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実は不要!?赤ちゃんの「転倒防止リュック」の必要性は…?ママ小児科医が伝える【家庭内事故】の真実

  • 2024.9.5

こんにちは。3児の母で小児科医の保田典子です。今回は、子どもの安全対策について。家にいるときに気をつけたいことを、私の体験談を踏まえてお話ししたいと思います。

子どもの死亡原因

1歳以降の子どもの死亡の大きな原因の1つ、「不慮の事故」。実際には、動きが活発になってくる生後9カ月のころから、赤ちゃんはさまざまな危険に自ら突っこんでいくことが多くなっていきます。

子どもから1秒たりとも目を離さない、というのは不可能なので、子どもの事故は多かれ少なかれ必ず起こります。ポイントは、「命の危険がない事故にするという工夫」です。

家の中で気をつけたい命に危険が及ぶような事故とは、溺水、やけど、窒息が多いかなと思います。転倒で頭を強くぶつけることにも気をつけたいですね。今回は「転倒」と「溺水」のお話です。

危ない事故1:転倒

頭の後ろにクッションがある転倒防止リュックが流行っていますが、フローリングの上で転んだくらいでは脳出血などの重大なケガは起こりにくいです。

転倒防止リュックはいらない

赤ちゃんの重さに対してリュックが重いため歩くバランスが崩れること、転倒はクッションのある真後ろに倒れるだけではないので有効に使えるシーンは少ないことから、個人的にはあまりオススメはしていません。

お子さん自身が転倒防止リュックを気に入ってつけていたり、転倒時の痛みやたんこぶができるのを少しでも減らしてあげたいという親御さんは、取り入れてもいいかもしれませんね。

1歳弱の子どもの予想外の行動に驚き

椅子を重ねて高いところの物を取ろうとしました。不安定で危険ではあったのですが、椅子を重ねれば高いところの物が取れるという、1歳の子の発想力はすごいと思ったことがあります。

危険がないように注意を払うことは大切ですが、ある程度の安全が確保された状態であれば、なんでもすぐに手を出さず、ある程度は見守ることも必要だと思っています。

転倒時、特に危険な物

危ないのは、コンクリートやガラス、家具などの硬くて鋭利な角にぶつけることです。うちの子はテーブルの脚の角にぶつけて縫合が必要なほど切れてしまったことがあるので、みなさんも気をつけてください。

危ない事故2:溺水

水の事故は、水の多い少ないに関わらず危険です。お風呂や洗面器に5cmぐらい水が張ってあるだけでも、溺水の事故が起こることもあります。

お風呂の水は溜めっぱなしにしない、自分が体を洗っているときは湯船に入れない、洗濯機のフタはきちんと閉めてチャイルドロックをするなどの対策をしましょう。

子どもに「お風呂は滑る」ことを知ってもらう

「お風呂は滑る」と言われても、経験のない子どもには伝わらないもの。滑るとはどういうことかを知ってもらうために、支えながら滑る感覚を体験させるのも良いかと思います。

自分が体を洗うときなど、一瞬でも目を離す隙があるときは、子どもを湯船に入れず、首浮き輪なども使わないようにしています。

ポイントを決めて完璧を目指さない!

1歳弱から3歳未満までの赤ちゃんは、危険意識がない割りに行動力はすごくあるので、事故を経験しない子はいないくらい安全対策は大変です。

私は結構おおざっぱな性格なのと、子どもに自分で失敗しながら学んでほしいと思っていたので、大怪我や危険な事故の可能性を予防しつつ、命に関わらないものは、ある程度「しょうがない」と腹をくくって子育てしています。子ども自身にさまざまな体験をさせて学んでもらいながら、親も子も成長していけるといいなと思っています。


監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

ベビーカレンダー編集部

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