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【ネタバレ】モラハラだけどたまに優しい彼。「従順な彼女」の選択『モラハラ彼氏と別れたい』

  • 2024.9.4
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル

彼氏の言動にモヤモヤしながらも、別れることができずにいる女性・チリの葛藤を描いた実録コミック『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』。

せっかくのデートでも塩対応で、ダメ出し&口出しは当たり前、都合のいい時だけ優しい彼氏。チリがそんな男性を切り捨てられない理由は何だったのでしょうか?

モラハラ彼氏との関係性を通して、自分自身の弱さと向き合うことになった女性の結末をご紹介します!

記事の後半で、最終回のネタバレに触れています。ネタバレしてほしくない!という方はご注意ください。

同僚からは羨ましがられるけれど…彼氏はモラハラ男

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

主人公・チリは、入社3か月目の新入社員。仲のいい同期と支え合いながら、慣れない職場での仕事に奮闘しています。

同じチームになった田中さん、星さんは面倒見のいい先輩で、終業後に食事に行くなど良好な関係を築けています。

一方のプライベートでは、チリには長く付き合っている彼氏がいました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

同期のカオリからは、パートナーがいることを羨ましがられているチリ。しかし彼氏との実際の関係性は、それほど幸せなものではなかったのです。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

彼の名前はマサキ。モラハラ気質の男でした。

チリの職場の飲み会後にふたりで会う約束をしていた日のこと。お腹がすいたというマサキのためにチリは自宅で鍋を用意します。その翌日、チリは早起きして、マサキのために朝ご飯を用意しました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

しかしマサキは、おみそ汁の具が前日の鍋の残りだったことに腹を立て、朝ご飯を食べなかったのです。そればかりか、おみそ汁をシンクに捨ててしまう始末。

これにはさすがにチリもいきどおりを隠せません。怒った様子をみせた彼女ですが、いつものごとく、マサキにうまく丸めこまれてしまいます。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

この後ふたりで出かけた先では、チリの履いていたサンダルの底がはがれてしまうという事件が発生。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

幸い近くにお店がたくさんある場所だったので、新しい靴を買えばいいと思ったチリでしたが、マサキからは「一緒に歩く自分の身にもなれ」という冷たい一言が…。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

結局マサキは買い物に付き合うでもなく喫煙所に行ってしまい、チリは一人になってしまったのでした。

付き合う前は優しかったのに…いまは誕生日にも連絡なし

それからのチリは、マサキとの関係性について自問自答し続けていました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

ある日のテレビ電話での会話中、自分が会社の同僚男性から食事に誘われたことを話したときも、マサキの反応は「行けばよかったのに」とだけ。心の底からどうでもよさそうな態度をとるマサキとの会話はそれ以降も盛り上がらず、電話は早々に切れてしまいました。

チリの誕生日当日は、同僚のカオリが、チリが誕生日に1人になることがないよう気を遣ってくれました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

連絡すらしてこないマサキに呆れ気味のカオリに、チリはふたりの馴れ初めを話しはじめました。

それは約3年前のこと。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

マサキとは、友人の紹介で連絡を取り始めました。実際に会う前の彼は毎日メッセージをくれて、文面はいつも優しいものでした。

しばらくやり取りを続けてから直接会ったときも、マサキは優しく、惜しみなくチリに尽くしてくれます。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

そんな彼にひかれ、チリはマサキと付き合い始めたのです。

しかしそんな状況が一変したのは、付き合いはじめてすぐのことでした。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

あれだけ毎日きていた連絡がなくなり、ようやく返ってきたメッセージ内容は驚くほどそっけないものに。

直接会っても、マサキの態度は以前とは別人のようになってしまいました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

今後ふたりで合う際の集合場所はお互いの家にして、付き合っていることも人には言うなとチリに命じたのです。

それからのデート場所は自宅のみになり、会話もはずみません。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

別れるときもマサキは、名残惜しそうにするそぶりは一切見せないのです。付き合う前の彼はどこに行ってしまったんだろう…とチリは落ち込んでしまいます。

脳裏にはマサキと別れることもチラついてはいましたが、チリには自分から切り出す勇気がなく、いつかまた優しいマサキに戻ってくれるのではないかと期待してしまうのでした。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

彼氏の真意を確かめるために取った方法

それ以降も、マサキの冷めた態度が変わることはありませんでした。

あまりの変貌ぶりに、チリはなぜ変わってしまったのかを彼に問い詰めたこともありました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

しかしマサキの返事は「変わったつもりはない」とだけ。

さすがにおかしいと思ったチリは、自分がマサキの浮気相手かもしれないと疑い始めます。

その疑いを晴らしたい一心で、彼女は別れ話を切り出してみることにしました。もしマサキの気持ちが自分にあれば、別れ話を否定してくれるはずだと思ったからです。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

意を決して「別れたい」と言ったチリ。それに対し、マサキは「別にいーけど」と軽く答えるではありませんか!

