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3日で大満喫!次の”ツウな旅先”にリトアニアをおすすめしたい理由

  • 2024.9.1

リトアニアという国をご存知でしょうか。どんな観光地があるかイメージ湧きますか?

あまり知られた国ではありませんが、バルト三国のひとつであるリトアニア。

美しい観光名所も数多くあるものの、そこまで大きな国ではないので、少ない日数で主要な観光地をまわれてしまいます。

今回わたしは、ロンドンを訪れたあとに時間が余ったためふらっとリトアニアに寄り、弾丸3日間で満喫してきました。

これからリトアニアに行こうと思っている方、この記事を読んでリトアニアに興味を持った方は参考にしてみてください。

ほかヨーロッパ諸国から気軽に行けるリトアニア

リトアニアの魅力は、そこまで大きな国ではなく、見どころがギュッとまとまっているため、少ない日数でリトアニア全体を楽しめてしまうこと。

また、ロンドンなど周辺国からLCC航空も出ているので、他のヨーロッパの国と併せて「ついでに」楽しむことができます。

リトアニアの主な都市間は電車で移動が可能で、移動時間も1〜3時間ほどとそこまで負担もありません。

都市間は列車が便利

何より、他のヨーロッパ諸国と比べて観光客も少なく、それでいてヨーロッパらしい美しい街並みが広がり、さらには物価も安く、周辺のヨーロッパ諸国のついでに是非寄ってほしい国。

定番のヨーロッパの国々は既に渡航済みの人、コスパ良くヨーロッパを満喫したい人におすすめです。

また、治安もかなりいいので海外旅初心者にもおすすめできる国でもあります。

リトアニアは土日や祝日に博物館などが閉まってしまうことが多いので、火曜〜金曜で旅程を組むのが良いでしょう。

1日目|日本人の功績が語り継がれるカウナスを観光

周辺国から飛行機でリトアニアを訪れる場合、カウナスから入ることが多くあります。

わたしもロンドンからLCC航空であるライアンエアでカウナスへ深夜に到着。

空港では、荷物を置いたままトイレへ行く人がおり、誰もそれを気に留めていないという、到着して早々に治安の良さを目の当たりに……。

3日間と弾丸日程なので、初日は朝早い時間から行動。最初に訪れたのは「アレクソタス展望台」。

ヨーロッパでもっとも古いといわれるケーブルカー

展望台へ向かうためのケーブルカーがヨーロッパでもっとも古いといわれています。そこまで高低差があるわけではないので、歩いて登る人も多くいました。

アレクソタス展望台からの眺め

朝日を浴びながらカウナスの街を一望。街が小さそうなので歩いて1日で回れそうな気がしてきます。

そこから歩いて聖ペテロ・パウロ大聖堂へ。

建物の作り、特に祭壇の彫刻などがとても素敵な後期バロック様式の大聖堂。少し座ってその空気感に浸りながら休憩。

現代のようにコンピューターもクレーン車などもない時代に、どうやってこんなにも素晴らしい建築物がつくれたのだろうかと感嘆。

ちょっと背筋が伸びるような、それでいて静かな雰囲気に心が落ち着き、とても居心地の良い空間です。

次に来たのはカウナス城。

14世紀に建てられたお城で、現在はカウナスの歴史が展示紹介されています。観光の前にカウナスのことを知るのに最適です。

そこから歩いてライスヴェス・アレヤというカウナスの中心街にある通りへ。

歩道の幅が広く、木々に囲まれたとても素敵な歩道。そこを歩く人々も穏やかな雰囲気で、素敵な街並みも相まって歩くだけで癒される空間。

この通りに店を構え、古くから地元の人に親しまれているという、Spurginėというドーナツ屋さんで腹ごしらえ。

店内で出会った常連らしき地元の人が「ジャムドーナツがオススメだよ」と教えてくれたので、そちらとコーヒーを注文してみました。

ドーナツは砂糖でコーティングされてるのか、外側が少しサクサクで、なかのジャムの甘味がちょうど良く美味!人気なのも頷けます。このセットで2.6ユーロとお財布にも優しいんです。

