出迎えは気まぐれ派。【〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子による、保護猫・えいたと暮らす日常。 vol.59】

先住ねこのまこの時代から受け継がれている、帰宅時の出迎え。まこはいつだって、食餌中ですら食べるのを止めて、階段を走り降りて来てくれたけれど、えいたはどうやら、お腹の減り具合に合わせて対応を変えているようだ。

ぺこぺこだと、「待ってたよ！ おかえり！」と言わんばかりに何度も立ち上がって熱烈歓迎するのだが、ちょっと空いているぐらいだと、土間まで降りずに、フローリングから「おつかれさま」とすました顔で私を見上げる。それほど減っていないときは、「あれ、帰ってきたの？」と階上からちらっとのぞくだけだ。たらふく食べたあとなんか、気配すら見せない。私が玄関から「えいたー！ 帰ってきたよー迎えに来てー！」と何度も叫ぶ羽目になってしまう。

えいた

ファッションブランド〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子さんと暮らすえいた。ハンサムな名前の由来は永代橋（えいたいばし）の近くでコールタールまみれになって遊んでいるところを保護されたことから。空気は読めないと、ボランティアの方からもお墨付き。すでに壮年猫なのに相変わらずやんちゃで食いしん坊。趣味で段ボールアートを作ったり、上腕二頭筋を鍛えてみたり……。以前本誌で連載していた『まこという名の不思議顔のねこ』に登場していたまこは姉猫。兄猫しろたろとまことの暮らしを経て、現在は妹猫にんにんと同居中。本誌2022年5月号にて、わたなべとしふみさんによるえいたの紹介イラストを掲載しています。