そればかりかチリに対し、約束していたハンバーグを作ってから帰れと言うのです。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

別れ話とは思えない会話の内容に唖然としてしまったチリでしたが、ハンバーグを作ればマサキの気も変わるのではないかと思いつきます。そして彼女は、マサキに言われるがまま材料を買いに行き、マサキのために調理をしましたが、彼の態度が変わることはありませんでした。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

チリの心に残ったのは、むなしさばかりです。

ナンパ男から助けてもくれない⁉ 私って何なの?

マサキと別れたチリでしたが、この後マサキから復縁の申し出があり、「オレにはお前しかいない」という言葉にほだされてヨリを戻していました。そして現在もマサキとの交際は続いています。

ある日、チリとマサキがデートに行ったときのこと。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

チリは知らない男にナンパされてしまいます。喫煙所にいたマサキにアイコンタクトで助けを求めますが、マサキはそれを見て見ぬふり。

なんとかその場を逃れたチリは、マサキに「助けてくれてもよかったじゃん」と詰め寄ると、彼は「自分でどうにかできるでしょ」と冷たい言葉を返してきました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

マサキにとっては、彼女であるチリが困っていても他人事のようです。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

自分はマサキにとってどんな存在なのか、彼女なのに大切にしてもらえない原因は自分にあるのかと、考え込んでしまうチリなのでした。

【ネタバレ】社内トラブル発生! 助けてくれたのはまさかの…

チリが学生だった頃のこと。理由は分かりませんが、人から下にみられることが多く、自分でも自分のことを低く見るようになっていました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

高校生になって、チリは一つ年上の兄の友人と付き合うことに。生まれて初めて彼氏ができ、自分に自信が持てるかもとも思ったチリでしたが、結局は彼氏の浮気が原因で別れてしまいました。

そして次に出会ったのがマサキでした。「この人となら幸せになれるかもしれない」、マサキに対しそう思ったチリでしたが、現実は違いました。

マサキを信じてヨリを戻しても大事にしてもらえることはなく、嫌われるのを恐れるあまり自分からマサキに何かを言うこともできない。チリは変わらず苦しいままでした。

そんなある日のこと、社内で向かいの席に座っている男性から、メールが届きました。メールには男性のSNSのアドレスがあり、連絡がほしいと書いてあります。

実は以前、チリの靴がその男性の足に当たってしまったことがありました。そのことに怒っているのではないかと推測したチリは、男性に対し謝罪のメッセージを送ります。

しかし男性は怒っているのではなく、チリのあのときの行動は、彼女の性癖によるものではないかと思い込んでいるようなのです…!

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
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予想外の展開に驚いたチリは、先輩の星さんと同僚のカオリに相談することに。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

すると星さんは親身になって話を聞いてくれたうえ、その男性とチリが近くで仕事をすることにならないよう、それとなく配慮してくれるようになりました。

星さんのサポートのおかげもあり、そうこうしているうちに男性は何も言ってこなくなりました。

【ネタバレ】決意して臨んだクリスマスデート当日

クリスマスが近づいてきました。チリには決意したことがあります。それは、マサキと「気持ちを伝えあえる関係になること」。自分を変えることで、マサキと対等な関係になるつもりでした。

そしてついに、マサキとのクリスマスデート当日。

行き先を決めてこなかったチリに、マサキは機嫌を悪くしたようですが、とりあえずふたりはいつも行っているショッピングモールに向かいました。

そこでマサキは自分のほしい服を買うため店に入り、チリに持たせた買い物かごに服をポイポイと投げ込みます。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

重いとチリが訴えても、マサキは「ファイト」と言うだけで、かごを持ってくれることはありませんでした。

その後でふたりは時計店に入りました。マサキがクリスマスプレゼントに時計が欲しいと言ったからです。しかしどれも高額すぎたため、その店で買うのは諦めました。

しかしマサキは、ネットで買うからお金だけほしい、とチリに言います。その時計は4万円で、一人暮らしのチリにとっては高額でしたが、せっかくのクリスマスだからということで、チリは出してあげることに。

チリのお金を「サンキュー」と軽く受け取ったマサキが次に向かったのはガチャガチャ。何を思ったかその一つにお金を入れておもちゃ入りのカプセルをゲットすると、それをチリに「クリスマスプレゼント」だと言って渡してきたのです…。

