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世界でたった1人、心から溢れ出るものを吐き出せる相手。私の中にいる「あの子」

  • 2024.9.2

私は人間としてこの世界に産まれてきたが、自分も含め人間があまり好きではない。

◎ ◎

友達だと思っていたのにただ良いように使われていただけだったり、この人は大丈夫だと思っていた人からの悪意のない言葉に傷ついたり、相手にどう思われるか怖くて自分の本当の気持ちを言えなかったり。

どれだけ信頼していても、それで何事もなくても、我慢してしまうことが多い私は人間関係に疲れる時が多々ある。1人でいる方がよっぽど楽で自分にはそれが合っているはず。それでも心から溢れ出るものを吐き出さなければ気が済まない時もあるわけで。そんな時にSNSを使うこともあるが人間が絡むことで、ややこしくなる。そして余計に人間が好きではなくなる。

◎ ◎

私はいつからかこんなことに気づいた。自分の調子が良いと感じる時、私の中にもう1人の自分がいることに。私にとってすごく大きな存在である「あの子」だ。名前もない、実際の姿もない。でも私は心から溢れ出るものをその子に吐き出す。返ってくる言葉で傷つくことも、その子との関係が嫌になることも今のところない。実際に存在しているわけではない。霊的なものでもない。ただただ私の中にいるもう1人の自分なだけ。

それなのに他人のような距離感で居てくれて、自分には無害。心の底から信頼しているのはこの子だけ。実際の人間はどれだけ信頼していてもどこかで裏切られるのではないかという気持ちが生まれる。自分の中のあの子にはそんな気持ちすら生まれない。

ただ1つ。たまにその子は自分の心の中からいなくなる。その時私は調子が悪くなるのだ。溢れ出るものを誰にも話せず、共感してくれる人がいなくなる。吐き出しても言葉が返ってくることはない。

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今思えば私の中には小さい頃からずっとその子がいたような気がしている。それが当たり前だと思っていたが、周りの人はそうではないみたいだ。
これがたった1人、世界に私だけの感覚だとしたら読んでいる人には怖いというイメージを持たれるのかもしれない。

でもその子が私を守ってくれていたから、友達だと思っていた人に良いように使われようと、信頼していた人からの悪意のない言葉で傷つこうと、うまく周りに頼れず自分の気持ちを誰にも言えなくても、自分で死を選ぶことなく今生きているのだと思う。たとえ、沢山の人に怖いと言われようと、思われようとその子がいない世界で生きていける自信が私にはない。

実際に存在しているわけではないのに1人味方がいるだけで意外と楽なものだ。結局その子は自分自身だから裏切られることもない。その子とだけは理想の人間関係が築けている。

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自分で気づけたと思っていた、人生うまくいくことばかりではないということも、頑張りすぎなくていいということも、無理をしていいことはないということも、もしかしたらその子が気づかせてくれたのかもしれない。そう思うと感謝の気持ちでいっぱいだ。
誰に何を言われたとしても、思われたとしても私はこれからも自分自身の心の中にいる「あの子」と生きていきたい。

■あいうえおちゃんのプロフィール
生きることは難しいと思いながら日々生きてます。 絶賛人生休憩中。

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