おやつタイムを終えたら通りを散策。教会や面白い銅像があったり、リトアニア名品の琥珀を使ったお土産、センスの良い可愛らしい小物が売っていたりと、見るだけでも楽しい通りです。

リトアニアのなかでもカウナスが1番お土産が安い印象を受けましたので、必要であればここで買うと良さそうです。

バスに乗ってミリコニアイ丘の展望台へ行ってみました。

"リトアニア第2の都市"であるのに、こじんまりした街なのが丘の上からよく分かります。のどかな雰囲気の街なのが伝わるでしょうか。

朝日が綺麗に見えそうなので、朝イチに行ってみるのも良いかもしれません。

そこからまたバスに乗って第9要塞博物館へ。

あまりにも平和な雰囲気に、緑に埋もれた可愛いお家かと思ってしまいますが、じつはナチス・ドイツ占領中に、ユダヤ人の収容所として使われた場所。

ポーランドのアウシュビッツ収容所ほどの規模はないものの、貴重な展示ばかりですので、カウナスを訪れたら寄っておきたい場所です。

この建物の屋上部分に登ることもでき、そこからは綺麗な見晴らし。

第9要塞博物館の建物の上から

まさに、ここで起きた負の歴史のうえに今の幸せがあると再現しているようで、なんだか胸が締め付けられるような気持ちになると同時に、この平和な世界を噛み締め、幸せを実感する時間となりました。

博物館の見学を終えたら、バスで杉原千畝博物館へ。

第二次世界大戦中、リトアニアのカウナスに日本領事館領事代理として赴任していた杉原千畝。そこで彼は、ナチス・ドイツに迫害されていたユダヤ人に対して、ビザを数多く発給し、彼らが国外へ亡命できるようにしたのです。このビザは「命のビザ」と呼ばれ、多くのユダヤ人を助けました。

彼がビザを書き続けた場所にあるのが「杉原千畝記念館」で、今も彼の功績が語り継がれているのです。

リトアニアを訪れる日本人であれば訪れておきたい場所であり、知っておきたい歴史を学ぶことができます。

ディナーは是非、リトアニア料理レストランのBernelių užeiga Smuklėへ。

リトアニアの伝統的な料理にはマークが付いているので、確実にリトアニア料理を注文することができます。

わたしは「シャルティバルチャイ」(ビーツとサワークリームのスープ)と、「ツェペリナイ」(お肉のジャガイモ包み)を。リトアニア料理かなり美味しいです。

徒歩とバスだけで、丸1日でカウナス観光ができてしまったカウナス。

"リトアニア第2の都市"であるにも関わらず、観光客がそこまでおらず、観光地化されすぎていない、ありのままのリトアニアを見ることができた気がします。英語の通じない人が多かったものの、人は穏やかで、物価も安く、とっても居心地の良い街でした。