4万円の腕時計に対し、ガチャガチャのおもちゃ1個。

あまりの差に、「これってどうなのかな?」と問いかけるチリに対し、マサキは「物の価値より気持ちが大事」と言って取り付く島もありません。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

チリは、頑張って自分の意見を言っても話し合いにさえならないマサキとの会話に、落胆を隠せませんでした。

【ネタバレ】元カノから知った衝撃の事実

ショッピングモールを出たチリとマサキは、DVD店に向かいました。そこでチリは偶然、マサキの元カノだという女性に小声で話しかけられます。

「別れるときは電話じゃないと… あの人 手あげますよ」

そして元カノは「気をつけて」と言い残して去っていきました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

女性からの情報の真偽は不明ながら、マサキが暴力を振るう可能性があるかもと思ったことで、チリは早くデートを切り上げて帰りたくなっていました。

そんなチリの思いに気づかないマサキが次に車を停めたのは、スーパーの駐車場でした。なぜこんなところに連れて来たのかチリが不思議がっていると、突然マサキがチリごと助手席のシートを押し倒してきました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

どうやら彼には下心があって、こんな場所に駐車したようなのです。周囲の人に見られるかもしれないこの異常な状況におびえたチリは、マサキに「今日は生理なんだけど」と嘘をつき、なんとかその場を逃れます。

興ざめしたマサキからは、その日の別れ際に「今日 口答え多くてかわいくなかった」と言われてしまいました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

自分を変えたいと意を決してのぞんだクリスマスデートでしたが、マサキとの関係性はチリが望んだものとは程遠く、一緒にいればいるほど、チリは自分のことが嫌いになりそう…。

マサキはそこまでして一緒にいるべき相手なのか、チリは自問自答を続けていました。

【ネタバレ】考え続けて出したチリの結論

マサキとの関係を続けるべきか、チリが考えぬいた結論は「NO」でした。

「マサキさんと離れて 自分と向き合う時間を作ろう」

そう決心したチリは、マサキに電話で別れを告げました。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

マサキとはいくつか会話を交わしましたが、内容はつねに平行線。ふたりの関係は最後まで分かり合えないまま終わったのです。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
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マサキとの電話の内容は不毛なものでしたが、チリはもうこれ以上自分を嫌いだと思うことがなくなると思うと、すがすがしいような気持ちでした。

数か月後、チリは同僚とのBBQを楽しんでいました。カオリからは、チリが最近明るくなったと言われます。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

マサキと別れ、自分に自信を持てるようになってきたチリは、昔からの夢だった絵の仕事を目指すため、会社を辞めることを考えていました。退社してしまえば、先輩の星さんに職場で会うことはなくなります。チリにはそれだけが心残りでした。

「辞める前に 星さんともっと 話してみたい」

そう思ったチリは、カオリの誕生日プレゼントを買うことを口実に、星さんを買い物に誘います。そしてふたりの買い物デートは楽しく終わり、次のデートの約束も取り付けました。

デートの最中、星さんはチリの描いた絵を見て「チリちゃんの絵を家に飾りたい」と言ってくれました。思ってもない言葉にどんな顔をしたらいいのか分からなくなるチリでしたが、星さんと一緒にいればいるほど、自分のことが好きになっていくのでした。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

そして迎えた退職日、チリは思いのたけを手紙にしたため、星さんに渡しました。

「私は星さんが好きです」

それを読んだ星さんは「これから会えない?」とメッセージをくれました。そうしてふたりは、めでたく付き合うことになったのでした。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
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お付き合いを始めてからのチリは、自分の意見を伝えることにためらいはなくなりました。たまに喧嘩をすることがあっても、ふたりで話し合って仲直りすることができるように。

『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA
『モラハラ彼氏と別れたい 悪いのは私なの?』より (C)チリツモル/KADOKAWA

ありのままの自分を否定して過ごしたマサキとの日々からは、想像もしなかった変化です。自分の気持ちを伝えることはとても勇気のいることですが、これからもチリは伝え続けるつもりです。

自分を受け入れてくれる人がいることの幸せを、チリは噛みしめていました。

***************

自己肯定感の低さから、自分を傷つける相手との別れにもちゅうちょしていたチリ。自分から「変わりたい」と勇気を出し、ともに成長できるすてきなパートナーを見つけた彼女に拍手を送りたい気持ちでいっぱいになります。

作者であるチリツモルさんの実体験が元になった本作ですが、実はこの「モラハラ彼氏」には不倫がテーマの新シリーズがあります。こちらも一人の女性の成長物語になっており、どうやら波乱含みの展開…。新シリーズの展開にも期待が高まります!

文=山上由利子

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