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ツアーの出場選手人数って見たことある?その試合の歴史や文化、方向性もわかる

  • 2024.9.6

ハローエブリバディ! 日が長く、日没が遅い今の時季を大喜びするゴルファーがいる。それは〝選手たち〞だ。6月第3週、男子ツアーは「Japan Players Championship by サトウ食品」、女子ツアーは「アース・モンダミンカップ」が開催されたが「156&144」の数字が何かおわかりだろうか。答えは〝出場選手人数〞だ。

出場選手人数の内訳を見る≫その試合の歴史や文化、方向性も見えてくる

米国ではフィールドサイズと表されるが、試合の格式や伝統を表す数字でもあり、メジャー大会を例にあげると、歴史伝統の「全英オープン」、世界最強の「全米オープン」は現行のトーナメントでは最多出場選手枠の〝156〞名を誇る。

〝オープン〞とは、誰でも(アマ、プロ、国籍、性別を問わず)参加できることを意味しているから出場選手も多い。

米国プロゴルフ協会が主催する「全米プロ」も〝156〞名だが、1916年から続く歴史ある大会は、ゴルフ職人ナンバー1を決める戦い。

ツアープロ以外に米国プロゴルフ協会の会員で、ゴルフ場で働いたりレッスン業務をこなしたり、ゴルフ場経営など数多くの業種で働く〝クラブプロ〞と呼ばれるプロたち20名も出場する。

2023年度の全米プロ15位タイと大活躍したマイケル・ブロック選手は、ゴルフ場で働くクラブプロだった。

そして「マスターズ」は、1934年に招待試合としてはじまり、出場選手人数は決まっていないが、例年100人以下で行なわれていて、ちなみに今年は〝89〞名が出場した。話を日本の6月第3週に戻す。

「選手が大喜びする」の意味だが、試合に出場できるチャンスが広がるということ。試合に出場するには予選会を上位で通過してくる必要があるが、男子ツアー60名、女子ツアー50名ほどのシード選手、過去の優勝者や主催者推薦枠(出場者人数の男子約15%・女子約20%)がいて、予選会から出場できる機会は少ない。

とくに日本の男女ツアーの主催者推薦枠は異常な数字。フェアであるべきスポーツなのにスタートラインが一直線ではないのが、日本のプロゴルフの現状なのだ。

そんななか、6月第3週の男子ツアー「Japan Players Championship by サトウ食品」は主催が日本男子ツアーの選手会で、主催者推薦枠はたったの5名のみ。予選会を勝ち抜いてきた選手たちにとっては一発逆転の下剋上。

日本版のアメリカンドリーム的な試合で、実際に終盤まで優勝争いに加わり、夢をつかみそうだった選手が数人いた。

ただ単にプロの試合を見るだけでなく、フィールドサイズ(出場選手人数)の内訳も気にしながら観ると、その試合の歴史や文化、方向性が見えてくることもある。

タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。

イラスト=北沢夕芸

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