“バックワードネックレス”で美背中に。ヴェネチア国際映画祭で視線を奪った、ジュエリーの最旬スタイリング

ヴェネチア国際映画祭での『Maria（原題）』のプレミアに登場したカナダ出身の俳優、テイラー・ラッセルは、この日纏ったロエベ（LOEWE）の柔らかなシャーベットイエローのシフォンドレスについて、「枠にとらわれない、コンテンポラリーでアーティスティックなところが大好きです」と話していた。そんなユニークな一着に合わせられたのは、11カラットのペアシェイプダイヤモンドがあしらわれたティファニー（TIFFANY ＆ CO.）のネックレス。しかし彼女は、その一本を後ろ向きに身につけることで背中を優美に演出し、レッドカーペットに集ったパパラッチたちを360度魅了した。

肌の露出とともに楽しむ、ジュエリーのより自由な身につけ方

今年のヴェネチア国際映画祭ではヴィンテージルックや淡いパウダーカラー、何層にも重なりあうラッフルのディテールなどが際立ったが、もうひとつ注目したいのが、ラッセルのそれに見るようなジュエリーのより自由なスタイリングだ。

ラッセルのほかに、ケイト・ブランシェットもジュエリーの新たな魅せ方を開拓しており、『ビートルジュース ビートルジュース』のプレミアではルイ・ヴィトン（LOUIS VUITTON）の肩を一周するパールネックレスをセレクト。ブランシェットはレッドカーペットルックを繰り返し着用することで知られるが、この一本はパレスチナ国旗を意識した装いで話題を呼んだ第77回カンヌ国際映画祭で纏ったのと同じもの。メゾンのハイジュエリーコレクションから再利用された白のアコヤパールとグレーのタヒチパールが連なったデザインは、ここでも圧倒的な存在感を放った。

ジュエリーデザイナーたちは近年、身体の意外な場所に身につける作品に可能性を見出している。「身体のどこでもダイヤモンドを楽しめるように、ブランドを立ち上げました」と話すのは、メシカ（MESSIKA）の創設者ヴァレリー・メシカ。ディオール（DIOR）のファイン ジュエリー アーティスティック ディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌのデザインのように、彼女もまた、ダイヤモンド、ローズゴールド、ホワイトゴールド、イエローゴールドを散りばめたラグジュアリーなアンクレットなどを提案している。

「ジュエリーはどこだって好きなところにつけていい」とメシカ。「すごくセクシーですよね。きらきら輝くものを身に着けている人に、思わず目がいってしまいます」

過去にも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』（1985）のプレミアに出席したダイアナ元妃をはじめ、2013年のアカデミー賞でそれぞれ主演女優賞と助演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスとアン・ハサウェイなど、バックワードネックレスをレッドカーペットルックに取り入れたセレブは数多くいる。背中、肩、足首と、肌を露出することが多いイブニングルックでこそ、いつもとはひと味違うジュエリーの身につけ方を試してみたい。

Text: Laura Hawkins Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.CO.UK