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岡田准一“井上”がフラッシュバックを乗り越え“守る価値のない?”首相を警護する<SP>

  • 2024.9.2
「SP 警視庁警備部警護課第四係」 (C)フジテレビ
「SP 警視庁警備部警護課第四係」 (C)フジテレビ

【写真】身も心も強い岡田准一のファイティングポーズ

強い男の頼もしさは、身体能力と精神的限界を突破したときに発揮される。それが分かるのが、現在FODで配信中の岡田准一主演連続ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」(2007年、フジテレビ系にて放送)。第9~11話で描くエピソード4は、井上(岡田)と尾形(堤真一)らSPが麻田総理(山本圭)をテロリストから守るという緊迫感に満ちたクライマックスストーリー。アクション俳優として名高い岡田の動きは圧倒される。(以下、ネタバレが含まれます)

20年前に両親を刺殺した山西が出所

懐かしいドラマを一気見できる時代は、自分が見たい気分に合わせて視聴できて良い。FODでは、人気のフジテレビドラマを続々と配信する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中。お気に入りの作品を探すのに適したキャンペーンだ。

「SP―」は、後に「SP THE MOTION PICTURE 野望篇」(2010年公開)と「SP THE MOTION PICTURE 革命篇」(2011年公開)の劇場版まで公開された人気シリーズ。スピード感のある展開で、テロリストから警護対象を守るSPたちの活躍が描かれる。

第9話から最終話の11話までは、主人公・井上にとって過去のトラウマと向き合わざるをえなくなった事件の物語。麻田首相に対するテロ及び井上の両親刺殺のため20年服役していた山西(平田満)は、出所した後1週間監視していた公安・田中(野間口徹)の監視が終わったことを確認し、麻田首相が参加するイベント会場へ向かう。

永正大学・永正記念館落成式当日の朝。井上は麻田首相の警護を命じられ上の空の様子。それを気にしつつも準備を始める尾形、そして石田(神尾佑)、笹本(真木よう子)、山本(松尾諭)。また同じ頃、昨夜強奪した拳銃を持つ山西、前晩から狙撃銃をスーツケースに隠し会場に潜む謎の男(古山憲太郎)、そしてナイフを持った大男(三代目魚武濱田成夫)が、それぞれ動き出していた。

首相を狙う男らをSPたちが命がけで封じる

会場にたくさんの来賓や見学客が集まる中、麻田首相一行が現れて式典が始まった。強い目まいと頭痛に襲われ苦痛に顔をゆがめる井上は、もうろうとした目で麻田を見つめる。井上の脳裏には、20年前の惨劇と麻田の口元に浮かぶ笑みがフラッシュバックし視界が二重にゆがんでいた。

ここからの展開が凄まじい。クラシック音楽が流れる中、テロリストが襲ってくるシーンが印象的な今作。最終エピソードの首相が襲われる直前には「威風堂々」のBGMが流れ、観客の盛大な拍手に迎えられて麻田がステージに立った。観客に紛れていた大男の存在に気づいたSPたち。静かにステージへ近づいていく山西。屋上に身を潜めていた謎の男も、ステージ上の麻田の胸に狙撃の的を絞る。その時、銃声が鳴り響くのだった。

ナイフを持った男と格闘した井上はフラフラになりながら麻田を連れて音楽ホールに逃げ入るが、山西に追いつかれてしまう。山西は「その男は命をかけて守る価値のない男だ」と20年前に麻田が自分を陥れたことを告げ、井上がその時に自分が刺殺してしまった2人の子供だと知り「麻田を護る理由がない」と一層強く訴える。

自分の両親が死ぬきっかけを作った男と両親を刺した張本人を前に、井上が自らのSP論を語るシーンが感動的である。どんな信念を持って、その仕事に就いているのか。井上のまっすぐな思いに心が揺さぶられるだろう。迫力があり、スタイリッシュに仕上がっている今作の一番アツいシーンが味わえる最終エピソードだった。

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