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【だるい・むくむ・冷える】温泉療法専門医が教える簡単「夏入浴」で、夏バテ解消!

  • 2024.9.3

残暑で、ぐったりしてしまうこの時期。「お風呂に入るのがめんどう」「シャワーですませる」という人も多いのでは?

せっかくお風呂に入るなら、効果的な入浴をしたい。じつは、湯船には夏バテによる疲れやだるさを解消し、心身をリラックスさせる効果があるんです。

そこで、入浴の健康効果に詳しい早坂信哉先生に教わる、夏におすすめの入浴方法をご紹介。その日の疲れをリセットしましょう!


 

入浴が効果的な夏バテ症状

◆疲れが残る・だるい

交感神経を鎮めて心身の疲れを除去
夏の高温多湿の気候は自律神経に負荷をかけ、心身の緊張を保つ交感神経が優位になりやすい状態をつくります。すると、心身を休ませる副交感神経が働きにくくなり、睡眠の質が悪くなったり、疲労やだるさが残る一因に。入浴で体を温めると、副交感神経が優位になり、心身の疲れを取る効果があります。

 

◆冷房冷えによる不調

全身を温めて血流を促し冷えによる不調を改善
冷房がきいた屋内に長時間いると、体が冷えて血流が悪くなり、腰痛や肩こりなどの「冷房病」が起きやすくなります。入浴は全身を温めて血流を促し、冷えを改善するいちばん手軽な方法です。なお、屋外との温度差が大きいことも、体温を一定に保とうとする自律神経が過剰に働き、夏バテの原因になります。

 

◆むくみ・体の重さ

リンパの流れを促し老廃物を排出
夏は冷たいものをたくさん飲んでしまいがち。ところが汗をうまくかけなかったり、冷房冷えで自律神経が乱れていると、余分な水分を排出することができず、体がおもだるく感じる原因に。湯ぶねにつかると、汗をかけるうえ、水圧で血液やリンパが心臓に押し戻され、マッサージしたような効果が。むくみが気になるときほど、湯ぶねにつかるのがおすすめです。


 

冬とは違う!入浴の基本3カ条

まだまだ続く蒸し暑い日の入浴をより快適にして、しかも効率よく温浴効果を得るためには、お湯の温度や湯ぶねにつかる時間など、冬とは違う入浴のコツがあります。

 

①お湯の温度はぬるめの『38℃』

温浴効果をしっかり得るには、気温の低い冬は40~42℃が適温。ところが夏に同じ温度で入浴すると、体温がすぐに上昇して大量の汗をかき、脱水症状のリスクが高まるのはもちろん、のぼせてしまい、温浴効果を得る前にお風呂から出たくなってしまいます。そこで、夏はぬるめの38℃が適温。汗をかきやすい人は37℃でもいいでしょう。

 

②ぬるめのお湯に『20分ほどつかる』

冬は熱めのお湯に10分ほどつかることで、温浴効果をしっかり得ることができます。それに対して夏は適温が38℃とぬるいぶん、お湯につかる時間は長めの20分がおすすめ。湯温が低くても、長めにつかることで体がじわじわと温まり、血流を促して副交感神経をしっかり刺激することができます。

 

③『炭酸系入浴剤』でぬるめの湯でも温感アップ

夏バテ解消のために温浴効果を高めたいなら、夏はぜひ炭酸系入浴剤を使ってみて。皮膚の冷たさを感じるセンサーを鈍らせる働きがあるので、実際の温度より2~3℃温かく感じるそう。血行促進効果が期待でき、ぬるめのお湯に入れると、高めの温度のお湯につかったときに近い「ぬくもり感」や温浴効果を得やすくなります。


 

炭酸系入浴剤はなぜ夏バテにいいの?

炭酸ガスが血流を促す

お湯に溶け込んだ炭酸ガスが皮膚から吸収されると、血管を広げて血流を促す働きをします。ぬるめのお湯につかる夏入浴で炭酸系入浴剤を使うと、血流促進効果を補い、高い印度の湯に近い温浴効果を発揮します。

 

疲労物質の除去をサポート

炭酸ガスには、疲労物質を除去する働きや、副交感神経を刺激して夏の暑さで過敏になった交感神経を鎮める働きも。夏バテでだるさを感じたときに使うと、心身の疲れが取れ、よりリラックスした状態に導いてくれます。

 

炭酸入浴のQ&A

Q.高濃度タイプは体に負担がありそう!?

炭酸系入浴剤の人気が高まり、最近では炭酸濃度の高いものも。市販の入浴剤はきちんと試験を行い、体に影響のない濃度で配合しているので正しい使用方法にのっとって使えば問題ないでしょう。なお、薬効効果が認められた「医薬部外品」を選ぶとより高い温浴効果が期待できます。

 

Q.湯ぶねに入れてからどのくらい効果が続く?

炭酸ガスの効果がお湯に溶かしてから約2時間といわれています。溶かした後は少しずつ効果が薄れていくので、なるべく早く入浴を。なお、家族の入浴時間がバラバラで2時間以上あくと、入浴剤を追加したくなるかもしれませんが、香りが強すぎたり入浴成分が濃くなりすぎる場合もあるので避けて。炭酸ガスの効果は薄れても、温泉成分等の効果は続きます。

 

Q.泡が出ているときが、いちばん効果が高い?

じつは炭酸系入浴剤は、完全にお湯に溶けきると同時に最大限の効果を発揮しはじめます。お湯につかりながら炭酸ガスが解ける様子を見たり、体のこった場所に入浴剤を充てるのが好き、という人もいますが、発泡中にせき込むこともあるので、溶けてからつかるのがベターです。

 

Q.温浴効果を得るならクールタイプは避ける?

夏に人気のクールタイプの入浴剤。清涼感を与える成分が皮膚表面の温感センサーに作用し、ひんやり感を得られるしくみです。血管内部の血流に影響を与えるのもではないので、クールタイプでもきちんと温浴効果を得ることができます。

 

夏入浴におすすめの炭酸系入浴剤

炭酸ガスと炭酸カルシウムを配合。温浴効果を高めて血行を促進し、疲労感や肩こりなどを緩和する。溶けやすいツブタイプ。

きき湯 カルシウム炭酸湯 「医薬部外品」360g 657円(編集調べ)/バスクリン
TEL 0120-39-8496

 

いつものお風呂が高濃度炭酸に。温浴効果を高めて血流の循環を促進。筋肉をほぐして、肩こり、腰痛、疲労回復に効く。

バブ メディキュア ほぐ軽スッキリ 「医薬部外品」 6錠入り 858円(編集部調べ)/花王
TEL 0120-165-696

 

高濃度の炭酸ガスと生薬ジンジャー末、温泉ミネラルを配合。温浴効果を高めて疲労を回復し、体のコンディションを整える。

きき湯ファインヒート レモングラスの香り 「医薬部外品」 400g 877円(編集部調べ)/バスクリン
TEL 0120-39-8496

 

温泉成分と炭酸ガスが温浴効果を高め、血行を促進。肩こり、腰痛、疲労、冷え性に効果を発揮。岡山県の和種薄荷「しゅうび」から抽出したオイルを配合。

温泡 ONPO さっぱり炭酸湯 こだわり薄荷 「医薬部外品」 12錠入り 509円(編集部調べ)/アース製薬
TEL 0120-81-6456


暑さの疲れを吹き飛ばす〈夏入浴法〉。お気に入りの炭酸系入浴剤を見つければ、入浴タイムも楽しくなるかも。
お風呂のチカラで心身を整えてくださいね~!

教えてくれたのは……

早坂 信哉先生

東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医。25年以上にわたり4万人以上の入浴実態を調査。入浴、温泉、サウナなど、温浴について科学的な見地から研究を行っている。著書に『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など。

 

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