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優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」

  • 2024.9.5
優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」
優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」

Text by 高橋アオ

[総理大臣杯1回戦流通経済大(関東1部)1-2中京大(東海1部)、4日、宮城・みやぎ生協めぐみ野サッカー場Cグラウンド]

波乱が起きた。総理大臣杯優勝3度を誇る関東大学1部流通経済大が1-2で東海大学1部中京大に惜敗して初戦敗退が決まった。J1内定2選手、J2内定1選手を揃えた大学サッカー屈指の強豪は歯車が噛み合わなかった。

試合開始序盤は流通経済大がゲームを支配し、素早く攻守を切り替えながらシュート7本を放って中京大を圧倒した。それでも刻々と時間が経過するごとに連係ミスが目立ち始め、前半43分に痛恨の失点。

後半はJ1柏レイソル内定のMF中島舜(4年、柏U-18)、J1浦和レッズ内定のDF根本健太(4年、千葉・東京学館高)を投入して改善を図るも、悪い流れは断ち切れずに後半30分に追加点を許した。試合終了間際の同50分にロングボールから抜け出した根本が左足で追撃弾を流し込むも、あと1点が届かなかった。

200人を超える部員数が所属する同大サッカー部は激しい部内間競争を勝ち抜いた選手のみが先発の座を勝ち取れる。この日J1内定組の中島、根本は温存ではなく、コンディションや現状の実力を考慮してベンチに置かれた。競争を勝ち抜いた強者たちだったが、この日は精彩を欠く内容を見せてしまった。中野雄二監督は「誰もプロに行くレベルのプレーをしていない」とイレブンを断じた。

優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」
優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」

中野監督は「先発したセンターバックの出来が悪かった。そして根本の状態も良くなかった。責めるわけじゃないけど、2失点目前のキックミスは根本ですから、状態が良くない選手がミスしたと思います。あの2失点目さえなければ、どうにでもなったゲームだから痛すぎるミスだった」と振り返った。

この日後半16分に投入された根本は2失点目に関与したが、試合終了間際に意地の追撃弾を決めた。浦和が認める大学サッカー界屈指のセンターバックだが、この日は中野監督が指摘するように本調子から遠いプレーが散見された。

「与えられた時間で最大限できることを発揮できればと思って挑みました。0-1で負けてる途中で失点をしないで、自分がセットプレーから得点を取ってチームを勝たせるようなプレーができればと思っていました。だけど、1-2で負けてしまったことは自分の実力不足。自分の力を発揮して勝たせることができなかったことは、自分の課題だと思います」と肩を深く落とした。

優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」
優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」

全日本大学選手権(インカレ)優勝2度、総理大臣杯優勝3度、関東大学1部優勝4度の強豪は、競争が激しい関東予選(アミノバイタルカップ)を勝ち抜いて6大会ぶりの同杯出場を決めたが、2014年大会以来の4度目となる大会制覇が潰えた。

この敗戦を糧に

この日先発したJ2ファジアーノ岡山内定のMF藤井海和主将(かいと、4年、千葉・流通経済大柏高)は「自分も含め誰一人としていいプレーができていなかったことがいまの自分たちの現実です。どこかで自分たちの甘さというか、『勝てるだろう』という隙がチームにあると思いました。その中で決めきれずに1失点を決められて、焦って2点目も取られる典型的な負け方をしました。その現実を受け止めることが1番大事だと思います」とほぞを噛んだ。

優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」
優勝候補の流通経済大が中京大に1-2で初戦敗退…。J2ファジアーノ岡山内定の藤井海和主将「栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたい」

数多くのJリーグクラブから注目を受ける同大は、これまで150人以上のプロ選手を輩出してきた。指揮官は「いまのレベルでは、彼らはプロで活躍できない。こう僕に言われて彼らはどう捉えるか。OBの多くがプロで活躍している。精神面も含めて成長が必要です」とより高い水準を求めた。

イレブンもこのままでは終われない。中野監督のゲキを真摯に受け止めて、よりたくましく、諦めない強い精神を持って戦う流経らしさを選手たちは抱いている。

藤井主将が「自分の武器であるボール奪取を評価していただいて、(岡山に)スカウトしていただいたのでそこを伸ばすべきだと思います。それにプラスして攻撃の部分でも違いを出せる選手になれたらいい選手になれるのかなと思っています。もっとレベルの高い選手になって、流経のキャプテンとしてふさわしい選手になれるように頑張りたいです」と成長を誓えば、

「まずは浦和へ行く前にこのチームでインカレに出場できるリーグ順位に入りたいです。総理大臣杯で負けてしまったのはふがいない自分たちの責任ですけど、インカレに出場して応援しに来てくれる仲間、流経に関わるすべての方々のために全力を尽くしたいです。インカレで優勝することによって成長できると思うので、一つ結果を残して浦和に行きたいです」と根本。

現在関東大学1部で勝点15で12チーム中9位と苦しんでいるが、出場圏内の6位日本大との勝点は3点差につけている。藤井主将は「インカレに出られなかったら残り9試合、インカレに出れたとしてもマックス14試合で自分の流経の生活が終わるので、『何かをもたらしたい』が1番の思いです。きょうの結果から見ても、まだ泥しか塗ってない。泥じゃなくて栄光を置いていけるような選手、チームになっていきたいです」と闘志を燃やした。


大学サッカー界屈指の強豪は初戦で敗れ去ったが、この悔しさを糧にさらなる成長を遂げてリーグ戦を勝ち抜き、インカレで栄光をつかみ取ってみせる。

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