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【吉田羊さんインタビュー】 「秋から訪れる、新しい出会いと環境にワクワクしています」

  • 2024.9.6

吉田羊さんにとってファッションは、〝自分を楽しむためのツール〟。

「ときにはカッコよく、ときには可愛く、ときにはユニークに……。飽きっぽい私には、気分に合わせて替えられるファッションは欠かせない存在です」

その時々で自分が惹かれるおしゃれを楽しんでいる羊さんが、いま気になっているのが、鮮やかな色のアイテム。

「スタイリストのふくしまアヤさんがいつも明るい色の服を着ていて、会うたびに元気をもらえるんです。いままではモノトーンの服が多かったのですが、明るい色は周囲にもハッピーオーラを届ける、まさにビタミンカラーなのだと気付いて。いま、わが家のクローゼットの色味が少しずつ明るくなっています(笑)」

最近では、お気に入りブランドのひとつ「suzuki takayuki」でも、きれいな色のシャツワンピースを購入。「既に白と黒も持っていたのですが、新色のラベンダーと黄緑も色違いで買いました(笑)。私は2月生まれで誕生石がアメジストなので、紫やラベンダーにより目がいくように。年を重ねて、気になる肌のくすみを色の力を借りてトーンアップしようという気持ちもあるのかも」

10月号の特集は「50代の心をくすぐるおしゃれと暮らしの銘品リスト」ですが、最近になって仲間入りした「銘品」のひとつが、ブルーライトと紫外線をカットしてくれるサングラスだそう。

「先日、大泉洋さんが素敵なサングラスをかけていたんです。芸能人ですね〜なんてからかったら、『羊ちゃん、人間の目は紫外線やブルーライトで日々ダメージを受けているから、常にサングラスをしたほうがいいんだよ』と。わかりました、と同じものを買おうとしたら、大泉さんがプレゼントしてくださって。外出時はなるべくかけるようにしています」

何度も共演し、盟友ともいえる大泉さんとは9月21日放送のドラマ『終りに見た街』でも夫婦役を演じることに。原作は山田太一さんの小説で、3度目のドラマ化となる今作では、脚本を宮藤官九郎さんが手がけることも話題になっています。

「令和の時代に生きる主人公とその家族が、戦時下の昭和19年にタイムスリップするストーリー。山田さんご自身が戦争体験者なので、原作には当時の混乱や狂気がリアルに描写されていて。
そこに宮藤さんらしいユーモアと現代的な感覚が加わり、新しい形のリアルが生まれている印象でした。来年で終戦から80年が経ち、戦争を知らない世代ばかりになったいま、私たちには語り継いでいく責任がある、と私自身も肝に銘じています」

テーマは異なりますが、〝クドカンドラマ〟への出演は、今年1月の『不適切にもほどがある!』に続いて2回目。

「宮藤さんの作品って、どれも〝半径30cm以内〟に持ってきてくれる感じがするんですよね。登場人物は変わっているけれど身近で親しみやすいし、翌日にはドラマのセリフを言ってみたくなる。フィクションだけど現実と地続きで、気付けば自分もドラマの中にいるような感覚になるのが魅力のひとつだと思います」

一方、8月に配信が始まった『恋愛バトルロワイヤル』は、男女交際禁止の校則が制定された高校が舞台の学園ドラマ。羊さんは、厳しい校則に立ち向かう主人公の母、有沢千尋を演じています。

「少なくとも私は、学生時代は〝校則は守るもの〟と思っていたし、生徒の声で校則が変わるなんて考えもしなかった。でもこの作品では、子どもたちが疑問を持って、自ら行動を起こすところが面白い。個人の生き方が尊重されるいまだからこそ生まれた物語でしょうし、現状に違和感を覚える人の背中を押してくれる作品になるのではないでしょうか」

実際の出来事に着想を得て、〝Z世代〟の恋愛観をリサーチして反映させたという本作。大人世代が、若者の価値観を知るためのヒントにもなりそうです。

「子どもたちの話であると同時に、親たちの話でもあるんですよね。わが子が道に迷ったときに、大人の尺度で諭すのではなく、子どもの言葉に耳を傾けて一緒に考える。その時間こそが大切だと投げかけている作品なので、ぜひご自身を投影しながら楽しんでいただけたら」

ドラマに舞台に……と大忙しだった羊さんの2024年。後半も「新しい出会いと環境が待っている予定」だそう。

「いまはわくわくしながら準備をしていて、休日もそのことで頭がいっぱい。『自分はワーカホリックだから』と休みを作らないのは良くないと思いつつも、素敵な役や面白い作品の話をいただくと、どうしてもチャレンジしたくなってしまうんです」

羊さんの新たな挑戦をどんな形で見られるのか、いまから期待が膨らみます。

YOH YOSHIDA
福岡県生まれ。1997年より、舞台を中心に活動開始。2012年に連続テレビ小説『純と愛』、2014年にドラマ『HERO』に出演し、注目を集める。近作にドラマ『侵入者たちの晩餐』『不適切にもほどがある!』『光る君へ』、映画『ハピネス』、舞台『ハムレットQ1』など。アンティーク着物をテーマにしたフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』も好評。ドラマ『終りに見た街』が9月21日にテレビ朝日系で放送。ドラマ『恋愛バトルロワイヤル』は現在Netflixで配信中。

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大人のおしゃれ手帖2024年10月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

撮影/枦木功[nomadica] スタイリング/石井あすか ヘアメイク/福沢京子 文/工藤花衣

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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