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学年に合わせて工夫を。子どもが安心して学校に戻るために親ができること。夏休みの過ごし方を見極めて接することが大切です。

  • 2024.9.4

親としてできることはなに?

子どもが新学期に気持ちよく学校に戻ることができるためには、夏休みの過ごし方がどうだったか・・・が大きく影響します。
夏休みが明ける前に、宿題の進み具合や、生活リズムの立て直しなど、じわじわと学校生活に向けて準備を進めましょう。カレンダーを見ながら「〇日から学校だね」と会話をするのもいいでしょう。そこでポロッと不安が漏れたりすることもあります。ただただ聞いてあげるだけでOK。「私もそうだったよ~」「学校が始まれば、また楽しく行けるよ」などの声かけもいいでしょう。
宿題が終わっていなくて学校に行きたくない子も少なくないです。「それなら、やらなくていい」ではなく、終わるようなプランを立てるなどのサポートをお願いします。

ママ広場


子どもにとって親は、社会で生きていく人としてのモデルです。親だって、体調や気分によって、仕事や家事を休みたい時はあります。でも、気持ちを立て直して活動しますよね(無理をするという意味ではなく)。これは、自分の行動に責任を取れるようになったからできることです。この力は、実は幼児期から練習して獲得した力なのです。「大人になればできること」ではありません。親は日々の子育てを通して、社会で必要な力を育てているのです。

目の前の我が子が苦しそうにしていると守りたくなりますが、時には心を鬼にして、気持ちの立て直しのサポートをしないといけない時があります。子どもの心も体も脳もまだ未完成です。大人の関わり方で大きく変化する可能性を持っています。この時期は背中を押していい、この時期は無理させない・・・など、年齢によって関わり方の工夫が変わりますので、学年ごとにご紹介します。

小学校低学年
まだまだ未完成。「心と体と脳をつくっている時期」と思って関わりましょう。
小学2年生くらいまでは「気持ちを切り替えてやるべきことをやる」ことをサポートしてください。学校だけでなく、習い事や家事の手伝いなど、いろんな場面で取り組める内容です。子ども同士のトラブルも、実は絶好の学習機会です。ネガティブな体験を乗り越えて、強い心を獲得できます。仲直りできた、気持ちを伝えられた、と成功体験につながるような機会にしたいですね。子どもの気分に振り回されないよう、親もドンと構えていましょう。

小学校中学年
ある程度完成。「試運転で不具合を調整する時期」と思って関わりましょう。
小学3~4年生は、学習内容も人間関係も複雑になっていく学年です。なんとなく学習が面白くなくなり、漠然とした不安・不満を抱えやすくなります。また意図せず仲間を排除してしまったり・・・と本人たちも目的意識もなくいじめのような状況に陥りやすい時期です。これは発達上、どうしても生じてしまうものです。そして、生じた際には大人がしっかりと介入・指導する必要があります。加害側・被害側いずれの立場になったとしても、‘成長の途中で生じたこと’としてサポートをお願いします。子ども同士では解決していても、親が許せていないと、子どもの人間関係の改善は難しくなります。親にとっても向き合うことが難しい状況ではありますが、当事者は子どもであることをお忘れなく。学校としっかり連携して問題を一緒に乗り越えていきましょう。

小学校高学年~中学生
ほぼ完成・・・したものの「自分らしくモデルチェンジしようとしている時期」。親とつくってきたことを否定して自分らしさを追求する時期で、イヤイヤ期再来と思って見守りましょう。

小学校高学年~中学生は、大人の介入が逆効果になることがあり、故に子どもは大人に頼ろうとしなくなります。また、話を聞いてあげたくても、「親だからこそ話したくない」という年齢です。そのため、状況が深刻化してしまっていることも考えられます。対応はより慎重にしないといけない学年です。親としては、心を尽くして、心を砕いて子どもに寄り添おうとしているのに・・・と傷つき体験になることもあります。親も子も、悩みを話せる「誰か」が必要です。心を許せる、頼れる他者にぜひ頼ってください。なかなか話せない時にはスクールカウンセラーに話してみてください。親の心が軽くなると、子どもも自然と話してくれるようになることは珍しくないです。我が子のために、心のスペースを広げておきましょう。

このように、子どもたちは大人との交流を通していろんなことを学んでいます。そのためには、親自身が社会的な視点を持って状況を判断できる余裕が必要です。子どもの気持ちに寄り添いたい親心はわかりますが、そのことによって、学びの機会を奪っていないか?と踏みとどまってみてください。親も親としての成長の途中です。子どもと一緒に育って行きましょう。

執筆者

ママ広場


鎌田 怜那
一般社団法人マミリア代表理事
臨床心理士・公認心理師

子どもの‘発達する力’に魅了され、その魅力を伝える活動をしている。
昨今の育ちの環境に危機感を覚えつつも、愛情深い母親たちの出口の見えない悩みに、道筋を示せるよういろんな方法で情報を発信している。
自身も3児の母でもあり、支援しつつも支援してもらいながら、思い通りに行かない子育てを楽しんでいる。
悩んでいるうちに、子どもは大きくなりますよ!子どもと、仲間と一緒に発達していきましょう!!

一般社団法人マミリア
https://www.mamilia.jp

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