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【日本三大不動】成田不動尊と目黒不動尊、もうひとつは?それぞれの歴史や不動明王の特徴と見どころ

  • 2024.9.3

不動尊とは、不動明王の尊称です。そのルーツはインド発祥のヒンドゥー教の神様であるシヴァ神といわれています。そんなお不動さんの愛称で親しまれている不動明王ですが、日本三大不動に挙げられるのは、千葉県成田市の「成田山不動尊(成田山 新勝寺)」、東京都目黒区の「目黒不動尊(瀧泉寺)」、熊本県熊本市の「木原不動尊(雁回山長寿寺)」です。今回は、それぞれの歴史や不動明王の特徴、見どころをご紹介します。

空海が掘ったといわれる不動明王が安置される「成田山不動尊(成田山 新勝寺)」(千葉県成田市)

©️AsiaTravel / Shutterstock.com

940年、平将門の乱を鎮めるために寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)によって開山された成田山。大本堂に安置されているご本尊は、弘法大師・空海が一刀三礼の祈りを込めて掘ったといわれる不動明王です。

開山から1,000年以上たった今でも「成田山のお不動さま」として多くの人々から信仰を集め、年間1,000万人を超える参拝客が訪れています。

成田山の広大な敷地には不動明王が安置されているほか、御護摩祈祷を行う中心道場「大本堂」や、真言密教の教えを象徴する「平和の大塔」、漆塗りの彩色が美しい国指定重要文化財の「三重塔」などが点在しており、見どころが盛りだくさんです。

境内にひっそりと佇む「出世稲荷」も要チェック! 商売繁昌、開運成就、火伏せのご利益があるとされ、古くから出世稲荷と呼ばれていますよ。仕事運を高めたい方は忘れずに参拝したいですね。

©️Mei Yi / Shutterstock.com

そして、ぜひとも散策を楽しみたいのが、JR「成田駅」前から約800m続く表参道。成田山みやげの定番の羊羹、団子、ピーナッツなどのお店が並びます。

また、成田の名物は「うなぎ」です。表参道には秘伝のタレを受け継ぐ老舗の料理店が多数あります。成田山不動尊を参拝したあとに、気になる料理店に入り、うなぎに舌鼓を打ちたいですね。道の両脇に置かれている十二支の石像にも注目を! 実は干支ではない「亀」の像もあるそうです。

さらに成田山の境内には、東京ドーム約3.5個分にもおよぶ広大な公園があります。雄飛の滝や竜智、竜樹、文殊という3つの池のほか、松尾芭蕉や高浜虚子といった著名な文人達の句碑も。 新緑、紅葉、雪景色など四季折々の自然を満喫できるのも魅力です。

成田山不動尊(成田山 新勝寺)

住所:千葉県成田市成田1

電話:0476-22-2111

交通アクセス:JR・京成「成田駅」から徒歩10分

慈覚大師によってつくられたとされる秘仏の不動明王が鎮座する「目黒不動尊(瀧泉寺)」(東京都目黒区)

©️Tokyo Visionary Room / Shutterstock.com

目黒不動尊として知られる「瀧泉寺」は、天台宗のお寺です。寺伝によると808年に、慈覚大師・円仁(じかくだいし えんにん)が開山。ご本尊の不動明王像は、同氏によってつくられたとされています。

江戸時代に徳川家光が江戸を護るため、目白・目黒・目赤・目青・目黄の五不動を江戸の5箇所に設置。江戸中期以降、不動信仰が盛んになり、多くの観光客で賑わいました。

しかし、戦後に多くの建物が焼失。本尊と本尊所持の「天国の宝剣」は奇跡的に難を逃れましたが、本堂は1981年に再建されたものです。

©️Tokyo Visionary Room / Shutterstock.com

目黒不動尊を訪れたら必見なのは、慈覚大師が仏具の独鈷(とっこ)を投げたところ、泉が湧き滝になったと伝えられる「独鈷の滝」。滝前に鎮座する「水かけ不動明王」に水をかけて祈ることで、願いが叶うといわれています。

また縁結びのパワースポットとして知られる本堂の左手奥の「愛染明王」にも手を合わせたいですね。男性は右側から反時計回り、女性は左側から時計回りにまわることで、縁結びのご利益があるとされています。

本堂の右手には、「延命地蔵尊」、本堂裏には「大日如来」も鎮座。そのほか、東京都指定文化財の「前不動堂」、聖観音・千手観音・十一面観音を祀る「観音堂」、阿弥陀三尊を祀る「阿弥陀堂」など、見どころがいっぱいです。

なお、ご本堂に鎮座する不動明王は秘仏で、12年に一度の酉年に開帳されるため、普段はお目にかかれません。とはいえ、“あらゆる災難厄難を除けて、福となす”といわれる不動明王に向けて、真剣に願いを伝えたいですね。

毎月28日の不動縁日には、露店が並び、大いに賑わうため、この日を狙って訪れるのもいいでしょう。

目黒不動尊(瀧泉寺)

住所:東京都目黒区下目黒3-20-26

電話:03-3712-7549

交通アクセス:東急目黒線「不動前駅」から徒歩10分

 

最澄が一刀三礼して刻んだとされる不動明王立像がご本尊の「木原不動尊(雁回山 長寿寺)」(熊本県熊本市)

782~806年、天台宗の開祖である最澄(さいちょう)によって開山されたといわれる「木原不動尊」。正式名称「雁回山 長寿寺」、天台宗に属する比叡山延暦寺の末寺です。

ご本尊は最澄が一刀三礼して刻んだとされる不動明王立像。この不動明王は、かつて大かんばつに苦しんだ地域の住民を救ったことから「水引不動」とも呼ばれています。さらに、源為朝(みなもと の ためとも)が木原山に築城した際、この不動尊を信仰し、祈祷所としたという話も。

またこの不動明王は秘仏であり、普段は厨子の中に安置されていますが、毎月28日の縁日に開帳されます。

木原不動尊で見逃せないのは、毎年2月28日に開催される「春季大祭」。ご本尊のご開帳はもちろん、大護摩供、火渡り、湯立て、湯浴びといった大荒行が行われます。この日は1年でもっとも多くの参拝客が訪れるそうです。

護摩木を読経とともに燃やし、おき火の上を修験者が素足で歩く「火渡り」は圧巻! 煮えたぎる釜の中に笹を敷き、湯気が上がる中に座り込む「湯立て」、その笹が振られて釜の中の熱湯を浴びる「湯浴び」も驚愕です。

修験者が渡ったあとのおき火を参拝者が裸足で歩くと、一年を無病息災といわれていますよ。この日に木原不動尊を参拝に訪れたら、ぜひトライを!

さらに木原不動尊の境内から車で約5分の場所には奥の院があり、阿弥陀如来・観世音菩薩・勢至菩薩・不動明王・毘沙門天の五体が祀られています。奥の院は木原山(雁回山)山頂に位置するため、熊本平野を一望できるのがポイントです。時間が許せば、あわせて訪れてみてくださいね。

木原不動尊(雁回山 長寿寺)

住所:熊本県熊本市南区富合町木原2040

電話:096-357-4515

参拝時間:7:00~17:00

交通アクセス:JR鹿児島本線「宇土駅」から熊本バス城南行きで約10分「木原不動尊前」下車

[参考]

FEEL 成田|成田市観光協会 公式サイト

ちば観光ナビ|千葉県公式観光サイト

目黒区

めぐろ観光まちづくり協会

しながわ観光協会

もっと、もーっと!くまもっと。|熊本県公式観光サイト

熊本市富合町

[Photos by Shutterstock.com]

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