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脳が一生忘れないインプット術。読み方を少し工夫するだけで、記憶力がアップする!

  • 2024.9.5

職場で周りと差をつけるため自分の仕事に直接関連する知識だけではなく、その周辺知識も知っておきたい。

周りより素早く関連情報を頭に叩き込めるようになりたい。

そんなモチベーションを持って、必要な情報をインプットしようとしても、目の前にある大量の資料や参考文献、ウェブサイトを前に途方に暮れてしまう。

どうにか高速で効果的なインプットができないものか。

そう思ったことはありませんか。

実は、ちょっとした工夫でインプットの効果を上げることができます。

そこで今回は、『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』星友啓著(あさ出版)を抜粋・編集して紹介します。

この本を読めば、最新の脳科学と心理学に裏打ちされた方法の中で、特に効果が高くてすぐにでも実践できるインプット法がわかります。


▶前回:「やらなければならないこと」に追われている人必読!一生役立つ時間の法則とは

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▼INDEX

1. インプットは才能よりもやり方次第

2. 誰にでも実践できる効果的なインプット法

3. 本書のココがすごい!

1. インプットは才能よりもやり方次第


同じものを学んでいても、インプットが速い人もいれば、遅い人もいます。同じ時間内に同じ記事を読んでも、記憶の定着具合や理解度が全然違ったりします。

インプットの効率やスピードの差を、生まれ持った才能や能力の違いと感じて意気消沈してしまうことだってあるかもしれません。

しかし、能力の限界と決め込んで、自分には無理だと嘆いているだけではあまりにももったいない。

なぜなら、インプットの効率やスピードは、インプットのやり方に非常に大きく左右されるからです。

「読むインプット」が思うようにいかないのは、自分の才能の問題ではなく、単に自分のインプットの方法が間違っているだけかもしれないのです。

もちろん、インプットがすでに上手な人であっても、より効果的なインプット方法を学べば、さらにクオリティーの高いインプットが可能になります。

ここでは、誰にでも実践できる効果的なインプット法を解説します。

2. 誰にでも実践できる効果的なインプット法=アクティブ・リーディング


クオリティーの高いインプットを可能にするのは、「アクティブ・リーディング」と呼ばれる方法です。

「アクティブ」は「能動的」「積極的」という意味合いで、目の前の情報にエンゲージ(集中して取り組むこと)しながら、積極的な姿勢で読むことで自分の目的に合ったクオリティーの高いインプットを実現することができます。

また、そのように読むことで、理解度や記憶の定着率がアップして、より良いインプットを実現することができます。

それではどのようにしたら「アクティブ」な「読むインプット」をすることができるのでしょうか。じっくり見ていくことにしましょう。

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①読む前


〈目的設定〉


「読むインプット」では、全体の文章を読む前に勝負が決まってしまうと言っても過言ではありません。

「読むインプット」を始めるにあたって、まずすべきことは、自分が何のためにインプットしようとしているのかを明確に意識すること、つまり「目的設定」が大事です。

同じ情報をインプットする場合でも、その目的によって、効果的なインプットの方法が変わってきます。

そのためインプットをする前に、どのようなインプットをすべきかをイメージすることが大切です。次のような点について考えてみましょう。

・読み取るべき内容は何か
・どれほどの精度で読み込むべきか
・インプットした情報を何に使いたいのか

読み始める前にこうした点を意識するだけでも、目的にフォーカスすることができ、効果的なインプットにつながります。

〈プレビュー〉


目的設定ができたら、すぐにでも読み始めたいところですが、読み始めにも大事なインプット戦略があります。

シンプルに1行目から順番に読んでいくなんてもってのほかです。

まずは、タイトルやサブタイトル、セクションごとの見出しを読んで、全体の内容を“プレビュー”しましょう。

タイトルや見出しは、記事の内容を端的にまとめて表現しているので、それを読んでいけば、文章全体の内容や、どこに何が書かれているのかを把握することができます。

そうすることで“目的設定”に合わせた読み方の作戦を、より鮮明にイメージすることができるのです。

記事なら見出しチェック、本なら目次を読んで、全体をプレビューするのも、目的設定と並んで読む準備の大事な習慣の一つです。

②読みながら


次は読みながら実践するインプット法についてです。

〈自分をモニタリングする〉


自分が新しい情報を得ているかを、しっかりモニタリングしましょう。インプットをしながら、自分の脳の活動具合をモニタリングしているような感覚を持つことが大事です。

内容を十分に理解したと感じるのであれば、素早く読み飛ばして次に移ってください。逆に難しく感じたり、わからなかったりするような箇所には時間をかける必要があります。

インプットの感覚をモニタリングしながら、読む速さを調整するのが効果的なインプットのコツです。

〈手書きメモ〉


メモの最大の効果は、インプットした内容を脳でプロセスする(思い出したり考えたりする)ことです。決して、後で見返しやすいように記録を残すことではありません。

現代は、文字情報はすでにデジタル化されて記憶されており、音声も録音や文字起こしが簡単にできます。そのため、大事な点やまとまって記録することが目的であるならば、手書きメモは最も効率の良い方法とは言えないかもしれません。

しかし、「読むインプット」をするときは、時間を割いてでもメモをとるようにしましょう。なぜなら、手書きのメモをとることは、今読んでインプットした内容を自分の頭の中で思い出すことにつながるからです。

重要な箇所に線を引いたり、ハイライトしたりするのは、後で見返しやすくする効果はありますが、脳のエンゲージメントを高める効果は、低いです。

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〈ストップ&ゴー〉


さて、手書きメモをとるように、インプットの流れをいったん遮断することで逆にインプットのクオリティーを上げることができます。

たくさんの情報を目の前にしてインプットがサクサク進んでいるときは、どんどん前に進みたくなってしまいますが、一度読むのをやめて、読んでいる内容に対して脳のエンゲージメントを高めることも必要です。

“メモをとること”もまさにこれに当たりますが、他にもおすすめの方法があります。

一番シンプルなのが、読むのをやめた上で、そこまでの内容を思い出したり、自分のインプット目的や持っている疑問を意識し直したりするというもの。その後にインプットを再開します。

“読んで止まって、また読んで止まる=ストップ&ゴー”の習慣を身につけると、脳がインプットしている内容によりエンゲージして、非常に効果的な“読むインプット”を生み出すことができます。

ストップ&ゴーでは、思い返しやまとめ作業を頭の中だけで行うことが重要です。

該当する箇所をいきなり読み返してしまっては、脳のエンゲージメント効果は上がりません。テキストに頼らず、頭だけで思い出すために「ストップ」したら目を閉じましょう。目を閉じて思い出すことで、テキストに頼らないで考えることができます。

③読んだ後


脳をエンゲージしながら「読むインプット」をした後は、5分ほどでいいのでインプット後のアフターケアをしておきましょう。

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〈うーん、なんだっけ?のアフターケア〉


鍵になるのが、読んできた内容を全体的に思い返しながら、脳をエンゲージし直しておくこと。インプットした内容を「うーんなんだっけ?」と思い返すような習慣をつけると、インプットのクオリティーが格段に上がります。

やり方は色々ありますが、次のようなアフターケアが効果的です。

・キーワードテスト

メモしてあったキーワードを振り返って、定義や説明を思い出す。

・アウトライン

インプットした内容の全体を箇条書きでまとめる。本の目次のように、それぞれの内容や詳細を、見出し、小見出しなどを使って箇条書きにして全体を把握する。

・まとめ

インプットした内容のまとめを書く。簡単なもので構わないので、自分のインプットの目的に対してどのような収穫があったのかを箇条書きで書いてみる。

・Q&A

プロジェクトや勉強などで他にも同じ内容を読んでいる人がいれば、お互いに説明したり質問したりしてみる。効果大のアフターケアです。

もちろん思い出せない場合は、インプットした書類や資料に戻って、改めて内容を確認します。しかし、すぐに戻るのではなく、まずは自分の頭だけで「うーん、なんだっけ?」と考えることが重要です。



これまで解説してきた「アクティブ・リーディング」の手法は、アメリカでも注目されていて、学校や仕事の現場で取り入れられています。

ぜひ、自分の「読むインプット」を改善するために実践してみてください。よりクオリティーの高いインプットが叶うはずです。

3. 本書のココがすごい!


今回紹介した『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』星友啓著(あさ出版)のすごいところは下記に集約される。

①「インプット」という学びの基本の行為について、科学的根拠に基づいて効果の高い方法を教えてくれている。

②ここでは紹介しきれていないが、YouTubeやポッドキャストなどの動画や音声での「読む以外のインプット」についても、効果的な方法を紹介してくれている。

③AI時代だからこそ、そもそもインプットするに値する情報なのか、というフェイクニュースを見分ける方法も学べる。

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【著者】 星友啓(ほし・ともひろ)


Stanfordオンライン高校校長、哲学博士、Education; EdTechコンサルタント

1977年東京生まれ。2008年Stanford大学哲学博士修了後、同大学哲学部講師として論理学で教鞭をとりながら、Stanford Online High Schoolスタートアッププロジェクトに参加。2016年より校長に就任。

現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて、教育及び教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組む。日本では慶應義塾大学特別招聘教授、横浜市立大学特任教授を務めている。

著書に『スタンフォード式 生き抜く力』(ダイヤモンド社)、『脳科学が明かした!結果が出る最強の勉強法』(光文社)、『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』『脳を活かすスマホ術』(ともに朝日新聞出版)、『子どもの「考える力を伸ばす」教科書』(大和書房)、『スタンフォードが中高生に教えていること』『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(ともにSBクリエイティブ)などがある。

星友啓OFFICIAL WEBSITE/


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