1. トップ
  2. 恋愛
  3. 最短かつ最強のメソッドは? 眠っているポテンシャルの引き出し方

最短かつ最強のメソッドは? 眠っているポテンシャルの引き出し方

  • 2024.9.5

自分のことは自分がいちばん分かっているようで意外と分かっていないもの。ポテンシャルに気づき、高めるには、まず自分を知ることが大事。その理由や、向き合い方を識者たちが指南。

誰にでもできる、ポテンシャルの気づき方と高め方。

「自分を知ること」ってなぜ大事なの?

「自分のことを知らないのは、鏡を見ずにメイクするようなもの」と話すのは、公認心理師の橋本翔太さん。

「鏡を見ないでメイクしたらとんでもない仕上がりになりますよね? 自分の顔の造形や特徴を知っているから似合うメイクができる。これと全く同じで、自分を知る=自分の心の特徴を理解すれば、現実や人生をより良くすることができるんです」

強み発掘コンサルタントの土谷愛さんも、自分を知ることは、人生を楽しいものにするために必要不可欠だと語る。

「人生は選択の連続。どんな選択においても、それが自分にとって居心地の良い条件なのか、そうでないかが事前に分かっていれば最初から前者を選びやすくなり、日々をご機嫌に楽しく過ごせるようになります。自分がありのまま過ごせる環境に身を置けば、何事も継続しやすくなり、成果にも結びつきやすくなるので、自分が望む人生を歩めるようになります」

一方で、「自分を深く知るためには、不得意なことに目を向けることも時には必要です」と、心理テスト研究家の津田秀樹さん。

「今の自分は、過去の積み重ねでできている部分が大きいが、人が経験できることは限られているし、年を重ねると得意なことにしか興味を持たなくなりがち。しかし、時には自分らしくないこと、やったことがないことにも挑戦すると、自分でも知らなかった新たな一面を発見できます。それが自分の可能性を大きく広げることに繋がります」

自分と向き合うことって難しい…そんな人のためのファーストアクションは?

自分を知ることが大事とはいえ、そもそもどう向き合えばよいのか分からない人も多い。

「まずは、その時に湧き上がってきた感情に寄り添ってあげるだけでOK。たとえば気分が落ち込んだ時は、自分に向かって『どうしたの?』『しんどいよね~』『大丈夫だよ!』など、友達を励ます時に声をかけるように、自分で自分に優しく声をかけてあげましょう。心理学用語で『メタ認知』という言葉があるのですが、自分の感情を一歩引いた場所から客観的に観察することで、自分を理解することをいいます。日ごろから自分の感情を気にかけてあげるクセをつけておくと、その時の状況を冷静かつ的確に捉えられるようになり、様々な感情に流されずに自分の解像度を高めることができます」(橋本さん)

ポテンシャルって誰にでもあるの?

将来性があることや成長の可能性があることを指すポテンシャル(潜在能力)。自分ではまだ気づいていない能力が、自分の中に本当に眠っているのか気になっている人も多い。

「ポテンシャルは、強みになりうる自分の特徴といえる能力のことで、誰にでもあると思っています。今は弱みやネガティブにしか思えない特徴であっても、それをどうにか活かすことができれば強みになる。強みと弱みは表裏一体で、その特徴を活かせるか、活かせないかで変わってきます。だからまずはその自分の特徴に気づき、どうしたらそれを強みに変えることができるか、自分と向き合って多角的な視点で考えることで、ポテンシャルは引き出されると思っています」(土谷さん)

「ポテンシャルって、自分の可能性を表すものですが、実は悲しみや苦しみと一緒に抑圧されているから見えにくいんです。ネガティブな感情には蓋をして、ポテンシャルだけを都合よく引き上げることはできない。だからその自分の中にあるネガティブな感情も受け止めてあげると、ポテンシャルも少しずつ表に出始めるはずです」(橋本さん)

「そう、ポテンシャルが眠っているのには、それなりの理由がある。自分の力だけで引き出すのが難しい場合は、外部の刺激を加えてみるのもあり。たとえば生活や職場の環境を変えてみたり、新しいコミュニティを持ったりと、自分に揺さぶりをかけると眠っていたものが目覚めやすくなります」(津田さん)

