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人気再燃の「5x5ワークアウト」5回を5セットやるのがいい理由とその効果を解説

  • 2024.9.6

5回を5セットが流行っているのは一体なぜ?

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dusanpetkovic

世の中には、流行っていても異常に複雑だったり見るからに危険だったりでスルーするべきトレーニング方法が数多くあるけれど、5x5ワークアウトだけは試してみる価値がある。

ショッキングな要素でSNSのユーザーの気を引くタイプのトレーニング方法と違い、5x5ワークアウトは基礎的なファンクショナルトレーニング(日常生活で使う動作を模したエクササイズで筋肉をつけるトレーニング)を取り入れた単純明快な筋トレ方法。

流行り出したのは最近だけれど、StrongLifts 5x5 Workout Programとしても知られる5x5ワークアウトは筋トレ愛好者に何十年も用いられてきた。でも、TikTokをはじめとする拡散力の高いプラットフォームのおかげで、その人気が再燃している。

そこで今回は、このトレーニングを始める前に知っておくべきことを専門家が教えてくれた。今回の内容はイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

5x5ワークアウトとは?

Peter Dazeley

「5x5ワークアウトは、その分かりやすさと有効性で人気を博した確実なトレーニング方法です」と説明するのは、フィットネスクラブThird Spaceに所属するマスタートレーナーのルーシー・コーワン。このメソッドは筋力と筋量を増やすだけでなく全体的な健康状態も改善するということで、トレーナーやフィットネスエキスパートが勧めることも多いそう。

フィットネスジムDabbs Fitness創業者のジェームズ・ダブスによると、ここで言う5x5は、それぞれのエクササイズを5回ずつ5セット行うということ。

5x5ワークアウトで用いられるエクササイズは、複数の関節を使って主要な筋肉群を鍛えるコンパウンドエクササイズ(バックスクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど)で、セット間では必ず90秒の休憩を取る。コーワンいわく5x5ワークアウトでは、回数を少なめにしてウエイトを重ためにすることで、効率的に筋力アップが図れるそう。

5x5ワークアウトで使われる典型的なエクササイズ

Peter Stark

「5x5ワークアウトは通常、主要な筋肉群を鍛える3~5種類のコンパウンドエクササイズで構成されています」とコーワン。例えば、以下のようなコンパウンドエクササイズ。

・スクワット:下半身の中でも特に大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋を鍛える基本的なエクササイズ。

・ベンチプレス:胸、肩、三頭筋を狙うベンチプレスは、上半身の筋力強化に効果的。

・バーベルロウ(ベントオーバーロー):背中上部と二頭筋を鍛え、姿勢の改善と上半身の筋力強化を目的とするエクササイズ。

・オーバーヘッドプレス:肩と三頭筋のエクササイズ。体幹も安定してくる。

・デッドリフト:ほぼ全ての筋肉群が使われるけれど、背中、脚、体幹には特に効く。

セット数とレップ数

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前述の通り、5x5ワークアウトでは、それぞれのエクササイズを5回ずつ5セット行う。

「このフォーマットなら、体が強くなるにつれて重量を少しずつ増やしていけます。これは筋肉と筋力を効果的につけるカギですよ」とコーワン。「決して楽ではないけれど5セットは続けられるくらいの重量で始め、そこから徐々に重量を増やしていくのが上達の秘訣です」

5x5ワークアウトに時間制限はなく、正しいフォームで1回ずつ積み重ね、セット間で最低90秒の休憩を取ればいい。コーワンいわく通常の所要時間は45~60分。「ケガを防いでトレーニングの効果を最大限に引き出すためにも、エクササイズは慌てずに正しいフォームとテクニックで行いましょう」

5x5ワークアウトはなぜ人気?

Tatomm

5x5ワークアウトの人気が再燃している最大の理由は恐らく、フィットネス業界のインフルエンサーたちがSNSで話しているから。でも、コーワンによると、このトレーニング方法が長年にわたって人気を維持している理由は数多くある。例えば:

・有効性:コーワンいわく「筋力と筋量が明らかに増すから」という理由で5x5ワークアウトを続けている人は多い。

・分かりやすさ:「5x5ワークアウトは分かりやすいので、フィットネスのレベルを問わず誰にでも始められます」とコーワン。「複雑なルーティンや器具を必要としないため、リフティングの初心者にとっても上級者にとっても魅力的なメソッドです」

・時間効率のよさ:他の方法で筋トレをするときほど時間がかからない。

・科学的根拠:「5x5ワークアウトは真っ当な運動科学の原則に基づいています」とコーワン。「大事なのは徐々に重量を上げていくこと。これは筋力と筋量をつける確実な方法です」。これまでの研究から、重量とレップ数を段階的に増やすのは、筋肉の適応を促す有効な戦略であることが分かっている。

・汎用性:5x5ワークアウトの内容は個人のニーズや目標に合わせて変えられる。「その人の目標が筋力アップでも、ボディメイクでも、総合的なフィットネスの向上でも大丈夫です」とコーワン。

・最小限の器具:ジムが混んでいて目当てのマシンが3人待ちだったりするときは空いている器具(ダンベル)で済ませたいし、家で気楽に鍛えたいときもある。5x5ワークアウトは特別なツールを必要としないので、いつでもどこでもできるシンプルなトレーニングを探している人には魅力的なオプション。

5x5ワークアウトの有効性は?

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これは場合によりけり。ワークアウトの効果は、さまざまな不確定要素(手元にある器具の種類、その日の体調や気分など)で上がったり下がったりする。5x5ワークアウトの有効性の判断には、あなたの目標も関わってくる。

その証拠として5x5ワークアウトは、マラソン大会に向けたトレーニングとしては不適切。でも、筋力と筋量のアップ(筋肥大)を目指す人にとっては効果的。「最大筋力と1RM(1回しか持ち上げられない重量)を上げたい人には最高のメソッドです」とダブス。「筋トレのインストラクターが筋力強化のフェーズで使うメソッドとしても最適ですよ」

ダブスによると、5x5ワークアウトはパワーリフティングでスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの自己ベスト更新を狙う人に用いられるケースが多いけれど、だからといって筋力を全体的に高めたいという人にも向いていないわけじゃない。

「5x5ワークアウトでは、レップ数が5回と少ないぶん10回のときより重いウエイトが使えます。重量ととレップ数が増せば、そのぶん大きな筋力アップが図れるというわけですね」

もちろん、優れたプランさえあればトレーニングの効果が高くなるわけじゃない。5x5ワークアウトでは漸進性過負荷(プログレッシブ・オーバーロード)の原則に従って、重量を徐々に増やしていく必要がある。リカバリーを優先し、ワークアウト前後の燃料補給を怠らず、十分な休息を取ることも大切(詳細は後ほど)。

5x5ワークアウトは、どんな人に向いている?

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skynesher

5x5ワークアウトは万人向けのメソッドじゃないけれど、筋力アップを目指す人と以下の人には有益と言えるかも。

・筋肉を大きくしたい人(筋肥大を目指す人):「5x5ワークアウトはレップ数が少なめですが、漸進性過負荷の原則に従っている限り筋肥大は可能なので、筋量を増やしてくっきりさせたい人には適しています」とコーワン。

・時間効率の良いワークアウトを求めている人:5x5ワークアウトは、限られた時間の中で効率よく筋力とフィットネスレベルを高めたい人にピッタリ。「このメソッドは複雑なルーティンに比べると所要時間が短めです」とコーワン。

・アスリート:コーワンによると、筋力とパワーを要するスポーツ(フットボール、レスリング、パワーリフティングなど)のパフォーマンスを高めるために5x5ワークアウトを取り入れるアスリートは少なくない。

・機能的な身体能力を高めたい人:5x5ワークアウトは日常生活で必要な動作(例:しゃがんで荷物を持ち上げる)を模したコンパウンドエクササイズで構成される。そのため、このワークアウトを続けていると「機能的な身体能力が向上します」とコーワン。「その結果、日常的なタスクをこなすのが楽になり、ケガのリスクも下がります」

・停滞期を脱したい人:「筋トレで伸び悩んでいる人は5x5ワークアウトをするといいかもしれません」とコーワン。「重量を徐々に増やすことで停滞期を脱しやすくなりますよ」

・筋量と筋力を維持したい人:コーワンによると、5x5ワークアウトは筋トレに重点を置いているため、加齢による筋力の低下を防ぎ、骨密度を維持する上で役立つ。筋量と筋力を維持したい人にはオススメのメソッド。

「5x5ワークアウトで良い結果が出るかどうかには、栄養管理、休養、一貫性などの要素も関係していることを覚えておいてくださいね」とコーワン。

5x5ワークアウトは初心者向け?

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Nikola Spasenoski

これに関する専門家の意見はまちまち。筋トレの初心者には良いと言う人もいれば、リフティングの未経験者には相応しくないと言う人もいる。

「5x5ワークアウトは、どちらかというとリフティングの中級者から上級者向けのメソッドです」とダブス。「5x5ワークアウトで重量を徐々に増やすのは、レップ数が8~12回のトレーニングで、ベースとなる筋力とテクニックを身に付けてからにするべきでしょう」。5x5ワークアウトのポイントは5回しか持ち上げられない重量を扱うことにあるので、ケガを防ぐためにも、正しいテクニックと正しいフォームで所定のエクササイズを所定の数だけ繰り返す能力を身に付けておかねばならない。

だからといって、5x5ワークアウトを初心者向けにすることが不可能なわけではないけれど、その場合は負荷よりフォームを重視して、重量を大幅に減らしたりレップ数を調節したりする必要がある。

「5x5の形式で行うエクササイズは1つだけ(例えばバックスクワットだけ)にして、他のエクササイズは8~10回の形式にすることで、全体的な負荷を減らすのは方法の1つですね」とダブス。「5x5の形式で行うエクササイズを2~3個にすることも可能ですが、その場合は負荷が非常に高いので、十分なリカバリーとプログラム管理が必要です」。以下のようなイメージで重量を徐々に増やし、5セット全体の負荷を減らすのも悪くない。

・セット1:5x10kg デッドリフト

・セット2:5x15kg デッドリフト

・セット3:5x20kg デッドリフト

・セット4:5x25kg デッドリフト

・セット5:5x30kg デッドリフト

筋トレ中級者向けの5x5ワークアウト

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Kmatta

「筋トレの中級者が5x5ワークアウトを用いれば、効率的に筋力を強化することができます」とコーワン。「このレベルになれば、特定の目標や弱点克服のためにエクササイズの数を増やしたり、さまざまなバリエーションや補助的なエクササイズを取り入れたりして、プログラムをカスタマイズすることも可能でしょう」

コーワンによると、中級者は5x5ワークアウトをフェーズ分けすると停滞期に入りにくい。「フェーズ分けは、目標の達成に向け、ワークアウトの中・長期的な計画を立てる際に使われる方法です。この方法ではトレーニングを複数のフェーズに分けて、それぞれのフェーズにフォーカスと目的を持たせます」

筋トレ上級者向けの5x5ワークアウト

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zoranm

「筋トレの上級者なら、停滞期を脱したり筋力を維持したりする目的で、5x5ワークアウトを戦略的に使うことができるでしょう」とコーワン。

「5x5ワークアウトそのものの難易度を上げてもいいですし、他のトレーニングメソッド(パワーリフティングや重量挙げ)と組み合わせてもいいですよ」

個人の目標次第では、5x5ワークアウトを土台にして、その上に自分のニーズに合ったトレーニングブロックを加えていくことも可能。「5x5ワークアウトの枠組みは調節がききやすく、その人の目標に応じてエクササイズの種類、セット数やレップ数、休憩時間を変えられます。上級者の中には、5x5ワークアウトを他のトレーニングメソッド(有酸素運動、柔軟性のトレーニング、特定のスポーツの練習など)と組み合わせ、包括的なフィットネスプログラムに仕立てている人もいます」

5x5ワークアウトの難易度を変えるには?

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Edwin Tan

5x5ワークアウトの難易度は、いくつかの要素を調節することで簡単に上げ下げできる。

難易度を下げたいときは

・重量を下げる:持ち上げる重量を減らせばワークアウトに無理がなくなり、テクニックに集中できる。

・休憩時間を長くする:「セット間の休憩時間を延ばしてリカバリーを促進しましょう」とコーワン。「重ためのウエイトで筋力アップを図っているときは特に有効な手段です」

・セット数を減らす:通常は1セッション5セットのところを2~3セットにしてみよう。5x5ワークアウトではなくなるけれど、全体的なボリュームが減るぶん楽になる。

・レップ数を変える:「セット数を減らす代わりにセットあたりのレップ数を増やすのもいいですよ」とコーワン。「強度が減る一方で筋持久力が鍛えられます」

・負荷の低いエクササイズを選ぶ:負荷が低めでシンプルなエクササイズを選ぶのも◎。バックスクワットがきつすぎて正しいフォームを維持できないときは、ゴブレットスクワットや自重スクワットでスキルを磨こう。

・補助的なエクササイズを使う:「補助的なエクササイズを取り入れて、メインのコンパウンドエクササイズに必要な力を身に付けましょう」とコーワン。「レジスタンスバンドや自重エクササイズで筋力とフォームを改善しておけば、バーベルを持ち上げるのも楽になります」

難易度を上げたいときは

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Matt Anderson Photography

・重量を上げる:「5x5ワークアウトの強度を上げる一番簡単な方法は、持ち上げる重量を増やすことです」とコーワン。「筋力がつくにつれ、それぞれのエクササイズに少しずつ重量をプラスしていきましょう」

・休憩時間を短くする:コーワンによると、セット間の休憩時間を短くすればワークアウトの強度が高くなる。ただし、休憩時間が短すぎると、ケガのリスクが高くなるので注意が必要。スポーツ医学専門誌『Sports Medicine』掲載の論文によると、1RMの50~90%の負荷でリフティングをする場合のセット間の休憩時間は3~5分が理想的。

・補助的なエクササイズを追加する:「特定の筋肉群や動作をターゲットにしたエクササイズやバリエーションを追加しましょう」とコーワン。「例えば、ランジ、プルアップ、プランクなどを“おまけ”のエクササイズとして追加すると、ワークアウト全体の複雑さが増します」

・セット数を増やす:実質上5x5ワークワウトではなくなるけれど、セット数を5セット以上に増やすのもあり。「1~2セット増やせば、ワークアウトのボリュームがアップして難易度が高くなります」とコーワン。

・レップ数を変える:従来の5x5ワークアウトは5回を5セットで構成されていますが、レップ数を変えることも可能です」とコーワン。「例えば、その構成を6x4(6回を4セット)や5x3(5回を3セット)にしてみると、また違った難易度が楽しめますよ」

・エキセントリックトレーニングのメソッドを用いる:コーワンによると、リフティングのエキセントリックなフェーズ(下げる動作)では筋損傷と筋肥大が加速する。「この下げる動作をスローダウンさせてみましょう」

ワークアウトで結果を出すカギは、その内容を自分の目標とフィットネスレベルに合わせること。「上記の要素を調節すれば、進歩を促すために難易度を上げたり、リカバリーや筋肉の適応を促すために難易度を下げたりしながら、5x5ワークアウトを自分のニーズに合わせることが可能になります」

5x5ワークアウトに伴うリスクは?

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Artem Zakharov

自分に合った重量を選ぶなどの安全対策と準備をしている限り、5x5ワークアウトは大多数の人にとって安全なトレーニング。とはいえ、どんなエクササイズにもリスクは付き物。

5x5ワークアウトを始めるときは以下の点に注意しよう。

・ケガのリスク:「重たいウエイトを使って行うコンパウンドエクササイズにはケガのリスクが伴います。フォームとテクニックが間違っているときは特に危険です」とコーワン。「ケガのリスクを下げるには、無理のない重量で始め、少しずつ負荷を上げていくことが絶対不可欠。リフティングの初心者はパーソナルトレーナーからコツを学ぶといいでしょう。5x5ワークアウトの内容を複雑にする場合は別ですが、マンツーマンのセッションを数回受ければ1人でも安全にトレーニングができるようになりますよ」

・オーバートレーニング:休養とリカバリーに充てる時間をケチっていると、「身体的・精神的な疲れが溜まり、パフォーマンスが低下して、ケガのリスクが高くなります」とコーワン。これがいわゆるオーバートレーニング症候群。

・既存のケガや病気:背中や関節のケガがある人や心血管系の持病がある人は、筋トレで病状が悪化しないよう始める前に必ず医師に相談すること。

・ウォームアップ不足:「リフティング前のウォームアップを怠ると、肉離れや関節のケガのリスクが高くなります」とコーワン。「トレーニングの前には必ず入念なウォームアップをしてください」

初心者や高齢者、妊娠中の人、ケガの既往歴のある人は細心の注意が必要なので、筋トレをするのは医師やヘルスケアの専門家の指導が受けられる場合のみにとどめておこう。

5x5ワークアウトを取り入れる利点とは?

