『チャングムの誓い』で医女として活躍したチャングムの「その後」!どんな人生を歩んだのか

テレビ東京の韓流プレミアで放送されていた『宮廷女官チャングムの誓い』が、9月2日で最終回を迎えた。本作でチャングムを演じたイ・ヨンエ、ミン・ジョンホを扮したチ・ジニ、朝鮮王朝第11代王・中宗（チュンジョン）を演じたイム・ホなど、多くの名俳優がドラマの中ですばらしい演技を披露してくれた。

ドラマの主人公として描かれたチャングムは、朝鮮王朝の歴史を詳しく記した『朝鮮王朝実録』に「長今（チャングム）」という名前で登場する実在の人物だ。

彼女は中宗のそばに仕える医女だった。『朝鮮王朝実録』には中宗が言った「余の病状は彼女（長今）がよく知っている」という言葉が記されているし、王族女性をよく治療して何度も表彰されていた。長今は中宗や王妃にもよほど信頼されていたと思われる。

その中宗は1544年11月14日の午後から昏睡状態に陥り、11月15日に危篤になった。そして、酉の刻（午後5 時から7 時の間）に世を去った。

そのとき、中宗を見取ったのが長今だ。それは『朝鮮王朝実録』の記述でも明らかだ。

しかし、『宮廷女官チャングムの誓い』では、チャングムが中宗の臨終に立ち会っていない。自分の死を知った中宗が命令を出してチャングムを王宮の外に逃がしていたからだ。それが、王の死によって主治医が処罰されるという慣例を回避できる唯一の方法だったのである。

実際の歴史でも、中宗が亡くなって長今も役目を終えた。中宗は56歳という当時としては十分に生きたし、在位も38年と長かったので、たとえ亡くなっても主治医が厳しく処罰されることはなかっただろう。

そのとき、長今は何歳だったのか。『朝鮮王朝実録』に年齢の記載がないので確かなところはわからないが、長今は1515年の前から医女として王族女性を診るようになっていたので、お役御免になった1544年には少なくとも50代以上であったと推定される。

王宮の医女という役職を解かれた長今は、果たしてどのような晩年を過ごしたのか。おそらく、自ら培った医療技術を他の人たちに向けて役立てたのではないか。つまり、庶民の間に入っていって多くの人たちの命を救ったと思われる。

最初から最後まで楽しんで見ることができた『宮廷女官チャングムの誓い』。イ・ヨンエを始めとする俳優たちの演技は、本当にすばらしかった。

文＝大地康