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休日の「寝だめ」で心疾患リスク低下!?最新研究が示唆することとは

  • 2024.9.9

週末の寝坊に、もう罪悪感を感じる必要はないかも。

Catherine McQueen

この研究論文はまだ出版されていないが、2024年8月30日から9月2日にかけて行なわれた欧州心臓病学会議 2024で発表された。

研究者らはこの研究のために、生体医学のデータベースであるUKバイオバンクに登録されている約9万1000人のデータを分析。週末の睡眠と心疾患との関係を調べるために、加速度計データを分析し、週末にどれだけ余分に睡眠をとったかでグループ分けした。また、人々が定期的にどれだけの睡眠をとっているかという自己申告情報も調べたところ、研究参加者の約22%が睡眠不足(一晩の睡眠時間が7時間未満)であると答えた。

その後、平均約14年間にわたって追跡調査した結果、週末に最も多く睡眠時間を確保した人は、週末に最も睡眠時間が短かった人に比べて、心疾患、脳卒中、心不全、心房細動などの重篤な心血管疾患を発症する可能性が19%低かった。

また、日常的に睡眠不足だが週末にたくさん寝だめをしていると答えた人は、睡眠不足を補う努力をほとんどしなかった人に比べて心疾患のリスクが20%低かった。

この研究の共著者である、北京の阜外(フーワイ)病院国立循環器疾患センター感染症国家重点研究室のヤンジュン・ソン医学博士は、声明の中で「十分な寝だめは、心疾患リスクの低下と関連している」「そしてこの関連性は、平日に定期的に睡眠不足になっている人ほど顕著に見られた」と述べている。

John Fedele

これは、場合による。他の研究では、睡眠時間が長すぎると心疾患のリスクが高まることがわかっているので、適度に睡眠時間を確保することがポイントになる。それでも、十分な睡眠(7〜9時間)をとることは心臓の健康にとってメリットがあるようだ。

米カリフォルニア州ラグーナヒルズにある、メモリアルケア・サドルバック・メディカル・センターの構造的心疾患プログラム医長でインターベンション(介入性)心臓専門医のチェンハン・チェン医学博士は、次のように述べている。

「睡眠は、血圧や心拍数の改善、体重増加の抑制、さらには炎症の緩和など、さまざまなメカニズムを通して心臓の健康維持に役立ちます」「週末に寝だめをすることで、平日に蓄積された睡眠負債を完全に相殺することはできません。しかし、寝だめしなかったら回復できなかったものを、いくらか回復させることはできるでしょう」

裏を返せば、睡眠不足は心臓に良くないとチェン博士は指摘する。

「睡眠不足は、高血圧、心疾患、糖尿病、肥満のリスクを高めるなど、さまざまな影響によって心疾患のリスクを高めると考えられています」

Peter Dazeley

これはあくまでひとつの研究に過ぎず、以前の研究では週末に2時間以上寝だめすると心臓血管の健康状態が悪化するという結果も出ている。つまり、「寝だめがどれほど有益か」についてはまだ結論が出ていないというのが現状だ。

チェン博士は、睡眠習慣と心臓の健康が気になるなら、曜日に関係なく、ひと晩で7時間以上の睡眠を確保するために最善を尽くすようすすめている。しかし、心臓の健康のために、それ以上の努力をすることも大切だという。

博士は、「健康的な睡眠時間を確保するということは、心臓に良いライフスタイルを維持するための一側面に過ぎません」「他にできる対策としては、健康的な食事をとり、十分に運動をし、適切な体重を維持し、タバコやアルコールを避け、血圧、血糖値、コレステロール値に気をつけることなどが挙げられます」と述べている。

もちろん、家族や自分自身に心疾患の既往歴がある場合は、具体的な指導を受けるために医師に相談するのがベストだ。

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