カウナス駅から次の街である「ヴィリニュス」へは列車で1時間ちょっとで到着です。

2日目|鐘の音が心地よいヴィリニュス

2日目はリトアニアの首都であるヴィリニュス。旧市街地は世界遺産に登録されている街でもあります。

まずは宿からバスで「夜明けの門」へ行ってみました。

ちょうどミサをやっていた夜明けの門

門の内部に教会があり、そこに安置されている聖母マリアの肖像が奇跡を起こすといわれているそう。

キリスト教における聖地でもあるようで、たくさんの人が十字を切って通行していました。

この門を通り過ぎたところからオールドタウンに入っていくのですが、とても雰囲気が良く、カメラのシャッターを切る手が止まりません。

オールドタウンを散策しつつたどり着いたのは聖アンナ教会。

外から見てもかなり存在感のある教会。約500年の歴史があるそうで、一見質素な教会のようで、木材に施された繊細な彫刻があるなど見応えがあります。

そこから歩いて「3本の十字架」へ。まぁまぁ歩きますが、素敵な景色を見るべく頑張ります。

7人のフランシスコ会修道士がこの丘の上で斬首され、それを奉るために建てられた十字架。

ここから眺めるヴィリニュスの街がとっても素敵なので、頑張ってハイキングする価値ありです。

茶色で統一された屋根が可愛い旧市街の奥にはビルや集合住宅などが見え、前日に訪れたカウナスに比べて、街の規模が少し大きくなったのが分かります。

下山して向かうはゲディミナス塔。

片道1ユーロでロープウェイも利用できるので、登りはそれに乗ってしまうのがオススメです。

塔を境に左側には、茶色屋根が可愛らしい古い家々。反対の右側は高層ビルやショッピングセンターなど近代的な建物の景色と、対比が面白い景色を見ることができます。

近くに空港があるため、間近を飛行機が飛ぶ景色は旅人心がくすぐられます。

徒歩圏内にあるヴィリニュス大聖堂は、神殿のような荘厳な見た目とその大きさが迫力満点。

内部に豪華さはないものの、宗教画が数多く飾ってあり、絵画を観るのが好きなわたしは大興奮。

歩き疲れたらカフェで一息。ヴィリニュスにはカフェがたくさんあるので、ぜひトライしてみてください。

写真映えするカフェが多くあります

女子の乙女心をくすぐるような可愛いカフェ、美味しいコーヒーが安価で飲めるカフェ、伝統菓子であるスプルゴスをいただけるカフェなど、カフェ巡りするのも楽しそうです。

さて、お次は歩いていけるお隣のウジュピシュ共和国へ行ってみましょう。

この国は、住人が勝手に独立を宣言しちゃった、正式には認められてない国。要は、同国・リトアニアです。

全26ヶ国語に翻訳された憲法プレート

でも、ウジュピシュ共和国の憲法だって制定されているんですよ。

1時間弱で回れてしまう、とっても小さな国ですが、話のネタにぜひ訪れてみてください。街中には、日本語で書かれた憲法プレートがあります。

個人的には『13条 猫には飼い主を愛する義務はないが、必要とされたら飼い主を助けなければいけない』が好きでした。

1日の最後は、有名なリトアニア料理レストランEtno Dvarasでディナー。

「ヴェダライ(Vėdarai)」と「ギラ(gira)」

リトアニア名物、じゃがいものソーセージ「ヴェダライ(Vėdarai)」と、名物ドリンク、黒パンを発酵させた「ギラ(gira)」。

リトアニア料理どれも美味しいです。ただ、1品のボリュームが結構あるので、誰かとシェアして食べるのが良いかもしれません。

ヴィリニュスも1日で観光完了。

ヴィリニュスは首都というだけあってか観光客もそれなりにおり、観光地化がほどよく進んでいて、見所も多く観光のしやすい都市でした。

教会の数がものすごく多く、街を歩いていると時刻を知らせる鐘がどこからか聞こえてきます。美しい歴史的建造物の景色も相まって、贅沢な気持ちにもう1泊したいと思ってしまいます。

3日目|シャウレイと十字架の丘でちょっと一息

ヴィリニュスを去る前に、駅から徒歩5分の位置にあるハレ市場で朝食を調達。100年以上の歴史があり、ヴィリニュスでもっとも古い市場。食品が激安で売られているそう。

わたしは市場内のパン屋さんでパンを購入。これが結構美味しくて当たりでした。リトアニア、何食べてもおいしい……!

