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朝起きると、隣で寝ていた妻は息をしていなかった。突然妻を亡くし、シングルファザーになった夫が息子と前に進むまで

  • 2024.9.6

今いつも通りすごしている人でも、明日も元気だとは限らない。当たり前の日常を突然失ってしまったとき、あなたならどうするだろうか。

『私がシングルファザーになった日』(りゅーちゃんねる:作、きむらかずよ:漫画/KADOKAWA)では、突然妻を亡くした夫・りゅーちゃんねるさんの実話が描かれている。妻のえいこさんが倒れ、救急搬送されたのは8月の朝だった。ベッドから落ちた妻が呼吸をしていないことに気づき、隣に住む義家族の力を借りて応急処置をする。しかし、病院に搬送されて3週間眠り続けたえいこさんは、二度と目を覚ますことはなかった…。

突然妻を失ってしまったりゅーちゃんねるさんは、2歳の息子・そうまくんを1人で育てることになった。崩れ落ちた日常と向き合う絶望は、想像することもできない。妻を亡くしたりゅーちゃんねるさんはもちろん、娘を、妹を亡くしたえいこさんの家族も深く傷つき、後悔と悲しみに暮れ続けていた。

「妻を検査に行かせていれば…」「もっと娘を褒めてやれば良かった」「もっと早く気づいてあげられれば」それぞれの後悔は止むことなく、心を蝕んでいく。昨日まで元気に見えた身近な人が突然亡くなったら、きっと誰もが同じように過去の自分を恨むだろう。だからこそ、いざというとき後悔しないよう、伝えられるときに愛を言葉にするのが大切なのだと思い知らされる。

本作では、えいこさんが倒れてからの出来事と共に、幸せだった日常を柔らかく振り返っていく。愛する人の死という絶望を経験したからこそ、りゅーちゃんねるさんが積み重ねてきたえいこさんとの日々がどれだけ愛しく特別なものだったのかが痛いほど伝わってくる。

絶望に押しつぶされそうだったりゅーちゃんねるさんたちだったが、息子のそうまくんの存在が希望となり、少しずつえいこさんの死と向き合えるように。そして、ある日見たYouTube動画がきっかけで、シングルファザーの日常を投稿しはじめる。同じ境遇の人たちからの励ましのコメントに癒やされ、前を向けるようになったりゅーちゃんねるさん。現在では6歳になった息子との生活を撮り続け、YouTubeで発信し続けている。

本作では、かけがえのない「普通の日常」を生きることの大切さを教えてもらえる。突然来るかもしれない別れに後悔しないよう、毎日を大事に生きていきたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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