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aldomurillo

5x5ワークアウトには、筋力と筋量が増す以外にも数々の利点がある。例えば……

・姿勢が良くなり、体が安定してくる:「5x5ワークアウトには十中八九、体幹を鍛えて姿勢を良くするエクササイズが盛り込まれているので、続けていると体の安定性が高くなり、ケガのリスクが低下します」とコーワン。

・骨密度が高くなる:5x5ワークアウトのようなレジスタンストレーニングは、骨の成長を促して骨密度の低下を防いでくれる。コーワンによると、これは丈夫な骨を維持する上で大事なこと。「年を取ってからは特にそうです」

・パフォーマンスが向上する:コーワンいわくアスリートには、パワー、筋力、敏しょう性を向上させ、結果的にスポーツのパフォーマンスを高めるために5x5ワークアウトを取り入れる人が多いそう。

・自信がつく:5x5ワークアウトで筋力や筋量がアップすれば自分に自信がつくし、大きな達成感も得られる。

「だたし、個々の結果は遺伝、食生活、睡眠、ライフスタイルなどの要素に応じて大きく変わります」とコーワン。

「具体的な目標(目指すものが筋力の向上なのか、筋量の増加なのか、全体的な健康状態の向上なのか)も個々の結果に影響します。そして、一貫性、正しいフォーム、規則正しくバランスの良い食生活も、5x5ワークアウトから期待通りの結果を得る上で重要な役割を果たします」

5x5ワークアウトの始め方は?

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Crispin la valiente

5x5ワークアウトの始め方は目標や経験値によって何通りもあるけれど、この手のトレーニングが初めての人は、最初の2セットで重量を少しずつ、いまの自分にとって最大の重量まで上げていくアプローチを取るといい。例えば、こんな感じ。

・セット1:10kgx5
・セット2:20kgx5
・セット3:30kgx5
・セット4:30kgx5
・セット5:30kgx5

「5x5ワークアウトに慣れて自分のレベルが分かってきたら、5セット全部、似たような重量にしても構いません」とダブス。

「どのエクササイズを選ぶかは、その週でフォーカスする体の部位によりますが、基本的には下半身のエクササイズと上半身のエクササイズを1つずつ選んで5回を5セット行うといいでしょう。それに加えて補助的なエクササイズ(おまけ)を2~3個選び、3回を8~10セット行いましょう」

ダブスは、次のワークアウトAとワークアウトBを交互にするよう勧めている。

ワークアウトA

・バックスクワット 5x5

・ベンチプレス 5x5

おまけ:

・ヒップスラスト 3x10

・トライセップ・エクステンション 3x10

・体幹エクササイズ

ワークアウトB

・ルーマニアンデッドリフト 5x5

・プルアップ(必要ならアシスト付きで) 5x5

おまけ:

・スプリットスクワット 3x8・TRXロー 3x10

・体幹エクササイズ 

初心者向けのウィークリースケジュール

1週目

・月曜日:ワークアウトA

・火曜日:休養日

・水曜日:ワークアウトB

・木曜日:休養日

・金曜日:ワークアウトA

・週末:休養/スポーツ/ハイキング

2週目

・月曜日:ワークアウトB

・火曜日:休養日

・水曜日:ワークアウトA

・木曜日:休養日

・金曜日:ワークアウトB

・週末:休養/スポーツ/ハイキング

トレーニングブロックを完了するまで1週目と2週目を交互に繰り返そう。

これから5x5ワークアウトを始める人へ! エキスパートから11のアドバイス

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AzmanJaka

1.ベースとなる筋力とテクニックを先に身に付ける

「5x5ワークアウトはかなり高度で、テクニックや神経系が十分に鍛えられていない状態で行うと、あまり効果が見込めないメソッドです」とダブス。「レップ数が最大10回のときと最大5回のときでは、感覚が大きく違ってしかるべき。5回を5セットでも10回を3セットでも感覚的に変わらないなら、10回を3セットで筋力をつけていけばいいでしょう。レップ数が8回や10回のときよりもはるかに重いウエイトで最大筋力を高めてこそ、5x5ワークアウトをする意味がありますからね」

