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【内P復活】有吉弘行再起のきっかけにも! 伝説の番組『内村プロデュース』の魅力を振り返り

  • 2024.9.1
伝説のバラエティ番組である『内村プロデュース』が、ついに2024年9月に復活します。この記事では、番組の復活にあわせて、『内村プロデュース』の魅力を元テレビ局スタッフが振り返っていきます。(サムネイル画像出典:『内村プロデュース』公式Webサイト)
伝説のバラエティ番組である『内村プロデュース』が、ついに2024年9月に復活します。この記事では、番組の復活にあわせて、『内村プロデュース』の魅力を元テレビ局スタッフが振り返っていきます。(サムネイル画像出典:『内村プロデュース』公式Webサイト)

かつて大人気だったバラエティ番組『内村プロデュース』(テレビ朝日系)の復活が決定。テレビ朝日開局65周年記念の番組で、『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』(テレビ朝日系)として、9月28日22時~23時54分に放送予定です。

内村光良さんをはじめ、過去に番組出演した「内P出てた芸人」として、さまぁ~ず、ふかわりょうさん、有吉弘行さん、バナナマン、くりぃむしちゅー、TIM、土田晃之さん、おぎやはぎ、アンタッチャブルの出演が決定。また、視聴者としてテレビにかじりついていた「内P見てた芸人」として、ヒコロヒーさん、さらば青春の光らが参戦する予定です。

今回、伝説の番組である『内村プロデュース』の復活に合わせ、あらためて元テレビ局スタッフが魅力を掘り下げていきたいと思います。

現在のキャラクターからは想像できない、とがった笑いを連発

奇跡的に復活する『内村プロデュース』ですが、過去にはテレビ朝日系で2000年4月~2005年9月にレギュラー番組として放送。内村さんが怪しい「プロデューサー」に扮装し、世の中のさまざまな出来事を大喜利やシチュエーションコントで笑いに変えていく番組でした。

さまぁ~ず、ふかわりょうさんがレギュラー陣となり、さらに若手として有吉弘行さん、バナナマン、くりぃむしちゅー、加えて出川哲朗さんなどが出演。特に、猿岩石を経てピン芸人としての人気がどん底だった有吉さんが、再ブレークの足がかりとなった番組としてもおなじみです。

この番組が革新的だったのは、司会である内村さんが新しい一面を見せたことです。内村さんといえば、温和でやさしいイメージがありますが、『内村プロデュース』ではむちゃぶりを多く行う傍若無人なキャラクターに変貌。ブラックスーツにサングラス姿で怪しいプロデューサーとして君臨し、芸人たちを苦しめます。

当時から内村さんは“いい人キャラ”だったので、番組で見せる芸人を追い込む姿は新鮮でした。追い込まれた先にある笑いを内村さんがプロデュースし、新しいバラエティ番組の形を追求し続けていました。

内村光良だからこそ実現する、再現不能な“伝説の番組”

そんな内村さんから、芸人たちは突発的に大喜利やコントを振られることに恐怖と緊張を感じ、そんなリアルな姿がこれまでにない笑いを生み出します。かと思えばゆるい雰囲気の放送回もあり、さまざまなタイプの笑いを見られる貴重な番組でした。

予定調和がない企画が実施され、芸人たちは無惨にスベることもあり、それ自体も笑いとして放送。次々と即興性が高いネタが繰り広げられ、視聴者は笑いながらも驚かせられていました。

また、放送コードギリギリの芸人たちの暴走も、なんとか内村さんのキャラクターでカバー。「内村光良」という芸人だからこそ作り出せた笑いで、まさに再現不可能な“伝説の番組”だといえます。

有吉弘行やバナナマン、くりぃむしちゅーなどが大活躍

内村さんの作り出す笑いが魅力的だったのはもちろんですが、出演していた芸人たちの実力も相当なものでした。安定感のあるさまぁ~ず、スベリ芸を極めたふかわりょうさんの他に、強烈なインパクトを残したのが有吉さんです。

有吉さんは、放送当時はどん底の生活で、テレビで姿を見かけるのは『内村プロデュース』くらい。とくに活躍した企画が「芸人家庭訪問すごろく」シリーズで、とにかく暴れまわる傍若無人なキャラクターで人気を獲得しました。ミュージカル『キャッツ』に合わせたようなメイクで「猫男爵」を名乗り、家庭訪問する芸人の家で勝手にシャワーを浴び裸で暴れるキャラクターを開拓。とにかく真剣な眼差しと恐怖すら感じるような暴れぶりで、多くの笑いを生み出しました。

また、くりぃむしちゅー・有田哲平さんも大暴れで、時には自宅でむちゃくちゃにされる被害者に。突発的な笑いへの対応力が高く、気の利いたツッコミも随所で発揮しています。バナナマンもいまよりは知名度が低く、日村勇紀さんはものまね芸を数多く披露。設楽統さんは下ネタが得意で、大喜利でも高いスキルを発揮しました。

その他にも、ずん・飯尾和樹さんやTIM、ダンディ坂野さんなども活躍。東西のさまざまな芸人が出演し番組を盛り上げ続けました。そして、番組からはユニゾングループ「NO PLAN」も誕生し、アルバムの発売や音楽番組への出演なども実現。お笑いを交えた公演を行った「劇団プロデョーヌ」など、番組外でも活躍の場を広げていきました。

番組内では、そんな芸人たちがさまざまな企画に挑戦。なかでも筆者が好きだった企画は、前述した「芸人家庭訪問すごろく」と、当時の若手が活躍した「若手芸人下剋上」です。芸人たちの素の表情を見ることができ、ギラギラとした若手芸人たちの身を削った笑いを体感できました。とにかく新しい笑いを多く誕生させた番組で、影響を受けている芸人やテレビスタッフは数多くいると思います。

『内村プロデュース』のノリは『有吉の壁』に引き継がれていく

多くの芸人やテレビマンに影響を与えた『内村プロデュース』ですが、その独特なノリは有吉さんが司会を務める『有吉の壁』(日本テレビ系)に引き継がれていきます。司会が芸人たちのボケを審査するスタイルが似ているといわれる両番組ですが、さまざまな人気者たちを生み出している点でも「ノリ」を継承しているといっていいでしょう。

『有吉の壁』は、若い視聴者に支持されている番組ですが、きっと『内村プロデュース』を見てもハマること間違いなし。若い視聴者にこそ、ぜひ見てもらいたい番組です。

現在は、『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』の放送を控え、TVerやTELASAで過去に放送された『内村プロデュース』の一部を見られます。コンプライアンスの遵守が求められる現在のバラエティ番組にはない、荒々しい芸人たちの姿を楽しめるでしょう。

この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

文:ゆるま 小林

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