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スカートを履くのが怖い… 幼少期に性被害を受け「女性らしさ恐怖症」になった女性の物語

  • 2024.9.5

※本記事には不快感を伴う内容を含みます。ご了承の上、お読みください

「はちみつコミックエッセイ」より刊行の『スカートの呪いが解けるまで』(魚田コットン/オーバーラップ)は、著者の魚田コットンさんが受けた性被害について、被害に遭ったことで自己否定をし続けていた自分と向き合うまでを赤裸々に綴ったノンフィクション作品だ。本書は、性被害の恐怖と、それにより生じた「女性らしさ恐怖症」に苦しむ著者の心の軌跡を描いている。

著者は幼い頃に受けた性被害により、スカートを履くことに強い恐怖を感じるようになり、「女性らしさ」そのものを拒絶するようになった。元々お人形遊びも、女性らしい服装も嫌いだったが、性被害をきっかけに、男性から女性として見られることに強い嫌悪感を持ってしまう。自分が男性からどう見られているかが気になりすぎて、自分がどうしたいのか、何が好きなのかも分からなくなってしまった。汚された自分は、何をしても汚れたままだと自己肯定感を失ってしまった彼女が、自分自身と真摯に向き合い、トラウマを乗り越えていく過程が克明に記されている。

この作品は、性被害がサバイバーの人生に長期的な影を落とす現実が描かれている。男性との関係構築の難しさ、友人や家族との関わり方、恋愛面での生きづらさなど、様々な場面での困難が赤裸々に綴られている。

『スカートの呪いが解けるまで』は単なる自伝的エッセイにとどまらず、性被害者が直面する心理的影響や社会的生きづらさを如実に描き出すことで、重要な問題提起を行っている。著者の体験を通じて、性被害への理解と支援の必要性を読者に強く訴えかけている。

読者は著者の経験を通して、子どもの友人や、身近な家族が被害者や加害者にならないように、性被害への理解を深めるきっかけを得るだろう。この本が、被害者の心の傷を癒やす一方で、加害者をつくらない抑止力となることを願ってやまない。

文=ネゴト/ニャム

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