どうしても自分の弱みばかりにフォーカスしてしまう…。

強みと弱みは表裏一体だとしても、自分の弱みばかりに目が行ってしまうのはなぜか。

「それはその人自身が望んで、弱みを見たがっている状況を作ってしまっているから。弱みを盾にすることにメリットを感じてクセになってしまっているんです。たとえば好きな人と付き合いたいけれど、『私なんか不釣り合いだ』と自分の気持ちに保険をかけて告白しなければ、振られて傷つかずに済むじゃないですか。弱みにフォーカスするのは、自分を守るための防衛反応でもありますが、それでは目的は達成できない。だから弱みばかりに目が行く時は、自分を守るために弱みをとるか、目的を達成するために勇気を持って弱みを切り捨てるのか、本当に得たいものは何かを考えることが大事です」(土谷さん)

ポテンシャルを引き出すための具体的なアクションは?

「今日できたことを5つ書くことを、まずは1週間続けてみてください。特に自分の弱みばかりに目が行きがちな人にはとてもおすすめのアクションです。朝ちゃんと起きられたとか、人に優しくできたなど小さなことでも、毎日同じことでもOK。書くことで自分を客観的に見ることができ、今の自分を肯定できるようになります。さらに書いたことを見返すことで、自分の傾向に気づきやすくなり、そこからポテンシャルの種を発見することができるかもしれません」(土谷さん)

「先ほども伝えたようにポテンシャルは、ネガティブな感情と一緒に抑圧されている場合があるので、まずは、自分が自分のいちばんの親友になってあげてください。怒りや悲しみなどどんな感情も否定しないことが、引き出す第一歩。どんな時も自分の感情に寄り添ってあげると、心があなたをより信頼し、我慢をしなくなります」(橋本さん)

眠っているポテンシャルを引き出すためには、自分自身が、自分の良き理解者になってあげることが最短かつ最強のメソッド!

自分を知り、高めるために心理テストはなぜ役に立つ?

「結果を知るのが心理テストの醍醐味かつ楽しさですが、実はそもそも次々と投げかけられる問いに直感で答えていくその過程で、自分の考え方の傾向や、自分の価値観の変化に気づくことができるので、自己理解を深めるよいツールになります」(土谷さん)

「海産物のホヤは、安定した環境を得て“考える”必要がなくなると自分で自分の脳を食べます。しかし私たちは環境が激変することもあるので常に柔軟性を持って、今の価値観からはみ出そうとしたり、自分自身の可能性を広げる努力が必要です。そのツールとして使えるのが心理テスト。テーマの異なる様々な心理テストを試すほど、自分のことが少しずつ分かるので、ポテンシャルや多面性を発見するきっかけになります。たとえ思っていたものと違う結果が出ても、そんな自分もいると受け入れることで、視野が広がり、可能性を拡張することができます」(津田さん)

心理テストは、その時の自分の気分や状況で結果が変わってくることもあるので、自分の変化に気づくために繰り返し行うのも有効。

橋本翔太さん 公認心理師、音楽療法家、作家。埼玉大学で音楽教育学を、同大学院で学校臨床心理学を専修。YouTube登録者は19万人を超える。「人生リノベーション学校」運営。近著『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(サンマーク出版)がベストセラーに。

土谷 愛さん 強み発掘コンサルタント、マイディアル代表取締役。社会人が適職を見つける自己分析や、強みを活かす転職・副業・起業などをテーマに自社メディア・eラーニング講座を運営。執筆や講演活動も行う。著書に『自分を知る練習 人生から不安が消える魔法の自己分析』(青春出版社)など。

津田秀樹さん 心理テスト研究家。『傷つかない&傷つけない会話術』(マガジンハウス、共著)、『迷いがなくなる心理学 人生のサンタク』(PHP研究所)、『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』(アスコム、共著)など著書多数。

※『anan』2024年9月11日号より。イラスト・ぬQ 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる