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未成年相手でも容赦なし…中島健人”保田”の大人げない態度に隠れた優しさとは? 『しょせん他人事ですから』第6話レビュー

  • 2024.9.11
©「しょせん他人事ですから」製作委員会

中島健人主演のドラマ8『しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜』(テレビ東京系)が放送中。本作は、原作・左藤真通、作画・富士屋カツヒトによる同名コミックを原作とした新時代のリーガルドラマ。今回は、第6話のレビューをお届けする。(文・柚月裕実)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:柚月裕実】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。

未成年の加害者が相談に...。「中学生配信荒らし編」が開始

『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

「絶対に親バレしま~す!!」

ハイテンションでドーン!と現実を突きつける。保田の弾んだ口調が、むしろ事態の深刻さを表しているようだった。

ネットでゲームの実況配信をしているあじぇる(瀧七海)のコメント欄を荒らし、訴えられた優希(斎藤汰鷹)。今回は「中学生配信荒らし編」として中学生が加害者になるケースが描かれた。

開示請求に向けた書類が届いた優希は、自分を兄だと偽って保田の事務所に相談に来た。あじぇるに対して、荒らし行為をした挙句、個人情報まで晒したというが、当人は悪びれた様子はない。

「ゲームっていうか」とどこか他人事だ。情報開示請求を拒否したいと相談に来たが、未成年の依頼は受けることができないため、休憩中の世間話として話を聞いていた。

子どもの遊びだとしても、その責任は保護者が問われる

『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

保田がやんわりと未成年からの依頼は受けられないことを話したが、悪態をつく優希。親にも相談できずに、ネット検索をして見つけ出したのが、弁護士のドラゴン星川(袴田吉彦)。個性的で派手な見た目を裏切らない星川もまたクセつよな人物だった。

相手が中学生だろうと、案件を取るためにさも親身になっている感を醸し出して見せる。子どもも大人もこういう人物には気を付けなければならないと改めて思わされた。

プロバイダーからの通知が届いたことを優希が父・和徳(勝村政信)に土下座して報告。親バレ回避ならず。子どもが遊びでやったこととはいえ、父名義で契約したプロバイダー契約であり、保護者にも責任がのしかかってくるのだった。

灯(白石聖)のトラウマが明らかに

『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

今回、同時に描かれたのが、パラリーガルとして働く加賀見灯(白石聖)の過去だった。灯の父親が急遽上京するといい、保田のもとへ挨拶にやってきた。そんな父親に端を発し、灯のトラウマが明らかに。

灯はかつて働いていた職場で、女性上司からパワハラに遭い、その鬱憤を晴らそうと漫画を描いてWEBにアップしていた。ところが、パワハラでトイレにこもって15分泣いたという漫画がバズったのはいいが、見知らぬ赤の他人から否定的な意見も寄せられ、さらなる傷を負ってしまったのだ。

そんな痛みを知る人間だからこそ、誰かの力になれたら…パラリーガルの灯がネットのトラブルを専門とする法律事務所を選んだ理由が明かされた。

痛みを知り、それをバネに誰かのためにと立ち上がれる灯の強さが頼もしい。いつかは弁護士として独り立ちする日が来たら、人の心がわかり、そして女性という立場を活かしたすてきな弁護士になるのでは!?と、つい“親戚のおばちゃん”のようなスタンスで見守った。

保田法律事務所を再び訪れる優希

『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第6話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

…さて、事態は思いのほか深刻に 。あじぇる側からの請求が通ってしまい、「1週間以内に150万円払え」との通知が届いた西村家。優希と父の和徳、そして母の倫子(西尾まり)は星川弁護士の元を訪れるが、解決には至らず。

結局は振り出しに戻り、優希が散々な態度をとった保田法律事務所に改めて相談する。

次回予告では、「クソ弁護士の保田です」と、優希に向けた皮肉が笑いを誘った。大人げないなんて言われてしまう言動かもしれないが、いくら未成年とはいえ、やってはいけないこと、人に言ってはならないことがある。

「やられたらやり返す、倍返しだ!」という過激なものではないが、目には目を…そんな保田のさりげない教えのようだった。

(文・柚月裕実)

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