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ひねくれぼっちの大学生が出会ったのは、つかみどころのない書店員さん!? 書店で繰り広げられるドタバタラブコメ

  • 2024.9.3

本は電子書籍、もしくはネット通販でしか買わない。昨今はそういった人もめずらしくない。リアル書店の閉店は続いており、書店に足を運ばない人が増えているのは確かだ。しかし書店には変わらない魅力がある。そこには実際に手にとることができる本が並んでおり、知識と、本に対する深い愛情を持った店員さんたちがいるのだから。

『まちの本屋の御書山さん』(いずみせら/KADOKAWA)は、書店を舞台にしたラブコメマンガ。書店の日常を描いたこの作品は、多岐にわたる書店の仕事を知ることができる。そして、そんな職務にいそしむさまを通じ、書店員の方々がそこで売られている本やマンガに向ける愛の大きさを感じることができる作品だ。

主人公の不破は、真面目だが相手の気持ちを察することが苦手。「マンガに意味なんてない」と思いこんでいた。そんな彼は、家庭教師先で生徒のマンガを汚してしまい、弁償するために本屋におもむく。たまたま入った本屋で声をかけてくれたのが書店員の御書山(ごしょやま)だった。

探していたマンガの売り場だけでなく、「マンガを読むことで他人の気持ちを理解しようとすることができる」と、教えられた不破は自分が間違っていたことに気がつく。そして誘われるままに御書山さんのもとで働くことを決意する。

接客や品出しといった表向きの業務にはじまり、POP作りに返品にトラブル対応など、さまざま書店員の仕事を垣間見れるのが本作の面白さだ。

特に、POP作りの回は秀逸だ。制作にかなり長く時間をかけていた不破は、その理由について「このマンガがおもしろかったから」というシンプルな思いを話してくれる。その何気なく純粋で強い動機が、その後、周りをも動かしていく。

そこに居るのは単なる「販売員」ではなく、マンガや本を愛するひとりの人間だ。そうやって、おのおのに熱い思いをもった書店員が当たり前に存在することこそが、リアル書店の最大の魅力なのだということに気がつかせてくれる。

「最近、あまり本屋に行っていないな」という方は是非、本作を読んで書店の魅力を再確認してほしい。

文=ネゴト/ たけのこ

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