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今、最も演技が上手い国宝級イケメンは? 大躍進期待の逸材俳優(5)眩いキラキラ感…逸話も輝きを放つのは?

  • 2024.9.3

日本芸能界に欠かせないイケメン俳優たち。ステージで歌って踊るアイドルも輝いているが、スクリーンの中で真剣に芝居をする俳優もまた違った魅力を放っている。そこで今回は、これから日本映画界を牽引していくであろう20代イケメン俳優をセレクトして、それぞれオススメの1本を厳選して紹介する。第5回。(文・野原まりこ)

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俳優の鈴鹿央士
俳優の鈴鹿央士Getty Images

【注目ポイント】

人気俳優が芸能界に入るきっかけとして最もポピュラーな理由が、事務所のマネージャーによるスカウトではないだろうか。やはり人気俳優は、芸能界に入る前から特別な輝きを放っているということだろう。物語の書き出しから、すでにキラキラしている。

しかしそんな中でも、最も輝かしい書き出しで物語をスタートさせたのが、鈴鹿央士である。

当時、岡山の高校に通う普通の男子高校生だった鈴鹿央士だが、彼の通う学校が、広瀬すず主演の映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』のロケ地として選ばれた。

鈴鹿もエキストラとして撮影に参加していたが、その際に広瀬すずの目にとまり、後日マネージャーを通してスカウトされたという。まるでおとぎ話の中の話のような本当のエピソードだ。

その後大学進学を機に東京へ上京すると、本格的に俳優業を始め、ドラマや映画などの、映像を中心に活動する。

2022年に放送され社会現象を巻き起こした川口春奈主演、SnowMan目黒連出演のドラマ『silent』にレギュラー出演したことで、一気に知名度を上げた。

彼の持つ優しげな雰囲気と役柄とがマッチした芝居が泣けると話題になり、ただの話題性だけでなく、実力派俳優の仲間入りを果たした。

●鈴鹿央士の演技を堪能するためのお勧めの一本

『蜜蜂と遠雷』(2019)

直木賞と本屋大賞をダブル受賞した、恩田陸の同名小説が原作の本作。

かつて天才少女と呼ばれたが、母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった栄伝亜夜。家族を養いながら楽器屋で働く、コンクール年齢制限ギリギリの高島明石。名門音楽院に在籍するマサル・C・レビ=アナトール。世界最高峰の天才ピアニスト推薦の謎の少年ピアニスト風間塵。

4人のピアニストが互いに刺激し合い、成長していく物語だ。

本作は、エキストラで参加した『先生!、、、好きになってもいいですか?』を除く、鈴鹿央士の映画初出演作品。オーディションを勝ち抜き、見事に天才ピアニスト・風間塵の役を勝ち取り、主演の松岡茉優、共演に松坂桃李、森崎ウィンといった実力派俳優と肩を並べて堂々とした演技を披露した。

本作を鑑賞してまず驚いたのが、鈴鹿央士のキュルキュルとしたお顔であった。ただ勘違いしないでほしいのが、単純に彼の顔の美しさを褒めていることではないということだ。

風間塵という役の、ピアノに対する純粋な愛情しかないとでもいうようなピュアさが表情に表れているのだ。まだ傷ついたことのない、赤ちゃんのようなまっさらでふわふわとした表情には汚れがない。

セリフには多少たどたどしさを感じるも、しっかりと自分の言葉として吐き出しており、下手であるとは思わない。むしろ、映画初出演で、天才ピアニストというプレッシャーのかかる役をよく演じきったと賞賛を送りたい。

さらにピアノを前にした時の悦の表情、真剣に演奏する熱い眼差しも、彼の目の前からは白と黒の鍵盤以外はシャットアウトされ、世界中に1人きりになったかのような、不思議な世界観を作り上げている。

彼の物事に対する純粋な眼差しは、観客を物語の世界へ導くことができる、稀有な存在だ。

そして本作での芝居が高く評価され、報知映画賞で新人賞、ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞、日本アカデミー賞で新人俳優賞、毎日映画コンクールでスポニチグランプリ新人賞を獲得し、輝かしい経歴をスタートさせた。

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