チャーリーxcx、「カマラ・ハリスはBrat」とSNSに投稿した真意

米大統領選に名乗りを上げた副大統領カマラ・ハリスは「Brat」だとSNSに投稿し、大きな注目を集めたチャーリーxcx。『ニューヨーク・マガジン』のインタビューで、イギリス人ポップスターの彼女は「民主主義の正しい側、女性の権利の正しい側に立つことは、私にとってとても重要」としながらも、特定の候補者への支持ではなく、「前向きで軽快なこと」を発信したつもりだったと明かした。

ニューアルバム『Brat』が好評を得ているチャーリーは、バイデン大統領が2期への出馬取り止めを発表し、ハリスへの注目が高まったタイミングで、「kamala IS brat」とX（旧ツイッター）に投稿した。Bratとは生意気な悪ガキというような意味だが、彼女は「パーティーしながら使い捨てのライターとマルボロライトの箱を探すような取っ散らかったビッチ」というような意味合いで使ったようだ。「それなのにCNNで話題にされるなんて考えたと思う？ まさかね」と語る。彼女のポストはニュース番組でも取り上げられ、ミームが大量発生したほか、ハリス陣営も公式インスタグラムのロゴをチャーリーのアルバムと同じデザインにするなどした。

イギリス出身で、米大統領選の選挙権を持たない彼女は、何も考えずに投稿したわけではないものの、こんなにも大事になるとは思っていなかったという。政治的アーティストと捉えられることも予想していなかったそうで、こう断言する。「私はボブ・ディランじゃない。そんな振りをしたつもりもない」「私の音楽は政治的じゃない。私のアートには、人生経験のすべてがフィードバックされる。私が言うこと、着るもの、考え、楽しみ、すべてがアートに注がれる。でも、政治は私のアートに関係ない」

だが、殺伐としがちな選挙戦においてポジティブな現象を起こしたのは確か。「民主主義の失墜を防ぐ手伝いをできたのはうれしい」とチャーリーは語っている。

Text: Tae Terai