け上がってきた『キングダム 大将軍の帰還』 [c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会

既存のタイトルでは、夏休みシーズンをリードした『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』(公開中)、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』(公開中)、『怪盗グルーのミニオン超変身』(公開中)が軒並み前週から順位を落としているなか、『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)は前週に続いて6位をキープ。累計動員513万人、興収75億6000万円に到達し、日本歴代興収ランキングでは95位まで順位を上げている。

以下は、1~10位までのランキング(9月6日〜9月8日)

1位『ラストマイル』

2位『エイリアン:ロムルス』

3位『インサイド・ヘッド2』

4位『夏目アラタの結婚』

5位『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』

6位『キングダム 大将軍の帰還』

7位『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』

8位『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』

9位『怪盗グルーのミニオン超変身』

10位『きみの色』

今週末は、『記憶にございません!』(19)以来5年ぶりとなる三谷幸喜監督の最新作で、長澤まさみが主演を務める『スオミの話をしよう』(9月13日公開)、今年2月に放送がスタートした「プリキュア」シリーズ第21作の劇場版『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』(9月13日公開)などが公開を控えている。

文/久保田 和馬

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