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「不登校」というワードに感じる違和感。背景の本質を見抜いてほしい

  • 2024.9.7

最近よくテレビのニュースや新聞で「不登校全国最多」や「不登校急増」など沢山の「不登校」というワードを使った報道を聞いたり見たりするのですがそれは正直、いかがなものかと私は思います。
なぜ私がそこまで「不登校」というワードに違和感や嫌悪感を持ってしまうかというと、私自身が実際に中学時代に不登校を経験しているからです。「不登校」というたった3文字で「学校に通えない子」を一括りにしてしまうのは違和感を感じます。

まず、メディアが報じる「不登校」という3文字でどれだけ傷つく子がいるのかを知ってほしいです。「学校に行きたくてもいじめがあるから行きたくない」や「学校に行きたいけど朝が起きられない(いわゆる起立性調節障害)」など。理由はもっと沢山あるでしょう。学校に通えなくなるには必ず原因と理由があります。

不登校になる生徒さんのなかには「なんとなく学校に行きたくない」と強がる子もいるでしょう。ですがその「なんとなく」の本質を見抜くことが大切です。

◎ ◎

そして実際に私が中学時代に学校に通えなくなったのには理由がありました。
それは言葉や文字にするのも躊躇うようないじめでした。
中学1年生の時(当時12歳前後)に部活動でのいじめやクラスでのいじめを受けており、なんとか、いじめや嫌がらせに向き合いながら我慢に我慢を重ねて学校に通っていましたが、ついに限界を感じて胃を痛めて高熱を出し食べた物を吐き続けて学校を4日ほど休みました。体重も30キロを切りました。

やっと体調が落ち着き学校に行くと「不登校が来たぞ」、「ずる休み!」「あいつは仮病だ」などと沢山言われました。私のことを心から心配してくれていた女の子の友だちもいたのですがクラスメイトからの心ない言葉に私はひたすら傷つきました。

だからこそ私は「不登校」、「ずる休み」、「仮病」、「ひきこもり」、「登校拒否」などこの手の類の言葉が本当に得意ではありません。「不登校」というたった3文字を簡単に使ったり言葉にするのを控えてほしいと思う気持ちが強いです。

こんなに頑張って頑張って学校に来ているのにどうしてみんなわかってくれないんだ!
私は不登校なんかじゃない!私はずる休みなんかじゃない!仮病じゃない!ほんとに辛いんだ!こんな気持ちを抱えながら生活をしていると蛋白が下りたり、生理が止まったり、胃の不快感から吐き気を催したり、食欲不振になり顔が青白くなったり、いろんなことがありました。

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今の私はなぜあの時、あんなに頑張って学校に行っていたのか不思議に思う時が多々あります。当時の自分は中学生で「無理をしない」ということを知りませんでした。

ですが義務教育というのは中々に難しいものです。きっと学校の先生は立場上「学校に来てください」とか「あんなのに負けないでください」とかご家族は「お願いだから学校に行って!」とか「学生は学校に行くのが仕事なの!」とか仰る方もいるんじゃないかな。
だけどそれが余計に学校に行けない子の心とからだを追い詰めることになる、ということを理解していただきたいです。

当事者のご両親やご家族並びに学校関係者の方々からすれば難しいとは思いますが、「辛かったら学校なんか行かなくていいよ」とか「学校なんて身を削ってまで行くようなところじゃないよ」とか「◯◯が元気ならそれでいいんだよ」といっぱい、いっぱい伝えてあげてほしいです。

◎ ◎

そして最後に「不登校」という言葉を私自身が使うのは大変心苦しいのですが、不登校の経験がある、不登校だった私だからこそ伝えていきたいことがあります。
それは私が大学在学中にお世話になっていた教授からのお言葉でもあるのですが、「辛くない場所があれば生きていける」です。
例えば、好きなものや好きなことをできる場所があること。
好きなことをこれが好きだと伝えられる友人や信頼できる人がいること。
辛かったことを素直に辛かったんだと話せる人がいること。環境があること。

当たり前かもしれないけれどこれが思春期の私には難しかった。
だからこそ、「学校」や「家庭」以外で安心できる居場所を見つけていってほしいです。
趣味を通して輪が広がって一生の友だちに出逢えることもあるかもしれない。
生きていれば壁にぶち当たることもきっとある。だけど必ず助けてくれる人もいる。

「好き」な気持ち、「推し」からもらえる、やさしさや強さを栄養にして、一日一日を大切に過ごしてほしいです。

■篠原れもんのプロフィール
小学生の頃から本を読むこと、文章を書くことがとても好きです。
好きな場所は本屋さん。
好きな季節は夏。
ゆるやかに生きています。

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