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「いい母親でいなきゃ」の呪いが苦しい。家事も育児も仕事も頑張りすぎた結果、ある日限界が来て…

  • 2024.8.31

母親が子育てしながらキャリアを築くのは、まだまだ難しい。家事に育児に仕事…現代の日本の子育て世帯で大変なのは、「母親」という家庭の方が多いだろう。

『わたし、迷子のお母さん ある日突然、母親するのが苦しくなった』(らっさむ/KADOKAWA)では、“母親”という役割の呪いに苦しむ女性の葛藤がリアルに描かれている。主人公の楓は、保育園児の一人娘・いろはを育てるアラフォー会社員。起業したばかりで収入が激減しただけでなく、家事も育児も一切まともにしない夫のせいで、毎日ギリギリを生きていた。

育児は一生続くわけではない、キャリアも諦めたくないと働き、嫌がる娘をなんとか保育園に預けながら暮らしてきた。だが、仕事は持ち帰らずに就業時間内に終わらせるべきだという上司に、楓のワーママとしての働き方は迷惑だという同僚。産前と同じように成果を上げようと必死なだけなのに、楓の努力はすべて裏目にでてしまう。

「いい母親」とは何なのだろうか。毎日疲れ果てながらも、懸命に家事に育児、仕事をする母親が悪い母親なわけがない。だが、すべてをこなすには時間も気力も体力も足りなくて、娘とも上手くいかないことに楓は追い詰められていた。どこまでもリアルな葛藤に、思わず共感してしまう女性も多いのではないだろうか。

会社からの帰り道、急に体調が悪くなり電車から降りられなくなった楓は、終点まで行ってしまう。きっとすべてが限界だったのだろう。頑張りすぎた母が立てなくなる姿は、あまりにも痛々しい…。

ただでさえ具合が悪いのに、追い討ちをかけるようにママ友から送られてきた夫の浮気写真により、さらにメンタルはボロボロに。

見知らぬ駅で降りた楓は、カバンを無くしスマホも壊れるという踏んだり蹴ったりな目に遭う。だが、その街で出会った人たちの助けで何とか過ごせるように。しかし、いざ家に帰ろうとすると、パニックを起こしてしまい家に帰れなくなっていた。「いい母親」という呪いに苦しむ楓は、これから何と向き合っていくのか。楓の人生が幸せな未来につながっていることを祈りたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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