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転職もアリ? 育休から復職するときの「異動勧告」には従うしかないのか

  • 2016.3.17
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【パパからのご相談】

育休中のパパです。復職面談時に「元のポジションには戻せない。こちらが指定した部署以外には戻るところがない」と一方的に言い渡されました。

産育休に入ったママたちの話を聞いていたので、ある程度は予測していましたが、想像以上でした。

転職も視野に入れていますが、一度は会社と戦ってみるべきなのでしょうか。

●A. 戦ったところで、その会社で、ストレスなく働き続けられますか?

パパライターの矢山ユースケ@育休中です。

半年を超えるような長い育休を取得できた場合に顕著なのが、この“復職問題”です。

ご相談者さまのように、

「元のポジションに戻せないと言われた」

「育休前より低い職位や賃金を提示された」

「社内待機を命じられた」

など、育休取得者に対して不利益な条件を突きつける事業者が、残念ながらまだまだ存在するのです。

これは誠に遺憾な状況なのですが、働くママの間では過去より常態化している出来事であり、私たちパパ陣はまたひとつ、「働くママの復職とは、こんなに大変なことだったのか」と身をもって知ることになりました。

●育休取得者を元のポジションに戻すことは企業の“努力義務”

育児介護休業法では、必ずしも法律で原職での復帰が義務付けられているわけではありません。

ただ、育児休業取得後の配置その他の雇用管理等に関し、必要な措置を講ずるように努力義務を課しています。また、育児休業をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止しています。

しかし、原職への復帰が義務付けられていない以上、復職後に別の部署や職位への異動を言い渡すことも、違反ではない のです。

あくまで“努力義務”なので、「努力したができなかった」ということであれば、“仕方ない”と見ることも可能です。

とはいえ、「違法でないから」という理由で、原職復帰を果たせないような会社と戦い居残ることは、長い目で見たときにプラスになるのでしょうか。

●従業員満足なくして、顧客満足なし

企業はよく“お客様第一”と言い、顧客満足度(CS)に力を入れているとアピールします。私は常々、

「従業員がその会社や仕事に満足していなかったら、お客様を満足させることなどできるわけがない」

と考えています。つまり、

「従業員満足なくして、顧客満足なし」

ということです。

考えてもみてください。常に不満を内に抱えている人が、他人を幸せな気持ちにできますか?

もちろん、「仕事だから」とにこにこしながら接客や交渉もできるでしょう。しかし、心からの笑顔をもって対応ができるでしょうか?

不満を抱えつつ、その不満を押し込めて働くことが、メンタル面によい影響を及ぼすとも考え難いです。

そんな環境で働き続ることでたまったストレスが、本人の心身をむしばみ、さらにはママやお子さんにも悪い影響を与えてしまう可能性さえ考えられます。

そう考えると、従業員のことをきちんと考えられないような会社に、戦ってまで居残ることはないように思えます。

●育休から転職・退職をするのは必ずしも“悪”ではない

もちろん、会社にも事情はあります。半年以上も不在でいると、よほど密に連絡を取り合っていないと、内情は見えてきません。

復職前の事前面談で、原職復帰できないことへの理由や、復職・異動後のサポートなどについての説明がきちんとあり、それが納得できる内容なのであれば、復職しても問題ないでしょう。

ここでのポイントは、会社側の説明に対して“納得できるかどうか”ということです。もやもやしたまま復職することなく、すっきりした気持ちで戻れるのかどうか、です。

ご相談者さまのように、会社側から一方的に想定外の条件を突きつけられて、納得のいく結果が得られなかった場合は、転職を視野に入れてもよい と思います。

会社の制度として、「育休中の給与保障」などのサポート制度があった場合は別ですが(そのような従業員思いの会社であれば、一方的な通告などしてこないと思いますが)、そういった制度がなかったとしたら、育休中の転職や退職は、別に悪いこととは思えません。

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家庭で良いパパとして過ごすためにも、余分なストレスを感じることのない選択を心がけましょう。

【参考リンク】

・育児・介護休業法のあらまし | 厚生労働省 都道府県労働局雇用均等室(PDF)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/27a_001.pdf)

●ライター/矢山ユースケ(IT系パパライター)

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