テイラー・スウィフトのファンがカマラ・ハリスを応援する理由。「Swifties for Kamala」が始動【米大統領選2024】

テイラー・スウィフトに対するヘイトを少しでもインターネット上で呟いたことがあれば、彼女を守ろうとするファンたちの力強さを知っていることだろう。

「スウィフティー」と呼ばれるテイラー・スウィフトのファンたちは、チケットマスターにシステム障害を起こすほどの圧倒的な情熱と戦略的な行動で有名だ。そんなスウィフティーたちが、11月の大統領選挙に向けてカマラ・ハリスの応援に熱を注いでいる。

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「Swifties for Kamala（カマラのためのスウィフティー）」は、テイラー・スウィフトと正式には関係がないことを強調しながらも、既に15万ドル（約2000万円相当）の選挙資金を集めるなど強力なパワーを持ち始めている。最近ではキャロル・キングやエリザベス・ウォーレン上院議員、エド・マーキー上院議員らを招いて資金調達と投票を呼びかける初のオンライン会議も行った。

『VOGUE』は、「Swifties for Kamala」の共同設立者で初めて今回選挙ボランティアに参加したというエメラルド・メドラノと、メンバーで激戦州の有権者であるカーリー・ロングの2人にインタビュー。

選挙運動への参加を決めた動機の背景、スウィフティーたちと政治運動の重なり、そしてトランプ元大統領の再戦を阻止することの重要性について話を聞いた。

V：今回、選挙運動に参加しようと思ったきっかけは？

エメラルド・メドラノ（22歳、Swifties for Kamalaの共同創設者兼会長）：変な言い方だけど、今回の選挙で私が行動するきっかけとなったのは、恐怖心でした。何が起ころうとも、私は11月にカマラが第47代米国大統領になれるよう全力を尽くした、という気持ちで選挙シーズン終えたいです。後悔しながら生きたくはないですし、すべての人間を平等に扱わない国に住みたくありません。アメリカには輝かしい未来があり、カマラはそれを実現してくれると信じています。

カーリー・ロング（25歳、Swifties for Kamalaの広報担当）：カマラ・ハリスが候補者になったとき、私は今回の選挙に対して本物の希望を感じました。初めて何かに反対するためだけでなく、支持するための投票ができるのです。カマラは強く賢く、マイノリティの権利と安全のために闘う人。楽しくてエネルギッシュな人。カマラの選挙運動は私に誇りを与えてくれ、この国を率いる女性を選ぶ活動に参加したいと思わせてくれます！

V：テイラー・スウィフトのファンダムが政治活動に向いていると思う理由は？

メドラノ：スウィフティーたちの心地よさのおかげで、組織作りはとても楽しく、政治や投票に不慣れな人でも参加しやすくなりました。選挙運動のボランティアをするのは今回が初めてですが、スウィフティーの仲間たちと一緒だととても安心します。

このコミュニティは煌びやかで情熱的で、大好きなものへの愛を声高に叫び、その熱は最高の形で政治に反映されます。スウィフティーは、新しいことを始めるのに遅すぎることはないことも知っています。Swifties for Kamalaに参加する多くの人は、初めて投票や討論会を含めた選挙運動に参加しています。これはとてもエキサイティングで、まさに今回の選挙に必要なことです。たとえ声が震えても意思を述べることを恐れない、新しく若く新鮮な声です。

ロング：スウィフティーが発揮する力は侮れません。私たちがオンラインや対面で築いてきたコミュニティは強く深いものです。これまでもスウィフティーは、テイラーの後ろをついていくだけでなく、さまざまな形で互いに団結してきました。ですから私たちのファンダムには、組織化への意欲と基盤がすでに根付いているのです。

V：今回の選挙であなたにとって最も重要な問題は？

メドラノ：私が本当に気にかけているのは、アメリカの市民が日々の生活に余裕を持てるようになるかどうかです。私は最近22歳になり、大人として自分で請求書の処理をしたり食料品を買う年齢に差し掛かっています。カマラ・ハリスの経済政策は、私を含めた市民が経済的に安定した生活を送れる未来への希望を感じさせてくれます。もう1人の候補者であるトランプ元大統領の下では資産家や企業がさらに利する一方で、多くの中流階級や低所得のアメリカ人に苦痛と苦難をもたらす政策を実施するでしょう。

トランスジェンダーのクィアとしてテキサスに住む私の生活は、ハリスが大統領を務めることではるかに安全で幸せなものになると思います。カマラはLGBTQ＋コミュニティを心から気にかけており、私たちの権利が奪われないように守ってくれると信じています。

ロング：私にとって最も重要な問題は、すべてのアメリカ人の権利が守られることです。私たちはここで女性、有色人種、LGBTQ＋の人々の権利を守らなければなりません。トランプ元大統領はロー対ウェイド判決を覆したことを誇りにし、人種差別や同性愛嫌悪、トランスフォビア的な言動を繰り返してきました。多くの人々の安全のためにも、彼を再び権力の座に就かせるわけにはいきません。

Text: Emma Specter Adaptation: Nanami Kobayashi

From: VOGUE.COM