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ダサいと言われて着なくなったフリフリの服。可愛いへの憧れは消えず

  • 2024.9.5

小さい頃からフリフリした可愛い女の子らしい服が好きだった。でも大人になるにつれ、「可愛い」は私のためのものではないことを知って、普通の服ばかり着るようになった。

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「好き」と「似合う」が別ということを思い知らされたのは中学生の頃だった。部活の友達と一緒に遊びにいくことになった。その時、オシャレというものに興味を持ち始めた私は、鏡の前で何枚も服をあてて、母の助言も得ながら襟に可愛いレースがついたピンクのシャツと、ピンクのチェックのチュニックを着ていくことに決めた。頭にはレースのついたカチューシャをつけた。

その時は、最高に可愛くてオシャレだと思っていた。いざ部活の友達と会ってみると爆笑された。「ダサいwwフリフリじゃんww」って。家を出る前は可愛いと思っていた服が、急に世界で一番ダサく見えて、なんでこんな服着てきたんだろうと思って恥ずかしくて仕方がなかった。思い知らされた。自分の顔は可愛い服に値しないらしい。その時お気に入りだったピンクの服は、棚の奥にしまい込んで二度と着ることはなかった。

オシャレって何かわからなかった。ピンク、フリフリ、レースとはお別れしてカジュアルな服を着るようになった。似合ってるっていわれて、オシャレだって言われるようになって嬉しかった。これが私のスタイルなんだと思った。カジュアルな服ももちろん好きだ。でも、心の中のどこかではフリフリの可愛い服への憧れがずっとあった。

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なんやかんやあって大人になり社会人になりうつ病になった。病気になって休職することになったことで、それまで持っていた社会人としてのプライドや、社会人としてこうしなきゃいけないといった思い込みが打ち砕かれた。なぜか急激に色んなことがどうでもよくなった。そしてなぜかわからないけど、可愛い服が着たくなった。

なんか、色々どうでもよくない?似合うとか、顔タイプとか、骨格とか、年齢とか……なんか、可愛い服着たい……

別に似合わなくても可愛い服着て良くない?細くなくても可愛い服着て良くない?本当は渋谷109に行くたびに可愛いフリフリの洋服たちを見て、密かに心を踊らせながら、可愛いけど私はそういうタイプじゃないし…って諦めてた。でも別に諦める理由なくない?1着1万のワンピースくらい買えるし……え?普通に買えば良くない?

なぜか急にそんな当たり前のことに気が付いた。

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可愛い服が着たくなった私は、早速地雷系、量産系の服屋へいった。フリフリやリボンがたくさんついた可愛い服が並ぶ店内に、自分がいることが場違いのように感じた。店員さんからどう思われてるか怖い。冷や汗が止まらなかった。結局買うまでの勇気が足りずすぐに退店した。服屋さんに行ってどうにも恥ずかしくてすぐ出てということを繰り返し、結局その日は購入まで至らず、初めての可愛い服はインターネットで買うことにした。

ピンクのチェック柄のケープとスカートのセットアップ。スカートにあるハートのポケットがアクセントになっていて可愛い。ちょうど見ていたアニメの制服チックで着てみたいと思ったのだ。注文してから届くまでソワソワしながら待ち、届いたものを見てみると、めちゃくちゃ可愛かった。実際に着てみるとやっぱりちょっと似合ってないかもと思った。でも最高に可愛い!もっと色んな服着てみたい!!という気持ちが強くなった。

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本当はずっと可愛い服を着てみたかった。でも、無意識に可愛い服を諦めていた。周りに笑われるのが怖くて。私の顔や体型では可愛い服は似合わないことはわかっていたし、私のための服じゃないって。

でも歳をとって、様々な経験をして、なんか色々どうでも良くなってきて、無意識に蓋をしていた可愛い服が着たいという気持ちが溢れてきた。着たいなら着たい服を着れば良い。似合わないと可愛い服を着てはいけないなんて法律はない。そんな当たり前のことに気がつくのに少し時間がかかってしまった。やっぱり今まで培ってきた恥ずかしさや自意識があるからまだ可愛い服には抵抗があるし、自分なんかが可愛い服を着るのは気が引ける。でも今はそんな恐れよりも可愛い服を着たい気持ちの方が強い。

似合わないからって諦めるんじゃなくて、可愛い服に似合うような化粧や髪型を研究していきたい。まだ少し時間はかかるかもしれないけど、新しく買ったピンクでフリフリの服を着て堂々と街を歩きたい。今度は実際に服屋さんで可愛い服を買いたい!

■Fluffy Friendのプロフィール
23年春から新社会人
大学受験に落ちたことがきっかけでフランス語の勉強を始める

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