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なぜリメイクされない? 今、最も復活すべき海外映画(4)日本版舞台で主役を演じた俳優とは? 不朽の名作

  • 2024.9.4

2003年公開の『テキサス・チェーンソー』を皮切りに、ホラー映画界隈では、有名作品のリメイク&リブートが相次ぎ、新しい観客を獲得することに成功した。今回は、名作ぞろいの1980年代において、今、リメイク(リブート)したら、話題必至の作品を5本セレクト。作品の魅力を余すところなく紹介する。第4回。(文:村松健太郎)
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●『レインマン』(1988)

上映時間:134分
原題:Rain Man
製作国:アメリカ
監督:バリー・レヴィンソン
脚本:バリー・モロー、ロン・バス
キャスト:ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ヴァレリア・ゴリノ、ジェリー・モルデン、ジャック・マードック、マイケル・D・ロバーツ、ラルフ・シーモア

●【作品内容】

第61回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、主要部門を席巻したヒューマンドラマ。サヴァン症候群の兄レイモンドをダスティン・ホフマンが、その弟チャーリーをトム・クルーズが演じる。2人の不器用な交流が描かれるロードムービーでもある。

●【注目ポイント】

『卒業』(1967)『真夜中のカーボーイ』(1969)など、アメリカン・ニューシネマの代名詞的な俳優であるダスティン・ホフマンは、その後も質の高い作品に出演し続けている。『レインマン』はその代表的な1本と言えるだろう。

本作は、1983年の『アウトサイダー』で注目を浴び『卒業白書』(1983)、『トップガン』(1986)などで当時、アイドル的な人気を誇っていたトム・クルーズがこれまでのイメージを一新させて、本格的なヒューマンドラマに挑戦し、助演に徹して新境地を開拓した作品でもある。

とはいえ、『ハスラー2』(1986)では、『明日に向かって撃て』(1969)で知られるこれまたアメリカン・ニューシネマを代表する俳優の1人、ポール・ニューマンと共演するなど、この時期のトム・クルーズは脱アイドル路線を突き進んでいたのだった。1989年公開の『7月4日に生まれて』では初めてアカデミー主演男優賞にノミネートされている。

『レインマン』に話を戻そう。この作品、舞台版も制作されており、日本ではレイモンド役に橋爪功、チャーリー役に椎名桔平という組み合わせで2006年~2007年に上演されている。さらに2018年にはチャーリー役に藤原竜也をコンバートし、椎名桔平がレイモンド役に回ったバージョンで公演が行われている。

時代を選ばないストーリーとなっているので、リメイク&リブートの制作はそこまで難しいとは思われない。ただ、やはり演じ手、とくにレイモンドとチャーリーはオリジナルキャストの印象が強く、配役がハマらないかぎり、作品が成功するとは思えない。

しかし、オリジナルでレイモンド役のダスティン・ホフマンがアカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得したことからわかるとおり、『レインマン』という作品は、役者の実力を試す打ってつけの企画である。もし本作のリメイク版に出演し、作品を成功に導くことができれば、世間の目はガラッと変わり、イチ俳優から「名優」へとキャリアは劇的に変わるに違いない。そのため、本作のリメイクが作られることになったら、出演に名乗りを上げる俳優は後を絶たないだろう。

オリジナルでチャーリーを演じたトム・クルーズにレイモンド役を託すアイデアも面白い。日本でも根強い人気を誇る作品であるため、日本版リメイクも観てみたい。

(文:村松健太郎)

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