2.フォームに集中する

いくら人気でも、勢いだけで5x5ワークアウトを始めるのは逆効果。「重たいウエイトを持ち上げることよりも、正しいフォームとテクニックを身に付けることのほうが大事です」とコーワン。「重量は、フォームを崩さずに5回x5セットを終えられるくらいのものを選びましょう。ケガを防いで強い土台を作るためには、正しいフォームが不可欠です」

3.エクササイズを賢く選ぶ

オススメはバックスクワット、デッドリフト、ベンチプレスなどのコンパウンドエクササイズ。「ちなみに、5x5ワークアウトのエクササイズは2~3種類で十分です」とダブス。「5x5の形式で行うエクササイズは1つだけにして、あとはレップ数が多めのエクササイズで補うというアプローチでもOKです」

4.しっかりウォームアップする

「ワークアウトの前には必ず入念なウォームアップの時間を設けてください」とコーワン。「ウォームアップにはモビリティ系のエクササイズと有酸素系のエクササイズ(ジョギングやサイクリング)を取り入れて血流を増やし、筋肉と関節が動ける状態にしておきましょう。これがケガの予防とパフォーマンスの向上につながります」

5.目的を意識する

ダブスによると、トレーニングの主な目的が筋力強化にあるのなら、5x5ワークアウトは非常にオススメ。「ですが、筋トレに加えてランニングや水泳もしたい人や、もっと頻繁にトレーニングをしたい人にとってはイマイチかもしれません。重たいウエイトを使うだけあって、5x5ワークアウトは疲れますから。5x5ワークアウトは筋力強化に特化したメソッドです。トレーニングのメソッドは目的に合わせて選びましょう」

6.重量の増やし方を誤らない

5x5ワークアウトで結果を出すには、適切な重量を適切に増やしていくことが大切。「重量は慌てず徐々に増やしていきましょう」とコーワン。「一般的な経験則では、その重量で予定されたレップ数とセット数を難なくこなせるようになってきたら、それぞれのエクササイズに1~2kg足すイメージです。これなら無理なく確実にレベルを上げていけますよ」

7.水分補給と栄養管理を重視する

ワークアウトの前後はもちろん、休養日にも十分な燃料補給を。「エネルギーを供給する糖質と、筋肉の回復を促すタンパク質が含まれたバランスの良い食事と間食を摂りましょう」とコーワン。「パフォーマンスとリカバリーには十分な水分補給も不可欠です」

ダブスいわくワークアウトの前にはカフェインを摂取するといいみたい。「筋トレのカギは神経系にありますが、カフェインは神経系を刺激してトレーニングの効率を高め、より重いウエイトを扱えるようにしてくれます」

8.しっかり休んで体を回復させる

5x5ワークアウトで大きな成果を上げたいのなら、休養とリカバリーを優先すること。「完全なオフ日を設けるのも、軽いウォーキングやストレッチでアクティブリカバリーをするのもいいですね」とコーワン。

「筋肉の修復と成長には睡眠の質も同じくらい重要です。クタクタに疲れているときは、無理して早朝のセッションに行くより少し長めに寝たほうがいいですよ」

9.体の声に耳を傾ける

コーワンによると、体の状態を把握するのは絶対不可欠。「(筋肉痛以外の)痛み、めまい、極度の疲労を感じた場合は、ワークアウトをすぐに中断してください。頑張りすぎはケガのもと。無理をせず、しっかり休んで体を回復させてからワークアウトを再開しましょう」

10.一貫性を持たせる

5x5ワークアウトに一貫して取り組むためには、自分のライフスタイルや目標に合った無理のないスケジュールを組むことが大切。「進歩には一貫性が不可欠です」とコーワン。「できればワークアウトの日時を決めて、絶対に動かせない予定にしましょう」

11.辛抱強く、粘り強く

「筋力をつけて、目に見えるほど大きな結果を出すには時間がかかります」とコーワン。「先を急がず、一時的に伸び悩んだり壁にぶち当たったりしても気を落とさないこと。成功をもたらすのは、根気と一貫性ですからね」


※本記事はイギリス版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。


Text: Abbi HendersonTranslation: Ai Igamoto


伊賀本 藍翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。 

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