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「妹ばっかりズルい!」と毎日言っていた小1の姉が、言わなくなった理由

  • 2024.9.9

小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。

今回は、小学校教員としての経験を持つ、りな先生です。小1、年中の姉妹のママでもあるりな先生。お姉さんが1日に何度も、「〜ちゃんばっかりズルい!」と言っていて、よくよく聞くと、お姉さんの気持ちをちゃんと受け止めていなかったことに気づきます。「聴く」ことの大切さを改めて感じたという先生のコラムです。

出典:あんふぁんWeb

「妹ばっかり!」とお姉ちゃんが言わなくなった理由は?(写真はイメージ)

長女が言い始めた、「ズルい!」という言葉

前回私は「ドッジボールだった会話が、心を癒して優しいキャッチボールに!」というテーマで書かせていただきました。

今回の話の始まりは、まさにドッジボールのような会話から。お迎えに行った車内。お互いに疲れている中、ちょっとした会話から「〜ちゃんよりも私ばっかり怒られる」「また、私ばっかり!!」「ズルい!」と小1の長女がものすごい勢いで怒ります。私は「今日も頑張ったね!」と言い合いたいのに。笑い合いたいのに。会話のドッジボールを繰り広げた後、ため息をつきながら、モヤモヤとした思いを抱えて自宅に到着。後ろを振り返ると潤んだ目の長女。最近こういうことばかり。どうしようかと考えているうちに、また同じ状況になってしまう。

一度、立ち止まってみよう

私は、優しい会話のキャッチボールを笑顔でしたい。そのためには、今の長女には、一度立ち止まって思いを「聴く」ことが必要だと感じました。そこで、休みの日に、私も長女も気持ちが落ち着いている時に、長女に話しかけました。

「ねえ?最近ズルい、とよく言っているけど、ママ、そのことをお話ししたいな」怒られると思ったのか、かなり嫌そうな顔をされました。でも、仕方ないなという表情に変わり、私に抱きついてきました。要約すると、「自分は来てもらえなかった園の行事があった。でも妹はママの仕事の都合がついて来てもらえた。ズルい。」という話でした。これは、半年以上前のことで、その時に話をして納得していたはずでした。でも、これは私が納得してくれたと思い込んでいただけで、長女は、何かある度に「妹は見てもらえた」「自分だって見て欲しかった」「ズルい」という気持ちを思い出し、切なくなっていたということでした。

真っ直ぐ、長女の思いを「聴く」

ぽろぽろこぼれる涙を見て胸が締め付けられそうになりました。「ママはお仕事だった、って分かってるんだけど…」と言いながらも、またぽろぽろ。「そっか。ずっとそれを抱えていたんだね。苦しかったね。ずっと切なかったんだね。吐き出してくれて、ありがとう。ママはたまたまお仕事の都合がつかなかったんだけど、来て欲しかったんだよね」言葉が出せず首を必死に上下に動かす長女が愛おしくて、抱きしめました。私は、ちゃんとわかっていなかったんだ、聴けていなかったんだ、と気付かされました。

その後も話をしましたが、当時、私が楽しく誇りをもって教員の仕事をしていることを長女は知っていたので、仕事で行けなかったことについては何も言いませんでした。それよりも「わかってほしかった」という気持ちがあったのだと、教えてくれました。そのこともあって、私は「行けなくてごめんね」よりも「話してくれてありがとう」という言葉を選びました。

「聴く」を大切にしていく

忙しい毎日。じっくり話を聴くことの難しさもあります。でも、一度立ち止まり、どうしてそんなボールを投げるのか、聴くことの大切さを感じました。半年以上も前のことでしたが、「私の気持ちをわかってくれた、聴いてくれた」と長女が心から感じたことで、気付けば「ズルい!」は減っていました。「そんなに前のことを?」「もう終わったと思っていた」大人にとってはそうでも、子どもの小さな心に抱えているものは、見えずとも大きなもの。これからも「聴く」を大切にしていこう。そんなことを考えながら、お迎え後の車内、笑い合う姉妹の声に、私は「何話してたの?」と笑顔で聞くのでした。

この記事を書いたのは
出典:あんふぁんWeb

■りな先生

りな先生こと平野里那(ひらのりな)。元小学校教諭。小1、年中の姉妹のママ。4年半の育休後、高学年を担任しながら家族も大切にして人生を楽しめるママ先生として過ごし、Instagram(@rina_mama_sensei)にて仕事と家庭の両立のコツを発信。現職中に「先生がママ先生になったら読む本」を共著で出版。読売新聞「♯30代の挑戦」掲載。現在は300人を超える「ママ先生の会」を運営しつつ、ママ先生、ワーママを対象にコーチングを軸においたスクールを経営。

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