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Night Tempoが新作アルバム『Connection』をリリース、音楽で紡ぐ過去と今の“繋がり”

  • 2024.9.7

日本の昭和歌謡やシティポップの再熱ブームを築いたプロデューサー/DJのNight Tempoが、ELLEgirlに再び登場! 今年10月には「コーチ」とELLEgirlのコラボイベントにも出演し、スペシャルライブをお届け予定。イベントに先駆けて、この秋リリースされる新作ローファイアルバム『Connection』の魅力について語ってもらった。

――新作ローファイアルバム『Connection』のインスピレーション源は?

今回のアルバムは、2020年1月にリリースしたアルバム『Concentration』の続編という立ち位置です。1980~90年代の日本、韓国、台湾、香港といった東北アジアの情景を音で表現したアルバムになっています。ローファイアルバムではありますが、前回と違って歌やラップの要素も入れました。

日本、韓国、台湾、香港は、国は違えど似たような服を着来ている人が多くて、そこに面白さを感じたのがきっかけです。例えば日本や韓国に香港の繁華街と似たような景色があったり、その逆もある。香港のウォン・カーウァイ監督の映画は東北アジアの各国でも流行っていたし、登場人物のファッションの真似もみんなしていましたよね。「使う言語も顔つきも少しずつ違うのに、なぜやっていることが似ているんだろう」とふと思ったんです。これまでの歴史やルーツについていろいろと調べましたね。

――アルバムのテーマを“繋がり”にした理由は?

過去(歴史)と今の繋がりだけではなく、人と人の繋がりにも着目しました。新型コロナウイルスが流行っていたころは、物理的に人との距離が遠くなってしまいましたが、それでも小泉今日子さんや野宮真貴さんと仕事でご一緒できたことが印象的で。離れていても一緒に作業をして好きなことを追求できたことに、不思議な繋がりを感じていたんです。それもあって、文化、人、歴史など色々なものが見えない線で繋がっていることを改めて実感して、今回のアルバムを構成することになりました。

今までは何かに対して運命を感じたことはなかったのですが、自分の人生が良い意味で予想外に進み、やりたいことを実現できるようになってからは少しだけ信じてみるようになったことも大きいですね。フジロックのような大舞台で楽曲を披露できたりと、趣味だったことが職業に変わった瞬間が確かにあって、もしかしたらその瞬間が今回のアルバムを作るきっかけになったのかもしれません。

ELLEgirl

――アルバムの構成で工夫した点は?

前作よりもバラエティに富んだ作品になったと思います。今回は読書体験のような構成を意識していて、一番最初の「フォアワード」という楽曲は序章のような立ち位置。曲順にもストーリーテリングがあって、時間や風景、人間の繋がりをイメージした楽曲が並び、最後はエラーページの名称「404」というトラックで締めくくります。

――南野陽子さんとは初の取り組みですが、起用に至った理由は?

番組で知り合ったのがきっかけです。南野さんは俳優としてのキャリアがとても長いので、まずはナレーションの演技をお願いしたかったんです。今回は「レインフォレスト」という楽曲で、トレンディドラマのようなセリフをお願いしました。

――土岐麻子さんや広末涼子さんなど豪華アーティストが今回も参加されていますが、それぞれの楽曲の聴きどころは?

土岐麻子さんが参加された楽曲「リル・ビット」はもともと提供予定で、1年以上あたためていたんです。ですが過去と今の繋がりにフォーカスした歌詞になっていて、今回のアルバムのテーマとリンクしていたので先行配信楽曲としました。

広末涼子さん参加の「ディープ・ブレス」では、オムニバスの短編映画のような楽曲に仕上げたかったので、本人には「誰かになり切って演じてください」とだけ注文しました。演技の内容に意味は持たせず、何者かになり切って演じることに重きを置いたユニークな楽曲になっています。

――レコーディングで印象に残っていることは?

レコーディング自体は皆さんとの仲もあり、スムーズに終えられました。今回「トゥルース?」と「サンセット・イン・トーキョー」という楽曲には、ギターとベースが参加しているのですが、その2人が実は友人なんです(笑) 僕が約7年前に初めて来日したときになぜか仲良くなって、そのまま続いています。一緒に高円寺を散歩したり、中国旅行をしたこともあります。これもまた不思議な繋がりですよね。

――4月から東京生活を送られていますが、実際に過ごしてみていかがですか?

物価が安くて生活しやすいです(笑) 大好きなキノコやお豆腐が安くてびっくりしています。あとは大好きな喫茶店にたくさん行っていて、東京にある大体のお店は制覇したと思います。喫茶店ではゆっくり休んだり、アイデアを練るときに使いますね。最近は新宿御苑にある騎士道という喫茶店がお気に入り。一番リピートしている喫茶店は、新宿のらんぶるです。

――今年中にチャレンジしたいことや目標は?

直近の目標はアメリカツアーから、無事に生きて帰ってくること(笑) チャレンジしたいことは、展示ですね。自分で映像や写真を撮って、音楽や空間を演出する展示をずっとやりたいと思っています。今年中か来年頭くらいになんとかできたらいいですね。

――10月5日(土)には「コーチ」×「エル・ガール」のイベントではスペシャルライブを実施予定ですね。

今回のスペシャルライブでは、アルバムにもご参加いただいた竹内美宥さんをはじめ、新井ひとみさんや、僕が率いるレトロ・ポップ・ユニット、FANCYLABOが参加します。皆さんアイドルを経験していて、ファッショナブルで、僕よりも若い方ばかり。僕の好きなレトロな世界観を、彼女たちのフィルターを通して可愛くおしゃれに表現できたらいいなと思っています。きっと素敵な時間になると思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです!

スペシャルライブの詳細・応募方法はこちら

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アルバム『Connection』は、「繋がり」をテーマに80年代~90年代の日本、そして韓国・台湾・香港といった東北アジアの情景を音で表現したインスト楽曲中心の作品。アルバムに参加しているアーティストは、土岐麻子の他に南野陽子、広末涼子、竹内美宥、中園亜美といった彼と繋がりを持つ女性アーティストばかり。本作アルバムのジャケット・イラストを描いているのは「カノジョは今日もかたづかない」「機動戦士ガンダムバンディエラ 」「スローモーションをもう一度」を手掛ける漫画家の加納梨衣。『Concentration』のジャケットも手掛け、Night Tempoが2021年に発売したメジャー1stアルバム『Ladies In The City』以来のタッグ。2024年9月18日(水)に配信アルバム、10月23日(水)にCDアルバムとしてリリース予定。

photo : CEDRIC DIRADOUIAN

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