電車に乗り込み、次の街であるシャウレイへ。

シャウレイからわたしがずっと訪れてみたかった「十字架の丘」に向かいます。

シャウレイのバスターミナルの8番乗り場から、Joniškis行きのバスに乗り込みます。

今まで以上に英語が通じなくてドキドキしてしまいますが、目的のバス停名である「Domantai(ドマンタイ)?」と聞くと、優しくそうだと頷いてくれ、到着すると目配せして教えてくれました。

バス停を降りて、まっすぐの道をひたすら歩いてたどり着いたのが……

おびただしい数の十字架で埋め尽くされた丘、まさに「十字架の丘」。

大きいものから手のひらサイズの小さいものまで、ここ数年で建てられたと思われる新しい十字架から、かなり歴史を感じる十字架まで、数多くの十字架が建てられています。

周りに何も無い片田舎に忽然と現れる不思議な光景。何も無いからこそ、ここにできたのでしょうか。

なんともスピリチュアルな場所に、無意識で何周も回ってしまいました。少しアクセスは悪いですが、リトアニアを訪れる際はぜひ立ち寄ってほしい観光スポットです。

バスに乗ってシャウレイに戻り、地元民が集うレストラン『Senasis sodzius』でランチタイム。

今回もリトアニア名物を。

「グリーボ・スリュバ(Gyrbu Sriuba)」と、「ジャマイチュブリーナイ(Žemaičių blynai)」

きのこのスープ「グリーボ・スリュバ(Gyrbu Sriuba)」と、揚げないコロッケ「ジャマイチュブリーナイ(Žemaičių blynai)」。

ドリンク含めて6ユーロくらいと安い!しかも、注文してから1分で出てきました。速い!そしてもちろん美味い!安い・速い・美味いの三拍子揃ったレストランです。

カメラ好きのわたしは写真美術館へ。

結構貴重な古い機材などが展示されていたり、フィルム時代の現像部屋の再現、時期により変わる展示など、カメラ好きもそうで無い人も楽しめる博物館です。

屋上からの眺めも良い感じです。

写真美術館の屋上からの眺め

ほかにもRutaのチョコレート博物館や、祭壇が特徴的なシャウレイ大聖堂、街のシンボルである日時計広場の通称ゴールデンボーイなど、見所は全て徒歩で回ることのできるコンパクトさ。

さらには人がとっても少なく、最近各地で問題となっているオーバーツーリズムとは程遠い静かな街に、心が落ち着きます。

メインの通りなのに人が全然歩いていません

シャウレイは十字架の丘への拠点街という感じで、特に大きな見どころはない印象でしたが、湖のほとりでのんびり過ごす人々や、カフェでコーヒー片手に談笑する人々を見ていると、ここまで急ぎ足で観光してきたわたしの心がフッと軽くなるような、「ちょっとゆっくりしたらどう?」と言われているような気持ちになる街でした。

この街で弾丸リトアニア3日間旅も終了。わたしはここからバスでお隣のラトビアの首都、リガへ向かいましたが、飛行機で次なる国へ移動しても良いでしょう。

ヨーロッパ旅行するなら、リトアニアも

カワイイが溢れるリトアニア

リトアニアのメインの3都市をしっかり観光しましたが、たったの3日間でまわれてしまいました。

もしまだ日数が残っているのであれば、世界遺産になっているクルシュー砂州、リゾート地のケルナヴェなど、見どころはほかにもあります。また、お気に入りの街で延泊してゆっくり過ごすのも良いですね。

わたし自身、ドイツやフランス、スペイン、イギリスといった定番のヨーロッパ諸国は渡航済み。ちょっとツウな旅をしてみたいなぁと思い、ついでに寄ったのがリトアニアでした。

どの街も緩やかな時間が心地良い

ヨーロッパ諸国をギュッと小さくした国、といってしまえばそれまでですが、ほかの国々にはない緩やかな時間の流れや、観光客が少ないからこそスムーズに旅ができる快適さ、物価の安さ、そして圧倒的な治安の良さによる安心感はリトアニアならではの魅力です。

40カ国以上を旅したわたしの、好きな国ランキングの上位にランクインしたリトアニア、ぜひあなたも訪れてみては。

All photos by Keiko Kawanami

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