「奨学金？ 息子がかわいそう！」子離れできない義母 → 孫たちが離れていってしまった【本当の原因】

本当に子や孫のことを思うのであれば、相手を尊重する姿勢も大切です。自分の思い通りにならないことに文句を言うことは、決して愛情ではないはずです。これは筆者の友人・A子のエピソード。A子の義母が孫たちをドン引きさせた原因とは？

子離れできない義母

私は夫と2人の息子の4人家族です。
夫は長男で、義弟夫婦にも2人の娘がいます。

義母は今でいう未婚の母。
若い頃から苦労して2人の息子を育てた人ですが、息子たちへの思い入れが強く、いつまでも子離れできないことに私は漠然とした不安を抱いていました。

大学進学

我が家の長男が大学進学のとき、第一志望だった国立大学への試験に失敗してしまい、同じ学部のある私立大学へ進学することになりました。
入学祝いも兼ねてみんなで集まろうということになり、私たち家族と義弟一家が義母の家に集まったときのことです。

義母は長男へのお祝いもそこそこに「入学金はいくら払ったの？」「年間でいくら学費がかかるの？」と何故かお金の話ばかり。
義母にお金を出してもらうわけでもないのに「国立なら良かったのにねぇ。」「Uちゃん（義弟夫婦の長女）は頑張って国立行きなさいね！」と言い出しました。

これを聞いた長男は「おばあちゃん、そんなに心配しなくてもちゃんと奨学金もらえるようにしてるから大丈夫だよ。」と言ったのですが、義母はとんでもないことを口走ったのです。

かわいそう？

長男の行く学校では、成績優秀者に対して返済不要の奨学金制度を設けていました。
幸いなことに長男はこの条件をクリアしていたので、入学金や授業料の一部が免除されることになっていたのです。

しかし、制度の詳細を知らない義母は「奨学金って借金でしょ？あ～あ、N貴（私の夫）がかわいそう！」と一言。
これを聞いた義弟夫婦の長女が「何でN貴おじちゃんがかわいそうなの？」と聞くと「だってこれまでだってさんざんお金かけてきたのに、私立大学なんてお金ばっかりかかるじゃない？子どもにお金かかりすぎてかわいそうでしょ？」「一生懸命働いているのに、親の期待に応えないなんて、N貴がかわいそう過ぎるわよ！」と言ったのです。

理解不能

私は、義母のこの言葉を理解することはできませんでした。
確かに、私立大学は国立大学よりもお金がかかります。
でも、長男なりに奨学金制度に挑戦したり、アルバイトを始めたりと努力しているのに、夫のことをかわいそうという思考回路にハテナマークがいっぱいになりました。

義母のこの言葉には孫たちもドン引き！
唯一人、義母に反抗的な義弟夫婦の次女が「別におばあちゃんがお金出すわけじゃないんだからいいんじゃない？大学行くだけすごいじゃん。」と冷たく一言。
周囲は「確かにそうだよなぁ。」という雰囲気に包まれ、義母も黙ってしまいました。

理由

この一件以来、孫たちが義母の家に行くことは極端に少なくなりました。
義母は「みんな連れて来なさい！」と言うのですが、いつまでも子離れできていない息子最優先の義母に何を言われるかわからないという恐怖を感じているようです。

我が家にも息子が2人いますので、私は義母を反面教師として、将来義母のような言動をしないようにしようと心に決めた出来事でした。

【体験者：50代女性・会社員、回答時期：2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター：RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。